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FR-V

FR-Vは、1999年から2010年にかけて富士通が展開していたマイコンマイクロプロセッサ、MCU)、およびデジタルAV家電向けのソリューションである。

FR-V
開発者 富士通研究所
ビット数 32ビット
発表 1999年7月
デザイン VLIW、RISC
エンコード 可変長
エンディアン Big
レジスタ

概要

 
ソニーのブルーレイレコーダーに搭載されたFR-Vプロセッサ内蔵SoC、「MB93475」(2005年リリース)。FR450コアを二基搭載し、ハーフD1(352×480)の画面サイズをH.264方式で圧縮・復元する処理を1チップで実現した[1]。録画したテレビのHD動画を、携帯電話(ガラケー)やPlayStation Portableなどのモバイル機器にSD画質でワンボタンで転送するという、2006年-2014年までの「ソニーのブルーレイ」のウリであった「番組おでかけ」機能を実現したソリューションである

RISCタイプの可変長VLIW(Very Long Instruction Word)というアーキテクチャを採用していることが大きな特徴である。1つの命令で複数の処理を同時に実行できて、高性能になる、という発想である。VLIW型スパコンで1990年代に世界1位となった経験のある富士通研究所(富士通川崎工場)のハード/ソフト開発能力と、当時(90nm/65nm世代)世界最先端FABであった富士通三重工場の製造能力もあり、少なくとも2000年代中ごろまでは想定通りの性能を発揮した。

汎用マイコンでありながら、MPEG2やH.264のソフトウェアエンコード/ソフトウェアデコードで専用プロセッサ並みの性能を出せる、ASICよりも柔軟な「プログラマブルプラットフォーム」として、2000年代には様々に応用された。例えば、マルチメディア・プロセッサとして、テレビやレコーダーなどに搭載された。高機能携帯電話(ガラケー)向け地上デジタル放送(ワンセグ)の受信ができる「ワンセグケータイ」にも採用された。デジカメカメラ付き携帯電話などに搭載された富士通のイメージングプロセッサ「Milbeaut」のマルチメディアプロセッサとしても活躍し、MilbeautのCPUコアとして使われたFRシリーズとともに、キヤノンとソニー以外の全てのデジカメメーカー、例えばニコンの画像処理LSI「Expeed」やライカの画像処理LSI「MAESTRO」[2]などにもその技術が供給された。

FR-Vの応用は、2008年当時で、デジタル一眼レフ・カメラ向けの画像処理LSI市場で世界シェアの約50%、H.264対応のコーデック向けLSI市場で世界シェア首位となる成功を収めた。

なお、「FR」とは「Fujitsu RISC」の略で、「V」とは「VLIW」の略である。

VLIW型マイコン

VLIWアーキテクチャを採用した汎用マイコン」という点で、このFR-Vシリーズはマイコンの歴史において特異な製品である。

マイコンの性能を向上させるには「動作周波数を向上させる」という手法と「一度に多くの処理を同時に行う」という手法があるが、動作周波数を向上させるとどうしても消費電力が大きくなってしまう。デジタルAV家電向けのマルチメディア・プロセッサとして、高性能・低価格・低消費電力の三つの項目を満たすため、富士通は1サイクルで命令を並列に実行することができるVLIW型を選択した。FR-VのVLIWコアに関しては、富士通が1990年代に開発していた、同じくVLIW型CPUを採用したスーパーコンピューターであるVPPシリーズ(VPP500、およびVPP5000)の技術が継承されている。

命令を並列に実行するためには「命令スケジューリング」を行う必要がある。これをプロセッサチップ内に内蔵したハードウェアで行うのが、富士通SPARCシリーズ(スパコン「」)などで採用されたスーパースカラ方式であり、それに対して、ソフトウェア(コンパイラ)で行うのが、富士通VPPシリーズ(スパコン「数値風洞」)やFR-Vシリーズなどで採用されたVLIW方式である。そのため、VLIWの力を引き出すにはコンパイラの技術が重要になってくる。富士通は数値風洞のソフトウェア開発により、スパコン並列計算のノーベル賞ともいわれるゴードン・ベル賞の栄誉に3年連続で輝くなど、VLIWコンパイラ技術にも実績があった。FR-Vシリーズの開発環境である『Softune V5』(富士通、1999年発売)には、富士通謹製の高性能VLIWコンパイラが組み込まれた。

「VLIWは汎用マイコンには向かない、特定用途向け」というのが1999年当時の一般的な考えだったが、FR-Vシリーズは、LinuxおよびμITRONに対応可能という汎用プロセッサの特徴と、高性能メディア処理が可能という専用プロセッサの特徴を併せ持っていた。

しかし、VLIW方式は「命令レベルの並列性」に限界があり、実行ユニットを多く搭載するほどコアの稼働率が下がり、性能向上が困難になる、という弱点があった。FR-Vは8並列が限界であった。(ちなみに、AMDのGPUは2007年の「R600」(Radeon HD 2000シリーズ)の5並列で限界を見ているので、8並列まで可能だった富士通のVLIWコンパイラ技術はむしろ高い方である。並列計算がうまく回った時のピーク性能をいくらアピールしても、実効性能が低くなって、競合に負けてしまう。しかも、グラフィックプロセッサ専門で行くならともかく、プロセッサを汎用計算にも使うことを考えた場合、将来がない。プロセッサの命令ユニットがシンプルになる一方でコンパイラが複雑になるのでプログラマーも大変つらい。なので、AMDは2012年の「GCN」(Radeon HD 7000シリーズ)でVLIWアーキテクチャを廃止した。)

そのため、FR-Vは競合である東芝のCELLプラットフォームを参考に、マルチコア化によって性能向上を図ることにしたが、うまくいかなかった(2005年当時はマルチコアCPU対応のソフトウェア設計技法がまだ未発達で、プログラミングも面倒なのでコアを積んだ数だけ実効性能が上がるわけではなく、また消費電力や発熱も大きくなった。なので、東芝のCELLは1チップに9コアを積んで失敗し、東芝とCELLを共同開発したソニーは自社のレコーダにCELLを積まずに富士通のFR-VとNECのEMMAを積んでいた)。製造プロセスの微細化に関しても、競合であるUniPhierプラットフォームを展開するパナソニックは2007年に魚津工場において世界初の45nmプロセスの量産に成功し、2010年には世界初の32nmプロセスの量産にも成功して32nm版UniPhierの出荷を開始したのに対し、FR-Vを製造する富士通三重工場は2008年まで45nmプロセスの確立に難航し、2009年には28nmプロセス以降の開発を断念しTSMCに委託することを発表。そうこうするうち、2000年代後半にはARMコアの普及により、応用製品のCPUコアに独自マイコンを使っているのは、むしろ足かせと富士通の上層部に判断された。そのため、2010年に富士通が独自マイコンを廃止しARMコアに一本化したことに伴い、展開が打ち切られた。(ちなみに、競合であるNECのEMMAプラットフォームも同様の経緯で同時期に独自コアのVR5500を廃止してARMコアに置き変わった。富士通のFR-Vプラットフォームが一部の分野で成功したといっても、競合家電メーカーはほぼ全て競合プラットフォームを展開しており、やはり一部の分野で成功していたので、全ての分野で成功したARMに圧倒されてしまった)

なお、VLIWを採用した汎用CPUとしては、インテル社が2001年にリリースしたItaniumと、トランスメタ社が2000年にリリースしたCrusoeなどが存在し、FR-Vの開発を主導した富士通研究所 システムLSI開発研究所 第2開発プロジェクト部 部長の高橋宏政も2001年当時はこれらを意識していた[3]。しかし、両者はいずれも2000年代半ばには失敗に終わり、特にItaniumは「VLIW」の限界をIntel社の巨大資本と最先端FABによる微細化でカバーしようとしてカバーしきれずどんどんAMD64に引き離されながらHP社との付き合いのせいで周回遅れの性能を20年にわたって供給するはめになった[4]。2010年代にはコンピュータ業界をARMアーキテクチャが席巻したことにより、富士通もマイコンとスパコン(「富岳」)の双方でARMアーキテクチャを採用。結局「VLIW」という思想は一般的にならなかった。

