NHK富士見ヶ丘クラブハウス(エヌエイチケイふじみがおかクラブハウス)は、東京都杉並区久我山の旧NHK富士見ヶ丘運動場内にあった木造2階建てのクラブハウス。前川國男が設計し、1954年に竣工。高井戸公園整備のため、2016年3月に取り壊された。
概要
日本放送協会 (NHK)が所有する富士見ヶ丘運動場のクラブハウスとして1954年に竣工した。1階には、ホール、6畳和室、更衣室、浴室、厨房、トイレなどがあり、2階には食堂、厨房、6畳和室が配されている。2階の周囲には、広いバルコニーがめぐらされている。バルコニーの北側には外部階段が接続されており、建物の外部から2階に直接上がれる構造になっている [2][3]。建物の西側には、藤棚がある。
京都工芸繊維大学助教授の(松隈洋)(建築史家)は、「木造ながら、ル・コルビュジエの原理的な空間概念である『(ドミノ・システム)』のような開放的で伸びやかな空間」を生み出していると評し、「木造モダニズムの可能性を試みた意欲的な作品」であると述べている。また、彼は、回り階段や手すりのデザインについて、アントニン・レーモンドの「聖ポール教会(現在の軽井沢聖パウロカトリック教会)」の影響を指摘している[3]。
NHK富士見ヶ丘運動場は2006年3月31日に閉鎖されたが、杉並区が管理を引き継ぎ2007年3月20日に富士見ヶ丘運動場(遊び場102番)として開園、クラブハウスはその管理棟となった [4]。その後、運動場は2015年5月17日に高井戸公園整備のため再び閉鎖され、一部は8月8日より遊び場110番として暫定開放されたが、クラブハウスは開放区域には含まれず2016年3月に取り壊された。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
- 石渡玲子・佐竹未希 「杉並の景観と建物 (3)富士見ヶ丘クラブハウス」 『すぎなみ学倶楽部』 2007年12月28日掲載. 2013年5月20日 - ウェイバックマシン