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CrossOver (ソフトウェア)

CrossOverとはLinuxmacOSChromeOSで使用可能なMicrosoft Windows互換レイヤーである。この互換レイヤーによって多くのWindows アプリケーションをLinuxやmacOS、ChromeOS上で実行できるようになる。

CrossOver
開発元 (CodeWeavers)
最新版
22.0.1 / 2022年9月27日 (7か月前) (2022-09-27)[1]
対応OS Linux, macOS, ChromeOS
種別 互換レイヤー
ライセンス プロプライエタリ, GPL, LGPL
公式サイト www.codeweavers.com/crossover/
(テンプレートを表示)

CrossOverは(CodeWeavers)によって開発されており、オープンソースのWindows互換レイヤーであるWineに基づいている。CodeWeaversはWineのソースコードを編集し、互換性保持のためのパッチの適用、より使い勝手の良い設定ツールやインストールを自動化するスクリプトの追加、そして技術サポートを提供している。Wineのソースコードに対してなされたすべての変更はLGPLによって保護されており、一般に公開されている。CodeWeaversは、多様なWindowsアプリケーションがCrossOver上でどれほど良く動くかについてのオンラインデータベースを管理している。[2]

種類

CrossOver Linux

CrossOver LinuxはCrossOverのオリジナルのバージョンである。GNOMEKDEデスクトップ環境を適切に統合することで、Windowsアプリケーションが各Linuxディストリビューション間でシームレスに動作可能になることを目標としている。バージョン6以前はCrossOver Officeと呼ばれていた。CrossOver Linuxは当初、Standard版とProfessional版が提供されていた。Standard版は1つのシステム上で1人のユーザーが使うことを想定していた。Professional版は1つのシステム上で複数ユーザーが使えるのに加えて、法人ユーザー向けに、強化されたデプロイメントおよび管理機能が提供された。2012年、CrossOver Linux 11のリリースによってこれらの異なるエディションは一つの製品へと統合された。

CrossOver Mac

2005年、Appleは自社のコンピューターにおけるPowerPCからIntelベースのシステムへの移行を発表した。これにより、CodeWeaversはMac OS X版のCrossOver Officeである「CrossOver Mac」を開発することが可能になった。[3]

CrossOver Macは2007年1月10日にリリースされた。[4] 2008年6月17日のCrossOver Mac 7の公開によって、CrossOver MacはLinux版と同様にStandard版とProfessional版に分かれた。Standard版には6ヶ月のサポートと更新が含まれ、Professional版には1年間のサポートと更新に加え、CrossOver Gamesが無料で付属していた。2012年、CrossOver Mac 11のリリースとともにこれらのエディションは「CrossOver Mac」として再統合された。

2019年、macOSは32ビット互換の環境を廃止し、64ビットのみのシステムになった。2019年12月、CodeWeaversは32ビットのライブラリが存在しない環境でも32ビットのWindowsアプリケーションを実行できる、CrossOver 19をリリースした。

廃止された製品

現在、CrossOverにはかつてのCrossOver Games、StandardそしてProfessionalの機能が含まれている。このようなエディションごとに分かれたCrossOverは現在リリースされていない。[5]

CrossOver Gamesは2008年3月10日に発表され、最新のWineへの修正を適用しユーザーが多くの種類のゲームをプレイできるようにすることが目指されていた。[6] Wineプロジェクトの更新された項目のうち、受理されたものをCrossOverに組み込むために毎週〜毎月更新されることが期待された。一方、通常のCrossOver Officeはより安定性と生産性ソフトウェアに重点が置かれており、ベータ版や正式版のリリースよりずっと遅かった。CrossOver Gamesは十分な更新頻度を持続できず、分離された目的を果たせなかった。そのため2012年、CrossOver Gamesは廃止され、CrossOverに再統合された。

CrossOver Serverはシンクライアント上でWindowsアプリケーションを実行できるようにするためのCrossOver Linuxであった。その多くの機能がCrossOver Linux Professionalに含まれていたため、2007年に廃止された。

無料配布

2008年10月28日、(Lame Duck Challenge)の結果として、CodeWeaversは全製品を無償で提供した。CodeWeaversのWebサイトはその日のアクセスの多さで一時的に置き換えられた。[7] CodeWeaversによると、10月28日には最低でも750,000もの製品登録がなされたという。[8]

2012年10月31日、CodeWeaversは”Flock the Vote”と題して2度目の無料配布を行った。[9] CodeWeaversは、アクティビズムを促進するため、もし100,000人ものアメリカ人有権者が選挙日に無党派に投票したらこのような無料配布をすると約束した。100,000人以上のアメリカ人有権者が誓約したため、CodeWeaversは全世界の人々がCrossOver LinuxまたはMacを入手し、製品登録できるようにした。

参照

脚注

  1. ^ “Change Log For CrossOver”. (CodeWeavers). 2022年10月18日閲覧。
  2. ^ “What Runs - CrossOver Mac and Linux”. CodeWeavers. 2018年12月29日閲覧。
  3. ^ "CodeWeavers Expands Developer Services, Enabling Future Windows Application Porting To Mac OS" (Press release). SAINT PAUL, MN: CodeWeavers. 22 June 2005. 2009年1月3日閲覧
  4. ^ “CodeWeavers Releases CrossOver 6 for Mac and Linux”. Slashdot (2007年1月10日). 2020年1月18日閲覧。
  5. ^ “”. 2012年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月9日閲覧。
  6. ^ White, Jeremy (2008年3月10日). “Roadmap for 2008”. Blogs. CodeWeavers. 2009年1月3日閲覧。
  7. ^ Vaughan-Nichols, Steven J. (2008年10月28日). “”. Computerworld Blogs. 2008年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月3日閲覧。
  8. ^
  9. ^ Kruchowski, Anna. “CodeWeavers software free for download for 24 hours on October 31, 2012”. CodeWeavers blog. 2012年10月29日閲覧。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
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