PyMOL(パイモル)はオープンソースの分子グラフィックスツールである。(ウォーレン・デラノ)により開発され、個人経営のソフトウェア会社であるデラノ・サイエンティフィック (DeLano Scientific LLC) によって商品化された。現在はSchrödinger社によって商品化されている。PyMOLは小さな分子に加えてタンパク質など生体高分子の高品質な3Dイメージを作成でき、科学雑誌の表紙を飾ったPyMOLのタンパク質画像も多く存在している。
作者 | (Warren Lyford DeLano) |
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開発元 | (Schrödinger, Inc.) |
最新版 | 2.3.5 / 2020年3月6日 |
リポジトリ |
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プログラミング 言語 | C、、Python |
対応OS | クロスプラットフォーム |
種別 | 分子モデリング |
ライセンス | (Pythonライセンス)[1] |
公式サイト | www.pymol.org |
構造生物学の分野ではオープンソースで利用できる数少ないソフトウェアのうちの1つである。名称の一部Pyは記述言語であるPythonに因む。
PyMOLはOpenGL Extension Wranglerライブラリ((GLEW))や(FreeGLUT)を用いており、またプラグインとしてプログラムソフトウェアAPBS[2]を利用してポアソン=ボルツマン方程式を解いて、タンパク質表面に電荷分布を表示させることが可能となっている。
2017年9月20日にPyMOL 2.0がリリースされた[3]。GUIがPyQt対応になり、以前のTkやaquaを用いた描画から置き換えられた。またサポートが行われなくなったPython 2からPython 3への以降を行っており、現在のバージョンではPython 3単独で動作するようになっているが、一部の古いプラグインは依然としてPython 2でしか動作しないものも存在する。
バイナリの配布とソースコードの利用
2006年8月1日にデラノ・サイエンティフィックはコンパイル済みのPyMOL製品(ベータ版を含む)のダウンロードシステムにアクセス制限を設け、長らく最新版のバイナリの配布は有償となっていた。しかし2017年9月のPyMOL 2.0のリリースとともに、Windows, macOS, Linux OSについての最新バージョンのバイナリの公開を再開した。ユーザーは無償でダウンロードして使用することが可能であるが、一部の機能に制限がある。
一方で、最新のソースコードは継続して無償公開されており、PyMOL 2についてのソースコードも2018年3月に公開が再開された[1]。ユーザーがソースコードをダウンロードしてコンパイルし利用することは許可されている。Windows OSについてはオンライン上で非公式のバイナリが配布されている[4]。macOSについてはHomebrewを用いて簡単にソースコードからのインストールを行うことが可能になっている[5]。
脚注
外部リンク
- PyMOL