「Unnamed Memory」(アンネームドメモリー)は、古宮九時作の日本のライトノベル。イラストはchibiが担当している。
Unnamed Memory | |
---|---|
ジャンル | ファンタジー |
小説 | |
著者 | 古宮九時(藤村由紀) |
イラスト | chibi |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 電撃の新文芸 |
刊行期間 | 2019年1月17日 - 2021年4月17日 |
巻数 | 全6巻 |
小説:Unnamed Memory -after the end- | |
著者 | 古宮九時(藤村由紀) |
イラスト | chibi |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 電撃の新文芸 |
刊行期間 | 2022年2月17日 - |
巻数 | 既刊2巻(2022年12月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 古宮九時(原作) chibi(キャラクター原案) |
作画 | 越水ナオキ |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 月刊コミック電撃大王 |
レーベル | 電撃コミックスNEXT |
発表号 | 2020年11月号 - |
発表期間 | 2020年9月26日 - |
巻数 | 既刊4巻(2023年1月現在) |
アニメ | |
原作 | 古宮九時 |
監督 | 三浦和也 |
シリーズ構成 | 赤尾でこ |
キャラクターデザイン | 能海知佳 |
音楽 | 松田彬人 |
アニメーション制作 | ENGI |
製作 | Project Unnamed Memory |
放送局 | |
放送期間 | 2023年 - |
(テンプレート) - (ノート) | |
プロジェクト | ライトノベル、漫画、アニメ |
ポータル | (文学)、(漫画)、(アニメ) |
概要
元々は2008年に個人サイト「no-seen flower」に掲載されていた小説(web版は「藤村由紀」名義)で、2012年より「小説家になろう」でも連載が開始された。2019年から2021年までKADOKAWA(アスキー・メディアワークスブランド)の電撃の新文芸から書籍化された。2022年2月から続編『Unnamed Memory -after the end-』が同レーベルより刊行されている。
また、コミカライズ版が2020年9月より『月刊コミック電撃大王』 (KADOKAWA) で連載されている他(作画・越水ナオキ)[1]、2020年10月にはAudibleにて小澤亜李と角田雄二郎の朗読による第1巻のオーディオブックの配信も開始された[2]。
『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルス部門では2020年版では1位[3]、2021年版では3位を獲得[4]。2020年には第5回ラノベ好き書店員大賞でも単行本部門大賞を受賞している[5]。
あらすじ
永い時を生き、絶大な力で厄災を呼ぶとされる5人の魔女が大陸の影に君臨していた時代。強国ファルサスの王太子であるオスカーは、幼い頃〈沈黙の魔女〉にかけられた「子孫を残せない呪い」の解呪を願い、試練を達成すれば願いを叶えてくれるという〈青き月の魔女〉ティナーシャの塔を訪れる。
塔の試練を乗り越え、解呪を願うオスカーだが、この呪いの正体は祝福であり、術者によって定義が異なるため完全な解呪は難しいと告げられる。胎児に強力な守護をかけるため、普通の母体では守護に耐えきれず害されてしまうという術に対してとれる別の手段は、「呪いに対抗できる魔力と魔力耐性を持った女性を探す」というものだった。
それを聞いたオスカーは、ティナーシャを妻にすることを願う。呪いには耐えられるが、断固拒否の姿勢を示すティナーシャにオスカーは代案として「1年間自分の傍で暮らす」ことを提示する。それを試練達成者の願いとして承諾したティナーシャは、オスカーと契約関係を結ぶ。この出会いが、2人の運命と大陸の歴史を変える物語の始まりとなる。
主な登場人物
この節の加筆が望まれています。 |
声の項はテレビアニメ版における声優。
- オスカー
- 声 - 中島ヨシキ[6]
- 王子:本作の主人公[7]。ティナーシャの契約者。後に即位しファルサス国王となる。絶対魔法抵抗の剣アカーシアの主人。
- 古宮は「物語としてはオスカーとティナーシャのダブル主人公に見えるが実はオスカーが圧倒的に主人公」だと述べている[7]。
- ティナーシャ
- 声 - 種﨑敦美[6]
- 魔女:数百年の時を生き、「青き月の魔女」と呼ばれる。
- 古宮はティナーシャを「オスカーの最強装備のひとつ」であると述べている[7]。
- ラザル
- 従者:オスカーの幼馴染。いつもひどい目にあってるらしい。
- アルス
- 将軍:ファルサス国の若き将軍。酒好き。
- メレディナ
- 武官:アルスの幼馴染。突っ込み役。貧乏くじを引きがちの性格。
- カーヴ
- 魔法士:ファルサス所属。魔法薬が専門。割と真面目。
- ドアン
- 魔法士:ファルサス所属。あちこちの遠征に連れまわされている。意外と適当な性格。
- シルヴィア
- 魔法士:ファルサス所属。怖いものが嫌い。おっとりした女性。ティナーシャとは仲良し。
- ルクレツィア
- 魔女:ティナーシャとは旧知の間柄。数少ないティナーシャより年上の人間。「閉ざされた森の魔女」。
- ケヴィン
- 王:オスカーの父親。普段はのんびり暮らしている。
- スズト
- 兵士:ファルサス所属。素直で正直だがあんまり報われていない。
- クム
- 魔法士長:ファルサス所属。ハゲ。
- ラナク
- 魔法士:ティナーシャの古い知り合いらしい。
- レナート
- 魔法士:タァイーリ出身の魔法士。
- パミラ
- 魔法士:精霊術士。
- トラヴィス
- 魔族:最上位魔族。人間界ではガンドナの公爵。
- オーレリア
- 異能者:トラヴィスの被保護者の少女。ガンドナの王族。
- レオノーラ
- 魔女:ティナーシャとは旧知。「呼ばれぬ魔女」。
- ガジェン
- 将軍:ファルサス所属。普段はミネダード砦に配備。
- サヴァス
- 王子:ファルサスの東国ヤルダの王子。ネフェリィの兄。
- ネフェリィ
- 王女:ファルサスの東国ヤルダの王女。
作風
将来的に国王となる主人公・オスカーがどのような経緯で成長してきたのか、王妃となる魔女・ティナーシャがどのようにオスカーに従うようになったのかが歴史的観点から描かれる[7]。古宮は「二人とも王族で共に重い事情を背負っているので他の人には理解しづらい価値観も、それを当たり前に共有できるのが強み」だと述べている[7]。
ミステリー要素が多い点については古宮の読書歴の半分がミステリー作品となっていることに起因しており、古宮自身も「謎が解き明かされていく過程が好きなので、自身の創作にも隙あらば取り入れている」と述べている[7]。また、古宮は「最強の二人が時間をかけて関係性を構築していく過程を描きたかった。その関係性が一番分かりやすく出せるのがたまたま恋愛だった」とも述べている[7]。