沿革

開発の経緯

富士通研究所システムLSI開発研究所第二開発プロジェクト部部長の高橋宏政、主任の須賀敦浩らは、1990年代前半にVPPシリーズのプロセッサの開発に従事していた。VPPシリーズはRISC型命令セットと64bit長LIW方式(VeryというほどではないのでVLIWからVを抜いて「LIW」と呼んでいた)を採用したことで、従来のVP2000シリーズと比べて大幅な小型化と高性能化が果たされた。特に1993年に航空宇宙技術研究所に納入した「NWT(Numerical Wind Tunnel、数値風洞)」は1993年11月期のスパコンランキングTOP500で1位となり、高橋らはVLIW型プロセッサで世界の頂点に立った。のちに富士通(株)LSI事業本部 FR-Vソリューション事業部 事業部長となる坂本喜則は、数値風洞のソフトウェアの開発によって1994年、1995年、1996年にゴードン・ベル賞を受賞しているなど、FR-Vの開発チームは数値風洞の開発チームを引き継いでいる。

一方、富士通では1994年に0.35μmプロセスが立ち上がった。富士通の研究者は皆、従来のLSIとは違う、システムLSI(SoC)の時代が来ることを確信した[5]。そのため、高橋らはシステムLSI用VLIWプロセッサコアの開発への取り組みを開始した。1998年に富士通研究所の開発した最初の組み込み向けメディア処理プロセッサである「mGEN」を発表し、1999年に3次元グラフィクス処理用プロセッサの「Procyon」を発表した。高橋はその経験をもとに、FR-Vプロセッサの開発を行った[6]

1999年7月、FR-Vプロセッサが発表された[7]。高性能な「FR500」と、超低消費電力の「FR300」の2シリーズがリリースされ、同年末よりサンプル出荷を開始した。2000年以降に急激な市場拡大が予測されるデジタル民生機器や次世代携帯電話市場など、来るべきマルチメディアプロセッサ市場を狙った製品であった。

シリーズ最初の製品であるFR500は、CPUコア部で1.5 W、チップ全体で2.0 Wと低消費電力ながら、画像処理において、富士通の既存の高性能マイコンであるSPARCliteはおろか、同一クロックのPentium IIと比べても圧倒的な性能が得られた[3]。4並列VLIWアーキテクチャを採用し、なおかつコンパイラの性能も十分高いことで、目標どおりの性能を得た。

1999年当時、富士通の32ビットマイコンは、組込機器などのローエンド向けのFRシリーズと、デジカメなどのハイエンド向けのSPARCliteシリーズを展開していたが、FR-Vシリーズはローコスト版の下方展開・高性能版の上方展開によって、両者の機能と性能を包含する方針であった。FR-Vの成功に伴い、SPARCliteはFR-Vシリーズに置き換えられてその役目を終えた。

多展開

2001年には2並列VLIWアーキテクチャーの「FR400」ファミリ最初の製品である「FR400」をリリース。FR500と比較すると、命令発行数、レジスタ数やキャッシュサイズを半分にしコストダウンを図りながらも随所に性能を保つ工夫をした結果、大幅な性能対価格比の向上を図ることができた[8]。これにより、プリンターやデジカメといった民生機器への採用の道が開けた。

2002年に高性能版の「FR550」をリリース[9]。8並列VLIWアーキテクチャを採用し、1サイクルで8命令を同時に実行できる世界初のマイコンである。

2003年11月、富士通はデジタル家電向けの統合プラットフォームとして、「FR-V ソリューション・パッケージ」の展開を開始した[10]。これは、松下電器産業(現・パナソニック)の「UniPhier」プラットフォームや、NECエレクトロニクスの「EMMA」プラットフォーム、東芝の「MeP」プラットフォームなどとともに、2000年代におけるデジタル家電向けの統合プラットフォームの一角をなした。デジタルAV機能実現のために、従来は機器ごとに専用のASICを開発してきたが、1990年代後半以降に製品の高機能化が進むにつれて、回路の大規模化が進み、開発費の増大、開発期間の長期化とそれによる市場投入時期逸失、機能拡張性の欠如による二重投資、などの問題が発生してきていた。しかし、富士通のFR-Vソリューションを採用すると、顧客に合わせてFR-Vファミリの適切なハードウェアとソフトウェアを選択し、従来ASICで実現してきた機能をソフトウェアで実現することで、自由度の高いプラットフォームを提供することができる、というのがウリだった[11]。FR-Vファミリーには、「プロセッサ」「コンパニオンチップ(FR-VプロセッサのデジタルAV機能を拡張するための入出力チップで、ビデオ入出力などのインタフェイスを提供)」「デジタルAV機器向けSoC」という3つのカテゴリが存在し、顧客の要望に合わせてこれらの製品を選択・組み合わせて提供した。

2004年7月に「FR450」をリリース[12]。2並列VLIWアーキテクチャーの「FR405」プロセッサコアにMMUを搭載し、Linuxが動くようになった。

マルチコア化

FR-Vシリーズは上記のように、2005年まで順調に多展開を行ってきたが、VLIWプロセッサには「命令レベルの並列性」に限界がある、という弱点があった。FR-Vは組み込み向け省電力プロセッサなので、パソコン向けみたいに動作周波数を上げることができないというのもあり、高性能化が難しかった。2005年当時、動作周波数に拠らずにプロセッサの性能を向上させる方法として、1つのプロセッサで同時に複数の処理を行う「マルチスレッド」方式と、1つのチップに複数のコアを搭載する「マルチプロセッサ」方式が提案されていたが、VLIWアーキテクチャはアウト・オブ・オーダー実行部を持たないため、マルチスレッドによる性能向上を図れず、富士通は必然的に「マルチプロセッサ」方式による性能向上を選択。(なお、当時同じくVLIWのデメリットに苦心していたIntel社のItaniumは、2006年リリースのItanium 2 9000シリーズで「粗粒度マルチスレッディング」という形でマルチスレッドを導入したが、SMT方式によるマルチスレッドに対応したx86アーキテクチャに大きく性能が劣った)

2005年2月、富士通はFR-Vをマルチコア化した「FR1000(コードネーム)」シリーズを発表した[13]。NECのMP98やソニーのCell Broadband Engineに倣ってCellular MultiProcessing(CMP)アーキテクチャを採用し、1つのチップに「FR550」を4個搭載することで、1サイクル当たり最大32命令/112演算を同時実行できる[14]。同時に、マルチプロセッサ対応のMPEG2 MP@HLのデコード処理プログラムがリリースされ、デジタルハイビジョンの1920×1080ドットのカラー動画の復元処理を、ソフトウェアのみで実現できることが実証された。1コア時より3.2倍高速化され、フルHDの映像をわずか3Wで処理できるようになった。

マルチコア版FR-Vの展開としては、まず2005年に2コアの「FR470」シリーズが開始された。2006年にはFR500シリーズをベースにした2コア/480MHzの「FR570」シリーズが開始され、FR577を搭載したXMLデータベース機の「Shunsaku」が2006年11月に発売された[15]

地デジ時代

 
富士通のワンセグ対応携帯電話(ワンセグケータイ)、NTTドコモ FOMA F905i(2007年発売)。デジカメブーム、地デジブーム、カメラ付ケータイブームに乗り、2008年に富士通の画像処理LSIは市場シェアが50%に上った

2006年に日本で放送が開始された地上デジタル放送では、コーデックとしてH.264/AVCが採用された。MPEG2の10倍以上の計算力が必要となるH.264に対し、富士通はソフトウェア処理とFR-Vコアによるハードアシストを適切に組み合わせて対処した。

富士通は2006年、世界で初めてH.264/AVCのHighプロファイル(1080i×1920)に準拠したLSI製品「MB86H50」を開発[16]。富士通が2005年に三重工場に構築した90nmプロセスで製造された、FR-Vコアにメモリ(FCRAM)2個を内蔵したSoCである。

2006年12月、「MB86H50」を組み込んだ、フルHDの動画をリアルタイムでエンコードする伝送装置「IP-9500」をリリース。2007年9月には「ラグビーワールドカップ2007」で、世界初となる日欧間のフルHDの映像伝送の生中継に使用されるなど[17]、スポーツなどの動きの多い映像でも精度の高い放送ができるとして、放送事業者や通信事業者などの顧客に非常に好評を得た。2008年にはアメリカ大統領一般教書演説や北京オリンピックの中継にも使用されるなど、「IP-9500」は世界の放送業界で普及した。

2007年6月、これまでデジカメで使われていた画像処理エンジンMilbeautを初めて採用した携帯電話で、かつ富士通初のワンセグ対応携帯電話であるF904iが発売。この頃より携帯電話でもFR-Vコアを搭載した富士通のSoCが普及し始めた。

2006年11月、「MB86H50」シリーズを発表[18]。「MB86H56」は2008年10月発表、2009年4月よりサンプル出荷を開始。従来品の2倍の性能であるフルHD 60p(1080p×1920)のエンコード/デコードに対応した。2007年に稼働した富士通三重工場300mm第2棟にて製造され、従来品の90nmから65nmプロセスに微細化された。

