Gファンク(G-funk, G funk)は、1980年代末期にアメリカ合衆国カリフォルニア州で生まれた、ヒップホップのサブジャンルの一つ。
概要
サウンドの特徴として、ヒップホップの基本的な手法であるサンプリングに加えて生楽器も多用していること、シンセサイザーによる特徴的な旋律、ファンクとゆるやかなサウンドの併用、ゆったりとしたグルーヴ、サビにコーラスを使用することなどが挙げられる。
Gファンクには大きく分けると二つの潮流がある。
一つは、ドクター・ドレー[注釈 1]を始めとするデス・ロウ・レコードに所属していたアーティストに代表されるハードコアなサウンドである。
もう一つは、ウォーレン・G[1]、ネイト・ドッグらが作り上げた、ファンクに加えアダルト・コンテンポラリーなどもサンプリングに使い、リラックスした雰囲気を醸し出すサウンドである。ファンクの複数の音源を細かくサンプリング使用したEPMDや(ボム・スクワッド)などとは異なり、Gファンクのラッパーは、単一の音源のみで曲を作ることもあった[2]。
プロデューサー、ラッパーとして活躍したドクター・ドレーは、ヒップホップとジョージ・クリントンらのPファンクをベースに、緩いテンポでありながら緊張感を持ったサウンドを作り上げた。その手法は多くのフォロワーを産み、またデス・ロウはドレーが去った後もそのサウンドを踏襲した。
代表的なラッパー
- ドクター・ドレー
- スヌープ・ドッグ
- ザ・ドッグ・パウンド
- ネイト・ドッグ
- ウォーレン・G
- 2パック
- ボーン・サグズン・ハーモニー
- ダズ・ディリンジャー
- クラプト
- DJクィック
- (トゥー・ショート)
- (コケイン)
- (シュガ・フリー)
- (アバヴ・ザ・ロウ)
脚注
注釈
- ^ 「ナッシン・バット・アGサング」が93年に大ヒットした。
出典
参考文献
- ソーレン・ベイカー『ギャングスター・ラップの歴史 スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで』塚田桂子訳・解説、DU BOOKS、2019年9月。