制作背景
古宮は元々本作を同人誌として製本しようと考えていたが、KADOKAWAの新レーベル「電撃の新文芸」が創刊されることから「参加してみないか」と声をかけられ書籍化するに至った[7]。
本作の発表は書籍化から11年前の2008年まで遡り、さらに執筆自体は2006年頃に始まっている[7]。古宮によれば、執筆当時はブログが最盛期だったらしく、自身も練習用のブログを作成して非公開で小説を書き始めており、本作も高校時代に書き始めたプロトタイプを元に書きだしている[7]。
古宮は書籍化にあたって、元々比喩的に表現していた登場人物の感情などを読者に伝わりやすいように改稿を行っている[7]。また、紙面が限られてくるため取捨選択を意識し、余分な部分を削り印象に残したい場面や伏線の部分は逆に膨らませるようにしている[7]。
既刊一覧
- 古宮九時(著)・chibi(イラスト) 『Unnamed Memory』 KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、全6巻
- 『Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王』、2019年1月17日発売[8]、ISBN (978-4-04-912267-1)
- 『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』、2019年5月17日発売[9]、ISBN (978-4-04-912380-7)
- 『Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て』、2019年9月17日発売[10]、ISBN (978-4-04-912381-4)
- 『Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度』、2020年1月17日発売[11]、ISBN (978-4-04-912803-1)
- 『Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙』、2020年6月17日発売[12]、ISBN (978-4-04-912804-8)
- 『Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を』、2021年4月17日発売[13]、ISBN (978-4-04-912805-5)
- 古宮九時(著)・chibi(イラスト) 『Unnamed Memory -after the end-』 KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、既刊2巻(2022年12月17日現在)
漫画
テレビアニメ
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。ウィキペディアは(ニュース速報でも宣伝サイトでもありません)。 |
2022年12月13日、2023年からのテレビアニメ化が発表された[6]。
スタッフ
脚注
- ^ “『Unnamed Memory』のコミカライズ連載が電撃大王11月号より開始”. ラノベニュースオンライン. (2020年9月27日)2021年12月12日閲覧。
- ^ “「このライトノベルがすごい!2020」W1位選出の『七つの魔剣が支配する』、『Unnamed Memory』が、2020年10月16日(金)より、Audibleにて同時配信開始!”. PR TIMES (2020年10月16日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ “このライトノベルがすごい! 2020:『七つの魔剣が支配する』が文庫部門でダブル1位&単行本・ノベルズ部門は『Unnamed Memory』が『本好き』の殿堂入りを阻む”. ラノベニュースオンライン. (2019年11月25日)2021年12月12日閲覧。
- ^ このラノ2021, p. 56.
- ^ “ラノベ好き書店員大賞2020:文庫部門『探偵はもう、死んでいる。』、単行本部門『リアデイルの大地にて』『Unnamed Memory』が第1位に輝く”. ラノベニュースオンライン (2020年3月14日). 2021年4月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “古宮九時「Unnamed Memory」2023年TVアニメ化! キャストに中島ヨシキ&種崎敦美”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年12月13日) 2022年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l このラノ2020, pp. 68–75.
- ^ “Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory II 玉座に無き女王”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory -after the end-I”. KADOKAWA. 2023年1月14日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory -after the end-II”. KADOKAWA. 2023年1月14日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory 1(漫画)”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory 2(漫画)”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory 3(漫画)”. KADOKAWA. 2021年12月12日閲覧。
- ^ “Unnamed Memory 4(漫画)”. KADOKAWA. 2023年1月10日閲覧。
参考文献
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2020』宝島社、2019年12月9日。ISBN (978-4-8002-9978-9)。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2021』宝島社、2020年12月8日。ISBN (978-4-299-01056-8)。
外部リンク
- Unnamed Memory - 小説家になろう
- Unnamed Memory(電撃文庫) - カクヨム
- Unnamed Memory - 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
- Unnamed Memory - 月刊コミック電撃大王公式サイト
- Unnamed Memory - アニメ公式サイト
- Unnamed Memory (@Project_UM) - Twitter