2010年5月には、「MB86H56」を搭載して1080pに対応した世界初のH.264コーデック装置映像伝送装置をNHK技研に納入した[19]。これを搭載した装置を8台連ねることでスーパーハイビジョン(SHV)映像伝送も可能であり、当時NHK技研が研究中であったスーパーハイビジョンの実用化も見えてきてたことから、「スーパーハイビジョン映像伝送システム用コーデック装置」と名付けられた(しかしFR-Vシリーズの終焉により、後にNHK BS4K/BS8Kで使われることになる世界初のSHV映像伝送システム(H.265/HEVC)を2013年にNHK技研とともに実用化したのは三菱電機となった)。

展開終了

 
FR-Vをメディアプロセッサとして採用した画像処理LSI「MAESTRO」を搭載したデジカメ、Leica_S2(2008年発売)。キヤノンとソニー以外のすべてのカメラメーカーがMilbeautの応用製品を採用するなど、FR-Vマイコンを使ったSoCが利益を生む「収穫期」に入ったが、「独自マイコンはむしろ足かせ」という経営判断が下った

富士通研究所においてここまでVLIW開発を続けてこれたのも、「サーバーがLSIの技術開発をけん引し,その成果を民生機器向けに有効に展開する」という「LSI事業とサーバー関連事業の相乗効果」が富士通社内で重視されていたからだが、2000年代中ごろに入ると、「安定しているサーバ事業に対し、LSI事業は先が見えない」という問題に対し、経営判断を迅速化する必要性が叫ばれるようになった[20]。富士通の汎用LSI事業は先行投資によってずっと赤字が続いていた。

2008年には富士通がデジタル一眼レフ・カメラ向けの画像処理LSI市場で世界シェアの約50%を握り、H.264対応のコーデック向けLSI市場で世界シェア首位に上るなど、収穫期に入ってようやく黒字化する見通しが立ったことから、富士通のマイコン部門が富士通セミコンダクターとして分離された。

2010年にはARMコアの普及により、独自マイコンはもはや差別化要因にはならなくなり、むしろ足かせになっている、との経営判断が富士通セミコンダクターにおいてなされた。そのため、2010年11月、富士通セミコンダクターにおける独自マイコンの開発は全て打ち切られ、富士通のマイコンはARMに一本化された[21]

2009年の「組込みシステム開発技術展」には4コア版FR-Vの試作版を搭載した評価ボードが出展されている[22]が、4コア版FR-Vは結局リリースされなかった。富士通の画像処理LSIにおいては、Milbeaut第5世代をもってFRコアは廃止され、2011年リリースの第6世代MilbeautよりARMコアに置き換えられた。

その後

2013年、富士通セミコンダクターがマイコン・アナログ事業をSpansion社へ譲渡したことに伴い、FR-VシリーズはFRシリーズとともにSpansionのラインナップに加わったが、譲渡された時点ですでにメンテナンスモードに入っており、製品のホームページすら作られなかった[23]

FR-Vを開発した須賀敦浩らは富士通セミコンダクターに残ったが、2015年に富士通セミコンダクターのシステムLSI(SoC) 事業をパナソニックのSoC事業と統合してソシオネクストが誕生したことに伴い、ソシオネクストに移籍した。かつてFR-Vコアが搭載されていた画像処理LSIのMilbeautは、以後ソシオネクストによって展開されている。

2019年、かつてFR-Vを製造していた富士通三重工場(三重富士通セミコンダクター)がUMCに買収され、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社となった。

製品特徴

  • FR-Vファミリには、FR300,FR400,FR450,FR500,FR550シリーズがある。
  • FR-Vは、32ビットCPUであり、メモリのアドレス幅と汎用レジスタ(GR)のデータ幅はともに32ビットである。
  • 命令は、32ビットの基本命令から構成される、可変長VLIW命令である。
  • VLIWのビット長は、プロセッサシリーズで異なり、32ビット-1Wayから最大64ビット-2Way(FR300,FR400,FR450)、32ビット-1Wayから128ビット-4Way(FR500)、32ビット-1Wayから256ビット長-8Way(FR550)である。

設計特徴

FR-VはRISCの思想で作られており、可変長VLIW方式で命令を実行する。

  •  基本命令は、32ビット命令
  •  可変長VLIW型マイクロプロセッサ
    • 最大2基本命令=2Way (FR300,FR400,FR450)
    • 最大4基本命令=4Way (FR500)
    • 最大8基本命令=8Way (FR550)
    •  VLIW長:32ビット~256ビット
    •  Packing Flag方式によるコード圧縮方式を用いた可変長VLIW
      • 32ビットの基本命令ごとに1ビットの“パッキングフラグ・ビット”がある。
  •  ビッグエンディアン
  •  単精度浮動小数点演算
    •  2並列SIMD
  •  メディア処理演算
    •  2並列16ビットSIMD/4並列16ビットSIMD

レジスタセット

  •  32または64個のGR(汎用レジスタ)と32個または64個のFR(浮動小数点レジスタ)
  • FR400/FR450
    • 32ビット×32本の汎用レジスタ(GR)
    • 32ビット×32本のメディア処理用レジスタ(FR)
  • FR500/FR550
    • 32ビット×64本の汎用レジスタ(GR)
    • 32ビット×64本のメディア、浮動小数点共用レジスタ(FR)
    • ノンエクセプティングレジスタ
    • プレディケイトレジスタ

命令セット

  •  32ビット整数命令
    • 論理演算命令
    • 乗算命令と除算命令
    • ロード/ストア命令
      • 64ビットデータロード命令
    • 分岐命令
  •  メディア処理演算命令(FR400,FR450,FR500,FR550)
    • (FR500シリーズで63個、)
    • 16ビット×4のSIMD演算命令
    • 40ビットアキュムレータを用いた乗算命令、積和命令(MAC), 積差命令、
    • 飽和命令
  •  32ビット浮動小数点数演算命令(FR500,FR550)
    • 32ビット単精度×2のSIMD演算命令
    • 二乗根命令と除算命令
  • カスタム命令セット
  • 16ビット整数命令(FR300)
  • DSP 用基本命令セット(FR300)
  •  条件付き実行命令
    • 3値プレディケイト命令
  •  Non-Excepting命令

命令組み合わせ

  • 2つの64ビットデータロード命令を同時に発行可能(FR500)
  • 2つの分岐命令を同時に発行可能(FR500)

パイプライン

  • FR400
    • (I, I, F, F, M, M, B, B)
    • シングルロード/シングルストア
  • FR500
    • (I, I, M, M, B)
    • デュアルロード/シングルストア
  • FR550
    • (I, I, I, I, F, F, F, F, M, M, M, M, B, B)
    • 最大8個の基本命令を、以下の13?種類、24?個以上のパイプラインに振り分けて実行する。
    • 整数パイプライン
      • 整数演算パイプライン
      • ALUx4?,MULx?,DIVx?
        • 1サイクルレイテンシ(乗算と除算を除く)
      • ロードストアパイプライン:ロードx2、ストアx2
        • デュアルロード/デュアルストア
        • 2つの64ビットデータロード命令を同時に発行可能
        • ノンアラインド(Non-aligned)ロード/ストア
      • 制御
    • 2SIMD SP 浮動小数点パイプライン
      • FADDx4?,FMULx?,FDIVx?
        • 3サイクルレイテンシ(二乗根と除算を除く)
    • 4SIMD 16bit media パイプライン
      • MALUx4?,MSFTx?,MMACx?
        • 1サイクル積和命令
        • 一部命令は2サイクルレイテンシ
    • 分岐x2?
      • 2つの分岐命令を1つのVLIWに置ける

レジスタファイル

  • FR400
    • GR:32ビット、32w、5R/3W
    • FR:32ビット、32w、5R/3W
  • FR450
    • GR:32ビット、32w、5R/3W
    • FR:32ビット、32w、5R/3W
  • FR500
    • GR:32ビット、64w、5R/4W
    • FR:32ビット、64w、5R/4W
  • FR550
    • GR:32ビット、64w、10R/6W
    • FR:32ビット、64w、10R/6W

分岐予測

  • 静的分岐予測(FR500シリーズ、FR400シリーズ)
  • 動的分岐予測(FR550シリーズ)

