株式会社VIP(ヴィアイピー、VIP Co.,Ltd.)は、移動受信用地上基幹放送の基幹放送局提供事業者である。
概要
VIPは、V-Low Infrastucture Providerの略[1]である。
地上アナログテレビ放送停波後の(VHF-Low帯)(90-108MHz)を利用するマルチメディア放送i-dioの統括会社であるBIC株式会社(現・株式会社ジャパンマルチメディア放送)の完全子会社として設立された。
i-dioは6広域圏と北海道の7放送対象地域でのマルチメディア放送を企図したもので、全地域でVIPが地上基幹放送局を設置して実施するものとされた。
2014年(平成26年)全放送対象地域の(特定基地局)開設計画[2]が認定された。
2016年(平成28年)に東京局・大阪局・福岡局・名古屋局が開局。 以後2018年(平成30年)に宮城局・広島局、2019年(平成31年)に札幌局と全放送対象地域で7親局と9中継局の計16局が開局した。 また、i-dioが推進する地方公共団体向け災害情報伝達システム(V-ALERT)[3]対応局も3局まで開局した。
しかしi-dioは業績不振であることが、エフエム東京のTOKYO SMARTCASTに対する不正な株取引に端を発した粉飾決算により表面化し、VIPも特別損失を計上。 エフエム東京はi-dioの事業継続を断念した。
- 詳細は(エフエム東京#不正会計問題)を参照
2020年(令和2年)に放送を終了してV-ALERT業務のみ継続することとなり、終了と同時にV-ALERT非対応の13局を廃止。 対応局も2021年(令和3年)以降に業務終了次第廃止して、2022年(令和4年)中に全局を廃止した。
事業収支
電子公告[4]から抜粋。
年度 | 売上高 | 売上総利益 | 営業損失 | 経常損失 | 特別利益 | 特別損失 | 当期純利益 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成26年度 | - | - | 152,416 | 170,646 | - | - | △171,596 | 第2期損益計算書[5] |
平成27年度 | 31,964 | △119,526 | 935,032 | 947,433 | - | 30,416 | △978,799 | 第3期損益計算書[6] |
平成28年度 | 1,158,525 | △574,650 | 1,141,644 | 1,167,732 | - | - | △1,168,682 | 第4期損益計算書[7] |
平成29年度 | 625,390 | △619,575 | 1,078,403 | 1,129,002 | - | - | △1,129,952 | 第5期損益計算書[8] |
平成30年度 | 772,302 | △680,035 | 1,179,408 | 1,252,165 | - | 6,139,902 | △7,393,018 | 第6期損益計算書[9] |
令和元年度 | 666,080 | 69,523 | 16,823 | 238,522 | 43,210 | 837,063 | △1,033,325 | 第7期損益計算書[10] |
令和2年度 | 34,240 | △96,527 | 157,731 | 237,729 | 14,770 | 132,027 | △358,056 | 第8期損益計算書[11] |
令和3年度 | 18,707 | △39,859 | 88,850 | 101,725 | 134,941 | 1,825 | 31,320 | 第9期損益計算書[12] |
単位は千円、△は損失 |
沿革
2014年(平成26年)
2016年(平成28年)
- 3月1日 - 東京局・大阪局・福岡局(圏内の他3局含む)開局、(関東・甲信越広域圏)、(近畿広域圏)、(九州・沖縄広域圏)での放送開始[15]
- 7月1日 - 名古屋局開局、(東海・北陸広域圏)での放送開始[16]
- 7月8日 - 秦野局開局[17]
- 10月14日 - 静岡局開局[18]
2017年(平成29年)
2018年(平成30年)
- 2月1日 - 福岡局の空中線電力を500Wから3kWに増力[23]
- 5月1日 - 宮城局・喜多方局開局、(東北広域圏)での放送開始[24]
- 6月26日 - 広島局開局、(中国・四国広域圏)での放送開始[25]
- 12月12日 - 資本金を0円に、資本準備金を5億5千万円に減資[26]
2019年(平成31年、令和元年)
- 1月31日 - ジャパンマルチメディア放送の出資により資本金を5億円に増資[27]
- 4月1日 - 札幌局開局、北海道での放送開始[28]
- 10月12日 - 秦野局が台風19号の影響による回線障害で放送停止、20日復旧[29]
- 12月25日 - ジャパンマルチメディア放送と認定基幹放送事業者6社は2020年3月31日をもってi-dioを終了[30]、但し喜多方市、焼津市、加古川市のV-ALERTは継続[31]と発表
2020年(令和2年)
- 3月31日 - 正午に放送終了[32]
- 喜多方局、静岡局、加古川局を除く13局を廃止
- 7月31日 - この日までに北海道、関東・甲信越広域圏、中国・四国広域圏、九州・沖縄広域圏の特定基地局開設計画を廃止[33]
2021年(令和3年)
2022年(令和4年)
ベリカード
脚注
- ^ - ウェイバックマシン(2015年9月12日アーカイブ分)
- ^ 開設計画の名称は「特定基地局」であるが、無線局の種別としては「地上基幹放送局」である。
- ^ - ウェイバックマシン(2017年3月30日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2022年7月24日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2016年1月27日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年2月12日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年2月12日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年2月12日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年1月15日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年7月3日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2021年7月12日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2022年7月24日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2016年5月10日アーカイブ分)
- ^ 99MHzを超え108MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定 - V-Lowマルチメディア放送に係る特定基地局の開設計画の認定(総務省 報道資料 平成26年7月15日)(2018年8月5日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2016年7月5日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2016年8月3日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2016年10月18日アーカイブ分)
- ^ 準備金の額の減少公告(官報平成29年2月9日第6954号31頁)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年1月25日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2017年9月6日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2017年10月11日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2018年2月10日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2018年6月21日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年2月19日アーカイブ分)
- ^ 資本金及び準備金の額の減少公告(官報平成30年12月12日第7408号31頁)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年1月15日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年12月27日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年12月28日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2019年12月25日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年1月5日アーカイブ分)
- ^ - ウェイバックマシン(2020年9月2日アーカイブ分)
- ^ 会社概要の - ウェイバックマシン(2020年8月13日アーカイブ分)と - ウェイバックマシン(2020年9月2日アーカイブ分)との比較による、
- ^ 資本金及び準備金の額の減少公告(官報令和3年2月16日第433号31頁)
- ^ 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ)(2021年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ) にある「集計時点分析 地方局-無線局種」の2021年2月と2021年3月との「特定以外の地上基幹放送局」の比較による。
- ^ 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ)(2022年7月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ) にある「集計時点分析 地方局-無線局種」の2022年3月と2022年4月との「特定以外の地上基幹放送局」の比較による。
- ^ 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ)(2023年3月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project 無線局統計情報(総務省電波利用ホームページ) にある「集計時点分析 地方局-無線局種」の2022年11月と2022年12月との「特定以外の地上基幹放送局」東北」の比較による。
- ^ - ウェイバックマシン(2018年6月21日アーカイブ分)
外部リンク
- 株式会社VIP