MMU

  • 静的アドレス変換機構(FR400.FR450,FR500,FR550)
  • 動的アドレス変換機構(FR450)
    • 動的アドレス変換方式: ソフトウェアテーブルウォーク
  • FR450
    • 静的アドレス変換機構と動的アドレス変換機構を同時サポート
    • アドレス空間の属性
      • ユーザモード保護、書込み保護、キャッシャブル、ノンキャッシャブル
    • セグメント、ページサイズ
      • アドレス変換対象領域:16KB~512MB
    • AMR(Address Map Register)
      • 命令: 8エントリ
      • データ: 12エントリ
    • TLB (Translation Look-aside Buffer)
      • 64エントリ x 2Way (セットアソシアティブ型)
    • 動的アドレス変換方式: ソフトウェアテーブルウォーク

キャッシュメモリ

  • FR400
    • 命令キャッシュ
      • 8Kバイト、2ウェイセットアソシアティブ,1RW
    • データキャッシ
      • 8Kバイト、2ウェイセットアソシアティブ,1RW
      • ノンブロッキング機構
      • シングルロード/シングルストア
  • FR500
    • プリロードとキャッシュラインロック機構
    • 命令キャッシュ
      • 16Kバイト、4ウェイセットアソシアティブ,1RW/1R
    • データキャッシ
      • 16Kバイト、4ウェイセットアソシアティブ,1RW/1R
      • コピーバックとライトスルー動作を選択
      • ノンブロッキング機構
      • デュアルロード/シングルストア
  • FR550
    • 命令キャッシュ
      • 32Kバイト、4ウェイセットアソシアティブ, 1RW
    • データキャッシ
      • 32Kバイト、4ウェイセットアソシアティブ, 2RW

低消費電力

  • MB90401
    • クロックギア機能
  • MB93461
    • パワーダウンモード:クロック停止
      • コアスリープ、バススリープ、PLL-Run, PLL-Stop
    • クロック比切り替え
      • CMODE切り替え:ダイナミック変更
      • クロックギア機能:High/Mediumモード切替え
    • SDRAM I/Oの電源を分離

  • MB93501:
    • 1999年7月6日プレスリリース
    • 2000年6月5日プレスリリース
  • MB93401:2001年3月21日プレスリリース
  • FR550,MB93551:2002年2月13日プレスリリース
  • MB90403:2003年(FIND Vol.21 No.4 2003)
  • MB93405:2004年2月26日プレスリリース
  • MB93555:2004年2月26日プレスリリース
  • MB93461:2004年7月6日プレスリリース
  • FR1000:2005年2月7日プレスリリース
  • MB93475:2005年11月17日プレスリリース
  • FR577,MB93577:
    • 2006年7月、
    • 2006年12月15日
    • Embedded Technology 2008:2008年11月19日

プロセッサ

FR300シリーズ

  • 最大2命令同時命令発行
  • 3つの演算パイプライン
  • 2種類の整数命令とDSP命令を実行
  • 命令セット
    • 16ビット整数命令セット(i)
    • 32ビット整数命令セット(I)
    • DSP命令セットの(D)

FR400シリーズ

  •  最大2命令同時命令発行
  •  32個のGR、32個のFR
  •  整数パイプライン×2
  • メディアパイプライン×2
    •  MB93401
    •  MB93403
      • 180nm, 266MHz
    •  MB93405
      • 130nm, 400MHz

FR450シリーズ

  •  最大2命令同時命令発行
  •  32個のGR、32個のFR
  •  整数パイプライン×2
  • メディアパイプライン×2
  •  MMU(TLB)

MB93461

  • Single CPUコア
  • 0.13μmプロセステクノロジ CMOS
  • 内部1.4V、外部3.3V
  • プラスチックBGA420ピン
  • 動作周波数:400MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB (2Way)
  • データキャッシュ: 32KB (2Way)
  • SDRAMC:32ビットSDR133
  • TLB (Translation Look-aside Buffer) 構成: 64エントリ x 2Way
  • ローカルバス(32ビット、66MHz)
  • DMAC:8ch
  • I2C
  • ビデオ入出力、スケーラ、オーディオ入出力
  • USBホスト、USBファンクション
  • カード・インタフェース(メモリースティックSDカードに対応)

MB93475

  • Dual CPUコア
  • 90nmプロセステクノロジ CMOS
  • 内部1.3V、外部3.3V、2.5V
  • プラスチックBGA480ピン
  • 動作周波数:480MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB(2Way)
  • データキャッシュ: 32KB(2Way)
  • SDRAMC:32ビットDDR266 240MHz動作
  • TLB (Translation Look-aside Buffer)構成: 64エントリ x 2Way
  • PCI(32ビット)
  • ローカルバス(32ビット)
  • ビデオ入出力、映像拡大・縮小機能、ストリーム入出力、オーディオ入出力
  • シリアルインターフェース(I2C)
  • 16ビット PC-Card/SDカード
  • ビデオコーデックユニット:H.264形式のビデオデータの圧縮・復元をサポート

FR500シリーズ

  •  最大4命令同時命令発行
  •  64個のGR、64個のFR
  •  整数パイプライン×2
  •  メディアパイプライン×2
  •  浮動小数点パイプライン×2
  •  単精度浮動小数点演算
    •  MB93501

FR550シリーズ

  •  最大8命令同時命令発行
  •  64個のGR、64個のFR
  •  整数パイプライン×4
  •  メディアパイプライン×4
  •  浮動小数点演算×4
  •  単精度浮動小数点演算

MB93555

  • Single CPUコア
  • 0.13μmプロセステクノロジ CMOS
  • 内部1.3V、外部3.3V
  • プラスチックBGA352ピン
  • 動作周波数:333MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB(4Way)
  • データキャッシュ: 32KB(4Way)
  • SDRAMC:64ビットSDR133の111MHz
  • DMAC
  • ローカルバス

MB93555A

  • Single CPUコア
  • 0.13μmプロセステクノロジ CMOS
  • 内部1.4V、外部3.3V
  • プラスチックBGA420ピン
  • 動作周波数:360MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB(4Way)
  • データキャッシュ: 32KB(4Way)
  • SDRAMC:64ビットSDR133の120MHz

MB93577

  • Dual CPUコア
  • 動作周波数:440MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB(4Way)
  • データキャッシュ: 32KB(4Way)
  • SDRAMC:64ビットDDR266
  • 内蔵RAM:256KB(128KB×2)
  • PCI(32ビット、66MHz、33MHz、Rev.2.2対応)
  • ローカルバス(32ビット/64ビット)
  • DMAC:16ch、8ch
  • I2C

FR1000

  • プロトタイプ
  • Quad CPUコア
  • 90nmプロセステクノロジ CMOS、9層メタル
  • パッケージ:FCBGA900ピン
  • 内部1.2V、外部2.5V
  • 動作周波数:533MHz
  • 命令キャッシュ: 32KB(4Way)
  • データキャッシュ: 32KB(4Way)
  • SDRAMC:64ビットDDR266 x 2ch
  • 内蔵RAM:512KB(128KB×4)
  • システムバス(64ビット/178MHz)
  • DMAC:外部16ch、内部16ch

使用用途

  •  組み込み向け
  •  メディア処理向け
  •  サーバ向け

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 富士通、映像圧縮方式「H.264」対応の録画システム向けプロセッサ「MB93475」 RBB TODAY
  2. ^ FML、Leicaと共同でハイエンドデジイチ向け画像処理システムを開発 TECH+
  3. ^ a b システムLSI用VLIWプロセッサコア 富士通
  4. ^ ASCII.jp:CPU黒歴史 周回遅れの性能を20年間供給したItanium (1/4)
  5. ^ システムLSIへの富士通の取組み 富士通
  6. ^ システムLSIコア技術-組込みプロセッサ- 富士通
  7. ^ 新プロセサファミリ「FR-V」を発売 富士通
  8. ^ 新メディアプロセッサFR400 富士通
  9. ^ 世界初!8命令を同時実行する組み込み型高性能メディア処理用プロセッサを開発 FUJITSU Japan
  10. ^ デジタルAV機器向け「FR-Vソリューション・パッケージ」を提供- FUJITSU Japan
  11. ^ メディア処理向けプロセッサFR-Vファミリ 富士通
  12. ^ MMU搭載FR-Vプロセッサコアを開発、SoCとして新発売 富士通
  13. ^ 富士通研究所、最大4CPUコアを1チップ化したマルチコアLSIを開発 AV Watch
  14. ^ FR1000 におけるチップマルチプロセッサアーキテクチャの紹介 情報処理 2006年1月、47巻1号、p.24
  15. ^ 大規模XMLデータベース専用機「Shunsaku Engine」販売開始 富士通
  16. ^ H.264/AVCの適用動向と富士通の取組み 富士通
  17. ^ 世界初! H.264による日欧間のフルHD映像伝送の生中継を実現 富士通
  18. ^ [1]
  19. ^ スーパーハイビジョン映像伝送システム用コーデック装置を開発 富士通
  20. ^ 【詳報】辞任の富士通・小野氏が語っていたLSI事業再建策 日経クロステック(xTECH)
  21. ^ 富士通セミがARMマイコン44製品を一挙投入、低電力/高性能品を幅広く展開:プロセッサ/マイコン ARMマイコン - EE Times Japan
  22. ^ 国内最大規模の組込機器技術展「第12回 組込みシステム開発技術展」が開催 TECH+
  23. ^ 【1カ月集中講座】IoTの波に乗るマイコン事情 第4回 ~MPUとは違った世界を創るMCU/DSPのプレーヤー - PC Watch

外部リンク

  • マルチコアプロセッサ(FR-V) - 富士通

FR-V
1999年から2010年にかけて富士通が展開していたマイコン, マイクロプロセッサ, およびデジタルav家電向けのソリューションである, 開発者富士通研究所ビット数32ビット発表1999年7月デザインvliw, riscエンコード可変長エンディアンbigレジスタ, 目次, 概要, vliw型マイコン, 沿革, 開発の経緯, 多展開, マルチコア化, 地デジ時代, 展開終了, その後, 製品特徴, 設計特徴, レジスタセット, 命令セット, 命令組み合わせ, パイプライン, レジスタファイル, 分岐予測, キャッシュ. FR Vは 1999年から2010年にかけて富士通が展開していたマイコン マイクロプロセッサ MCU およびデジタルAV家電向けのソリューションである FR V開発者富士通研究所ビット数32ビット発表1999年7月デザインVLIW RISCエンコード可変長エンディアンBigレジスタ 目次 1 概要 1 1 VLIW型マイコン 2 沿革 2 1 開発の経緯 2 2 多展開 2 3 マルチコア化 2 4 地デジ時代 2 5 展開終了 2 6 その後 3 製品特徴 4 設計特徴 4 1 レジスタセット 4 2 命令セット 4 3 命令組み合わせ 4 4 パイプライン 4 5 レジスタファイル 4 6 分岐予測 4 7 MMU 4 8 キャッシュメモリ 4 9 低消費電力 5 年 6 プロセッサ 6 1 FR300シリーズ 6 2 FR400シリーズ 6 3 FR450シリーズ 6 3 1 MB93461 6 3 2 MB93475 6 4 FR500シリーズ 6 5 FR550シリーズ 6 5 1 MB93555 6 5 2 MB93555A 6 5 3 MB93577 6 6 FR1000 7 使用用途 8 脚注 9 外部リンク概要 編集 ソニーのブルーレイレコーダーに搭載されたFR Vプロセッサ内蔵SoC MB93475 2005年リリース FR450コアを二基搭載し ハーフD1 352 480 の画面サイズをH 264方式で圧縮 復元する処理を1チップで実現した 1 録画したテレビのHD動画を 携帯電話 ガラケー やPlayStation Portableなどのモバイル機器にSD画質でワンボタンで転送するという 2006年 2014年までの ソニーのブルーレイ のウリであった 番組おでかけ 機能を実現したソリューションである RISCタイプの可変長VLIW Very Long Instruction Word というアーキテクチャを採用していることが大きな特徴である 1つの命令で複数の処理を同時に実行できて 高性能になる という発想である VLIW型スパコンで1990年代に世界1位となった経験のある富士通研究所 富士通川崎工場 のハード ソフト開発能力と 当時 90nm 65nm世代 世界最先端FABであった富士通三重工場の製造能力もあり 少なくとも2000年代中ごろまでは想定通りの性能を発揮した 汎用マイコンでありながら MPEG2やH 264のソフトウェアエンコード ソフトウェアデコードで専用プロセッサ並みの性能を出せる ASICよりも柔軟な プログラマブルプラットフォーム として 2000年代には様々に応用された 例えば マルチメディア プロセッサとして テレビやレコーダーなどに搭載された 高機能携帯電話 ガラケー 向け地上デジタル放送 ワンセグ の受信ができる ワンセグケータイ にも採用された デジカメやカメラ付き携帯電話などに搭載された富士通のイメージングプロセッサ Milbeaut のマルチメディアプロセッサとしても活躍し MilbeautのCPUコアとして使われたFRシリーズとともに キヤノンとソニー以外の全てのデジカメメーカー 例えばニコンの画像処理LSI Expeed やライカの画像処理LSI MAESTRO 2 などにもその技術が供給された FR Vの応用は 2008年当時で デジタル一眼レフ カメラ向けの画像処理LSI市場で世界シェアの約50 H 264対応のコーデック向けLSI市場で世界シェア首位となる成功を収めた なお FR とは Fujitsu RISC の略で V とは VLIW の略である VLIW型マイコン 編集 VLIWアーキテクチャを採用した汎用マイコン という点で このFR Vシリーズはマイコンの歴史において特異な製品である マイコンの性能を向上させるには 動作周波数を向上させる という手法と 一度に多くの処理を同時に行う という手法があるが 動作周波数を向上させるとどうしても消費電力が大きくなってしまう デジタルAV家電向けのマルチメディア プロセッサとして 高性能 低価格 低消費電力の三つの項目を満たすため 富士通は1サイクルで命令を並列に実行することができるVLIW型を選択した FR VのVLIWコアに関しては 富士通が1990年代に開発していた 同じくVLIW型CPUを採用したスーパーコンピューターであるVPPシリーズ VPP500 およびVPP5000 の技術が継承されている 命令を並列に実行するためには 命令スケジューリング を行う必要がある これをプロセッサチップ内に内蔵したハードウェアで行うのが 富士通SPARCシリーズ スパコン 京 などで採用されたスーパースカラ方式であり それに対して ソフトウェア コンパイラ で行うのが 富士通VPPシリーズ スパコン 数値風洞 やFR Vシリーズなどで採用されたVLIW方式である そのため VLIWの力を引き出すにはコンパイラの技術が重要になってくる 富士通は数値風洞のソフトウェア開発により スパコン並列計算のノーベル賞ともいわれるゴードン ベル賞の栄誉に3年連続で輝くなど VLIWコンパイラ技術にも実績があった FR Vシリーズの開発環境である Softune V5 富士通 1999年発売 には 富士通謹製の高性能VLIWコンパイラが組み込まれた VLIWは汎用マイコンには向かない 特定用途向け というのが1999年当時の一般的な考えだったが FR Vシリーズは LinuxおよびmITRONに対応可能という汎用プロセッサの特徴と 高性能メディア処理が可能という専用プロセッサの特徴を併せ持っていた しかし VLIW方式は 命令レベルの並列性 に限界があり 実行ユニットを多く搭載するほどコアの稼働率が下がり 性能向上が困難になる という弱点があった FR Vは8並列が限界であった ちなみに AMDのGPUは2007年の R600 Radeon HD 2000シリーズ の5並列で限界を見ているので 8並列まで可能だった富士通のVLIWコンパイラ技術はむしろ高い方である 並列計算がうまく回った時のピーク性能をいくらアピールしても 実効性能が低くなって 競合に負けてしまう しかも グラフィックプロセッサ専門で行くならともかく プロセッサを汎用計算にも使うことを考えた場合 将来がない プロセッサの命令ユニットがシンプルになる一方でコンパイラが複雑になるのでプログラマーも大変つらい なので AMDは2012年の GCN Radeon HD 7000シリーズ でVLIWアーキテクチャを廃止した そのため FR Vは競合である東芝のCELLプラットフォームを参考に マルチコア化によって性能向上を図ることにしたが うまくいかなかった 2005年当時はマルチコアCPU対応のソフトウェア設計技法がまだ未発達で プログラミングも面倒なのでコアを積んだ数だけ実効性能が上がるわけではなく また消費電力や発熱も大きくなった なので 東芝のCELLは1チップに9コアを積んで失敗し 東芝とCELLを共同開発したソニーは自社のレコーダにCELLを積まずに富士通のFR VとNECのEMMAを積んでいた 製造プロセスの微細化に関しても 競合であるUniPhierプラットフォームを展開するパナソニックは2007年に魚津工場において世界初の45nmプロセスの量産に成功し 2010年には世界初の32nmプロセスの量産にも成功して32nm版UniPhierの出荷を開始したのに対し FR Vを製造する富士通三重工場は2008年まで45nmプロセスの確立に難航し 2009年には28nmプロセス以降の開発を断念しTSMCに委託することを発表 そうこうするうち 2000年代後半にはARMコアの普及により 応用製品のCPUコアに独自マイコンを使っているのは むしろ足かせと富士通の上層部に判断された そのため 2010年に富士通が独自マイコンを廃止しARMコアに一本化したことに伴い 展開が打ち切られた ちなみに 競合であるNECのEMMAプラットフォームも同様の経緯で同時期に独自コアのVR5500を廃止してARMコアに置き変わった 富士通のFR Vプラットフォームが一部の分野で成功したといっても 競合家電メーカーはほぼ全て競合プラットフォームを展開しており やはり一部の分野で成功していたので 全ての分野で成功したARMに圧倒されてしまった なお VLIWを採用した汎用CPUとしては インテル社が2001年にリリースしたItaniumと トランスメタ社が2000年にリリースしたCrusoeなどが存在し FR Vの開発を主導した富士通研究所 システムLSI開発研究所 第2開発プロジェクト部 部長の高橋宏政も2001年当時はこれらを意識していた 3 しかし 両者はいずれも2000年代半ばには失敗に終わり 特にItaniumは VLIW の限界をIntel社の巨大資本と最先端FABによる微細化でカバーしようとしてカバーしきれずどんどんAMD64に引き離されながらHP社との付き合いのせいで周回遅れの性能を20年にわたって供給するはめになった 4 2010年代にはコンピュータ業界をARMアーキテクチャが席巻したことにより 富士通もマイコンとスパコン 富岳 の双方でARMアーキテクチャを採用 結局 VLIW という思想は一般的にならなかった 沿革 編集開発の経緯 編集 富士通研究所システムLSI開発研究所第二開発プロジェクト部部長の高橋宏政 主任の須賀敦浩らは 1990年代前半にVPPシリーズのプロセッサの開発に従事していた VPPシリーズはRISC型命令セットと64bit長LIW方式 VeryというほどではないのでVLIWからVを抜いて LIW と呼んでいた を採用したことで 従来のVP2000シリーズと比べて大幅な小型化と高性能化が果たされた 特に1993年に航空宇宙技術研究所に納入した NWT Numerical Wind Tunnel 数値風洞 は1993年11月期のスパコンランキングTOP500で1位となり 高橋らはVLIW型プロセッサで世界の頂点に立った のちに富士通 株 LSI事業本部 FR Vソリューション事業部 事業部長となる坂本喜則は 数値風洞のソフトウェアの開発によって1994年 1995年 1996年にゴードン ベル賞を受賞しているなど FR Vの開発チームは数値風洞の開発チームを引き継いでいる 一方 富士通では1994年に0 35mmプロセスが立ち上がった 富士通の研究者は皆 従来のLSIとは違う システムLSI SoC の時代が来ることを確信した 5 そのため 高橋らはシステムLSI用VLIWプロセッサコアの開発への取り組みを開始した 1998年に富士通研究所の開発した最初の組み込み向けメディア処理プロセッサである mGEN を発表し 1999年に3次元グラフィクス処理用プロセッサの Procyon を発表した 高橋はその経験をもとに FR Vプロセッサの開発を行った 6 1999年7月 FR Vプロセッサが発表された 7 高性能な FR500 と 超低消費電力の FR300 の2シリーズがリリースされ 同年末よりサンプル出荷を開始した 2000年以降に急激な市場拡大が予測されるデジタル民生機器や次世代携帯電話市場など 来るべきマルチメディアプロセッサ市場を狙った製品であった シリーズ最初の製品であるFR500は CPUコア部で1 5 W チップ全体で2 0 Wと低消費電力ながら 画像処理において 富士通の既存の高性能マイコンであるSPARCliteはおろか 同一クロックのPentium IIと比べても圧倒的な性能が得られた 3 4並列VLIWアーキテクチャを採用し なおかつコンパイラの性能も十分高いことで 目標どおりの性能を得た 1999年当時 富士通の32ビットマイコンは 組込機器などのローエンド向けのFRシリーズと デジカメなどのハイエンド向けのSPARCliteシリーズを展開していたが FR Vシリーズはローコスト版の下方展開 高性能版の上方展開によって 両者の機能と性能を包含する方針であった FR Vの成功に伴い SPARCliteはFR Vシリーズに置き換えられてその役目を終えた 多展開 編集 2001年には2並列VLIWアーキテクチャーの FR400 ファミリ最初の製品である FR400 をリリース FR500と比較すると 命令発行数 レジスタ数やキャッシュサイズを半分にしコストダウンを図りながらも随所に性能を保つ工夫をした結果 大幅な性能対価格比の向上を図ることができた 8 これにより プリンターやデジカメといった民生機器への採用の道が開けた 2002年に高性能版の FR550 をリリース 9 8並列VLIWアーキテクチャを採用し 1サイクルで8命令を同時に実行できる世界初のマイコンである 2003年11月 富士通はデジタル家電向けの統合プラットフォームとして FR V ソリューション パッケージ の展開を開始した 10 これは 松下電器産業 現 パナソニック の UniPhier プラットフォームや NECエレクトロニクスの EMMA プラットフォーム 東芝の MeP プラットフォームなどとともに 2000年代におけるデジタル家電向けの統合プラットフォームの一角をなした デジタルAV機能実現のために 従来は機器ごとに専用のASICを開発してきたが 1990年代後半以降に製品の高機能化が進むにつれて 回路の大規模化が進み 開発費の増大 開発期間の長期化とそれによる市場投入時期逸失 機能拡張性の欠如による二重投資 などの問題が発生してきていた しかし 富士通のFR Vソリューションを採用すると 顧客に合わせてFR Vファミリの適切なハードウェアとソフトウェアを選択し 従来ASICで実現してきた機能をソフトウェアで実現することで 自由度の高いプラットフォームを提供することができる というのがウリだった 11 FR Vファミリーには プロセッサ コンパニオンチップ FR VプロセッサのデジタルAV機能を拡張するための入出力チップで ビデオ入出力などのインタフェイスを提供 デジタルAV機器向けSoC という3つのカテゴリが存在し 顧客の要望に合わせてこれらの製品を選択 組み合わせて提供した 2004年7月に FR450 をリリース 12 2並列VLIWアーキテクチャーの FR405 プロセッサコアにMMUを搭載し Linuxが動くようになった マルチコア化 編集 FR Vシリーズは上記のように 2005年まで順調に多展開を行ってきたが VLIWプロセッサには 命令レベルの並列性 に限界がある という弱点があった FR Vは組み込み向け省電力プロセッサなので パソコン向けみたいに動作周波数を上げることができないというのもあり 高性能化が難しかった 2005年当時 動作周波数に拠らずにプロセッサの性能を向上させる方法として 1つのプロセッサで同時に複数の処理を行う マルチスレッド 方式と 1つのチップに複数のコアを搭載する マルチプロセッサ 方式が提案されていたが VLIWアーキテクチャはアウト オブ オーダー実行部を持たないため マルチスレッドによる性能向上を図れず 富士通は必然的に マルチプロセッサ 方式による性能向上を選択 なお 当時同じくVLIWのデメリットに苦心していたIntel社のItaniumは 2006年リリースのItanium 2 9000シリーズで 粗粒度マルチスレッディング という形でマルチスレッドを導入したが SMT方式によるマルチスレッドに対応したx86アーキテクチャに大きく性能が劣った 2005年2月 富士通はFR Vをマルチコア化した FR1000 コードネーム シリーズを発表した 13 NECのMP98やソニーのCell Broadband Engineに倣ってCellular MultiProcessing CMP アーキテクチャを採用し 1つのチップに FR550 を4個搭載することで 1サイクル当たり最大32命令 112演算を同時実行できる 14 同時に マルチプロセッサ対応のMPEG2 MP HLのデコード処理プログラムがリリースされ デジタルハイビジョンの1920 1080ドットのカラー動画の復元処理を ソフトウェアのみで実現できることが実証された 1コア時より3 2倍高速化され フルHDの映像をわずか3Wで処理できるようになった マルチコア版FR Vの展開としては まず2005年に2コアの FR470 シリーズが開始された 2006年にはFR500シリーズをベースにした2コア 480MHzの FR570 シリーズが開始され FR577を搭載したXMLデータベース機の Shunsaku が2006年11月に発売された 15 地デジ時代 編集 富士通のワンセグ対応携帯電話 ワンセグケータイ NTTドコモ FOMA F905i 2007年発売 デジカメブーム 地デジブーム カメラ付ケータイブームに乗り 2008年に富士通の画像処理LSIは市場シェアが50 に上った 2006年に日本で放送が開始された地上デジタル放送では コーデックとしてH 264 AVCが採用された MPEG2の10倍以上の計算力が必要となるH 264に対し 富士通はソフトウェア処理とFR Vコアによるハードアシストを適切に組み合わせて対処した 富士通は2006年 世界で初めてH 264 AVCのHighプロファイル 1080i 1920 に準拠したLSI製品 MB86H50 を開発 16 富士通が2005年に三重工場に構築した90nmプロセスで製造された FR Vコアにメモリ FCRAM 2個を内蔵したSoCである 2006年12月 MB86H50 を組み込んだ フルHDの動画をリアルタイムでエンコードする伝送装置 IP 9500 をリリース 2007年9月には ラグビーワールドカップ2007 で 世界初となる日欧間のフルHDの映像伝送の生中継に使用されるなど 17 スポーツなどの動きの多い映像でも精度の高い放送ができるとして 放送事業者や通信事業者などの顧客に非常に好評を得た 2008年にはアメリカ大統領一般教書演説や北京オリンピックの中継にも使用されるなど IP 9500 は世界の放送業界で普及した 2007年6月 これまでデジカメで使われていた画像処理エンジンMilbeautを初めて採用した携帯電話で かつ富士通初のワンセグ対応携帯電話であるF904iが発売 この頃より携帯電話でもFR Vコアを搭載した富士通のSoCが普及し始めた 2006年11月 MB86H50 シリーズを発表 18 MB86H56 は2008年10月発表 2009年4月よりサンプル出荷を開始 従来品の2倍の性能であるフルHD 60p 1080p 1920 のエンコード デコードに対応した 2007年に稼働した富士通三重工場300mm第2棟にて製造され 従来品の90nmから65nmプロセスに微細化された 2010年5月には MB86H56 を搭載して1080pに対応した世界初のH 264コーデック装置映像伝送装置をNHK技研に納入した 19 これを搭載した装置を8台連ねることでスーパーハイビジョン SHV 映像伝送も可能であり 当時NHK技研が研究中であったスーパーハイビジョンの実用化も見えてきてたことから スーパーハイビジョン映像伝送システム用コーデック装置 と名付けられた しかしFR Vシリーズの終焉により 後にNHK BS4K BS8Kで使われることになる世界初のSHV映像伝送システム H 265 HEVC を2013年にNHK技研とともに実用化したのは三菱電機となった 展開終了 編集 FR Vをメディアプロセッサとして採用した画像処理LSI MAESTRO を搭載したデジカメ Leica S2 2008年発売 キヤノンとソニー以外のすべてのカメラメーカーがMilbeautの応用製品を採用するなど FR Vマイコンを使ったSoCが利益を生む 収穫期 に入ったが 独自マイコンはむしろ足かせ という経営判断が下った 富士通研究所においてここまでVLIW開発を続けてこれたのも サーバーがLSIの技術開発をけん引し その成果を民生機器向けに有効に展開する という LSI事業とサーバー関連事業の相乗効果 が富士通社内で重視されていたからだが 2000年代中ごろに入ると 安定しているサーバ事業に対し LSI事業は先が見えない という問題に対し 経営判断を迅速化する必要性が叫ばれるようになった 20 富士通の汎用LSI事業は先行投資によってずっと赤字が続いていた 2008年には富士通がデジタル一眼レフ カメラ向けの画像処理LSI市場で世界シェアの約50 を握り H 264対応のコーデック向けLSI市場で世界シェア首位に上るなど 収穫期に入ってようやく黒字化する見通しが立ったことから 富士通のマイコン部門が富士通セミコンダクターとして分離された 2010年にはARMコアの普及により 独自マイコンはもはや差別化要因にはならなくなり むしろ足かせになっている との経営判断が富士通セミコンダクターにおいてなされた そのため 2010年11月 富士通セミコンダクターにおける独自マイコンの開発は全て打ち切られ 富士通のマイコンはARMに一本化された 21 2009年の 組込みシステム開発技術展 には4コア版FR Vの試作版を搭載した評価ボードが出展されている 22 が 4コア版FR Vは結局リリースされなかった 富士通の画像処理LSIにおいては Milbeaut第5世代をもってFRコアは廃止され 2011年リリースの第6世代MilbeautよりARMコアに置き換えられた その後 編集 2013年 富士通セミコンダクターがマイコン アナログ事業をSpansion社へ譲渡したことに伴い FR VシリーズはFRシリーズとともにSpansionのラインナップに加わったが 譲渡された時点ですでにメンテナンスモードに入っており 製品のホームページすら作られなかった 23 FR Vを開発した須賀敦浩らは富士通セミコンダクターに残ったが 2015年に富士通セミコンダクターのシステムLSI SoC 事業をパナソニックのSoC事業と統合してソシオネクストが誕生したことに伴い ソシオネクストに移籍した かつてFR Vコアが搭載されていた画像処理LSIのMilbeautは 以後ソシオネクストによって展開されている 2019年 かつてFR Vを製造していた富士通三重工場 三重富士通セミコンダクター がUMCに買収され ユナイテッド セミコンダクター ジャパン株式会社となった 製品特徴 編集FR Vファミリには FR300 FR400 FR450 FR500 FR550シリーズがある FR Vは 32ビットCPUであり メモリのアドレス幅と汎用レジスタ GR のデータ幅はともに32ビットである 命令は 32ビットの基本命令から構成される 可変長VLIW命令である VLIWのビット長は プロセッサシリーズで異なり 32ビット 1Wayから最大64ビット 2Way FR300 FR400 FR450 32ビット 1Wayから128ビット 4Way FR500 32ビット 1Wayから256ビット長 8Way FR550 である 設計特徴 編集FR VはRISCの思想で作られており 可変長VLIW方式で命令を実行する 基本命令は 32ビット命令 可変長VLIW型マイクロプロセッサ 最大2基本命令 2Way FR300 FR400 FR450 最大4基本命令 4Way FR500 最大8基本命令 8Way FR550 VLIW長 32ビット 256ビット Packing Flag方式によるコード圧縮方式を用いた可変長VLIW 32ビットの基本命令ごとに1ビットの パッキングフラグ ビット がある ビッグエンディアン 単精度浮動小数点演算 2並列SIMD メディア処理演算 2並列16ビットSIMD 4並列16ビットSIMDレジスタセット 編集 32または64個のGR 汎用レジスタ と32個または64個のFR 浮動小数点レジスタ FR400 FR450 32ビット 32本の汎用レジスタ GR 32ビット 32本のメディア処理用レジスタ FR FR500 FR550 32ビット 64本の汎用レジスタ GR 32ビット 64本のメディア 浮動小数点共用レジスタ FR ノンエクセプティングレジスタ プレディケイトレジスタ命令セット 編集 32ビット整数命令 論理演算命令 乗算命令と除算命令 ロード ストア命令 64ビットデータロード命令 分岐命令 メディア処理演算命令 FR400 FR450 FR500 FR550 FR500シリーズで63個 16ビット 4のSIMD演算命令 40ビットアキュムレータを用いた乗算命令 積和命令 MAC 積差命令 飽和命令 32ビット浮動小数点数演算命令 FR500 FR550 32ビット単精度 2のSIMD演算命令 二乗根命令と除算命令 カスタム命令セット 16ビット整数命令 FR300 DSP 用基本命令セット FR300 条件付き実行命令 3値プレディケイト命令 Non Excepting命令命令組み合わせ 編集 2つの64ビットデータロード命令を同時に発行可能 FR500 2つの分岐命令を同時に発行可能 FR500 パイプライン 編集 FR400 I I F F M M B B シングルロード シングルストア FR500 I I M M B デュアルロード シングルストア FR550 I I I I F F F F M M M M B B 最大8個の基本命令を 以下の13 種類 24 個以上のパイプラインに振り分けて実行する 整数パイプライン 整数演算パイプライン ALUx4 MULx DIVx 1サイクルレイテンシ 乗算と除算を除く ロードストアパイプライン ロードx2 ストアx2 デュアルロード デュアルストア 2つの64ビットデータロード命令を同時に発行可能 ノンアラインド Non aligned ロード ストア 制御 2SIMD SP 浮動小数点パイプライン FADDx4 FMULx FDIVx 3サイクルレイテンシ 二乗根と除算を除く 4SIMD 16bit media パイプライン MALUx4 MSFTx MMACx 1サイクル積和命令 一部命令は2サイクルレイテンシ 分岐x2 2つの分岐命令を1つのVLIWに置けるレジスタファイル 編集 FR400 GR 32ビット 32w 5R 3W FR 32ビット 32w 5R 3WFR450 GR 32ビット 32w 5R 3W FR 32ビット 32w 5R 3WFR500 GR 32ビット 64w 5R 4W FR 32ビット 64w 5R 4WFR550 GR 32ビット 64w 10R 6W FR 32ビット 64w 10R 6W分岐予測 編集 静的分岐予測 FR500シリーズ FR400シリーズ 動的分岐予測 FR550シリーズ MMU 編集 静的アドレス変換機構 FR400 FR450 FR500 FR550 動的アドレス変換機構 FR450 動的アドレス変換方式 ソフトウェアテーブルウォークFR450 静的アドレス変換機構と動的アドレス変換機構を同時サポート アドレス空間の属性 ユーザモード保護 書込み保護 キャッシャブル ノンキャッシャブル セグメント ページサイズ アドレス変換対象領域 16KB 512MB AMR Address Map Register 命令 8エントリ データ 12エントリ TLB Translation Look aside Buffer 64エントリ x 2Way セットアソシアティブ型 動的アドレス変換方式 ソフトウェアテーブルウォークキャッシュメモリ 編集 FR400 命令キャッシュ 8Kバイト 2ウェイセットアソシアティブ 1RW データキャッシ 8Kバイト 2ウェイセットアソシアティブ 1RW ノンブロッキング機構 シングルロード シングルストアFR500 プリロードとキャッシュラインロック機構 命令キャッシュ 16Kバイト 4ウェイセットアソシアティブ 1RW 1R データキャッシ 16Kバイト 4ウェイセットアソシアティブ 1RW 1R コピーバックとライトスルー動作を選択 ノンブロッキング機構 デュアルロード シングルストアFR550 命令キャッシュ 32Kバイト 4ウェイセットアソシアティブ 1RW データキャッシ 32Kバイト 4ウェイセットアソシアティブ 2RW低消費電力 編集 MB90401 クロックギア機能 MB93461 パワーダウンモード クロック停止 コアスリープ バススリープ PLL Run PLL Stop クロック比切り替え CMODE切り替え ダイナミック変更 クロックギア機能 High Mediumモード切替え SDRAM I Oの電源を分離年 編集MB93501 1999年7月6日プレスリリース 2000年6月5日プレスリリース MB93401 2001年3月21日プレスリリース FR550 MB93551 2002年2月13日プレスリリース MB90403 2003年 FIND Vol 21 No 4 2003 MB93405 2004年2月26日プレスリリース MB93555 2004年2月26日プレスリリース MB93461 2004年7月6日プレスリリース FR1000 2005年2月7日プレスリリース MB93475 2005年11月17日プレスリリース FR577 MB93577 2006年7月 2006年12月15日 Embedded Technology 2008 2008年11月19日プロセッサ 編集FR300シリーズ 編集 最大2命令同時命令発行 3つの演算パイプライン 2種類の整数命令とDSP命令を実行 命令セット 16ビット整数命令セット i 32ビット整数命令セット I DSP命令セットの D FR400シリーズ 編集 最大2命令同時命令発行 32個のGR 32個のFR 整数パイプライン 2 メディアパイプライン 2 MB93401 MB93403 180nm 266MHz MB93405 130nm 400MHzFR450シリーズ 編集 最大2命令同時命令発行 32個のGR 32個のFR 整数パイプライン 2 メディアパイプライン 2 MMU TLB MB93461 編集 Single CPUコア 0 13mmプロセステクノロジ CMOS 内部1 4V 外部3 3V プラスチックBGA420ピン 動作周波数 400MHz 命令キャッシュ 32KB 2Way データキャッシュ 32KB 2Way SDRAMC 32ビットSDR133 TLB Translation Look aside Buffer 構成 64エントリ x 2Way ローカルバス 32ビット 66MHz DMAC 8ch I2C ビデオ入出力 スケーラ オーディオ入出力 USBホスト USBファンクション カード インタフェース メモリースティック SDカードに対応 MB93475 編集 Dual CPUコア 90nmプロセステクノロジ CMOS 内部1 3V 外部3 3V 2 5V プラスチックBGA480ピン 動作周波数 480MHz 命令キャッシュ 32KB 2Way データキャッシュ 32KB 2Way SDRAMC 32ビットDDR266 240MHz動作 TLB Translation Look aside Buffer 構成 64エントリ x 2Way PCI 32ビット ローカルバス 32ビット ビデオ入出力 映像拡大 縮小機能 ストリーム入出力 オーディオ入出力 シリアルインターフェース I2C 16ビット PC Card SDカード ビデオコーデックユニット H 264形式のビデオデータの圧縮 復元をサポートFR500シリーズ 編集 最大4命令同時命令発行 64個のGR 64個のFR 整数パイプライン 2 メディアパイプライン 2 浮動小数点パイプライン 2 単精度浮動小数点演算 MB93501FR550シリーズ 編集 最大8命令同時命令発行 64個のGR 64個のFR 整数パイプライン 4 メディアパイプライン 4 浮動小数点演算 4 単精度浮動小数点演算MB93555 編集 Single CPUコア 0 13mmプロセステクノロジ CMOS 内部1 3V 外部3 3V プラスチックBGA352ピン 動作周波数 333MHz 命令キャッシュ 32KB 4Way データキャッシュ 32KB 4Way SDRAMC 64ビットSDR133の111MHz DMAC ローカルバスMB93555A 編集 Single CPUコア 0 13mmプロセステクノロジ CMOS 内部1 4V 外部3 3V プラスチックBGA420ピン 動作周波数 360MHz 命令キャッシュ 32KB 4Way データキャッシュ 32KB 4Way SDRAMC 64ビットSDR133の120MHzMB93577 編集 Dual CPUコア 動作周波数 440MHz 命令キャッシュ 32KB 4Way データキャッシュ 32KB 4Way SDRAMC 64ビットDDR266 内蔵RAM 256KB 128KB 2 PCI 32ビット 66MHz 33MHz Rev 2 2対応 ローカルバス 32ビット 64ビット DMAC 16ch 8ch I2CFR1000 編集 プロトタイプ Quad CPUコア 90nmプロセステクノロジ CMOS 9層メタル パッケージ FCBGA900ピン 内部1 2V 外部2 5V 動作周波数 533MHz 命令キャッシュ 32KB 4Way データキャッシュ 32KB 4Way SDRAMC 64ビットDDR266 x 2ch 内蔵RAM 512KB 128KB 4 システムバス 64ビット 178MHz DMAC 外部16ch 内部16ch使用用途 編集 組み込み向け メディア処理向け サーバ向け脚注 編集 脚注の使い方 富士通 映像圧縮方式 H 264 対応の録画システム向けプロセッサ MB93475 RBB TODAY FML Leicaと共同でハイエンドデジイチ向け画像処理システムを開発 TECH a b システムLSI用VLIWプロセッサコア 富士通 ASCII jp CPU黒歴史 周回遅れの性能を20年間供給したItanium 1 4 システムLSIへの富士通の取組み 富士通 システムLSIコア技術 組込みプロセッサ 富士通 新プロセサファミリ FR V を発売 富士通 新メディアプロセッサFR400 富士通 世界初 8命令を同時実行する組み込み型高性能メディア処理用プロセッサを開発 FUJITSU Japan デジタルAV機器向け FR Vソリューション パッケージ を提供 FUJITSU Japan メディア処理向けプロセッサFR Vファミリ 富士通 MMU搭載FR Vプロセッサコアを開発 SoCとして新発売 富士通 富士通研究所 最大4CPUコアを1チップ化したマルチコアLSIを開発 AV Watch FR1000 におけるチップマルチプロセッサアーキテクチャの紹介 情報処理 2006年1月 47巻1号 p 24 大規模XMLデータベース専用機 Shunsaku Engine 販売開始 富士通 H 264 AVCの適用動向と富士通の取組み 富士通 世界初 H 264による日欧間のフルHD映像伝送の生中継を実現 富士通 1 スーパーハイビジョン映像伝送システム用コーデック装置を開発 富士通 詳報 辞任の富士通 小野氏が語っていたLSI事業再建策 日経クロステック xTECH 富士通セミがARMマイコン44製品を一挙投入 低電力 高性能品を幅広く展開 プロセッサ マイコン ARMマイコン EE Times Japan 国内最大規模の組込機器技術展 第12回 組込みシステム開発技術展 が開催 TECH 1カ月集中講座 IoTの波に乗るマイコン事情 第4回 MPUとは違った世界を創るMCU DSPのプレーヤー PC Watch外部リンク 編集マルチコアプロセッサ FR V 富士通 https ja wikipedia org w index php title FR V amp oldid 90701964 から取得, ウィキペディア、ウィキ、本、library、

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