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AEK-971

AEK-971は、ソ連/ロシアのコブロフ社によって開発されたアサルトライフルである。1980年代にSergey I. Koksharovによって設計された。標準モデルでは5.45x39mm弾を使用する。

AEK-971
AEK-971
AEK-971
種類 小銃
製造国 ソビエト連邦
ロシア
設計・製造 設計:Sergey I. Koksharov
製造:V・A・デグチャリョフ記念工場
年代 冷戦後半
仕様
種別 アサルトライフル
口径 5.45mm
5.56mm
7.62mm
銃身長 420mm(16.5インチ)
使用弾薬 5.45x39mm弾(AEK-971, AEK-971s)
5.56x45mm NATO弾(AEK-972)
7.62x39mm弾(AEK-973, AEK-973s)
装弾数 30発/60発
作動方式 ガス圧作動方式
全長 965mm
重量 3.3kg(弾倉を含まない)
発射速度 900発/分
銃口初速 880m/s(AEK-971, AEK-971s)
850m/s(AEK-972)
700m/s(AEK-973, AEK-973s)
最大射程 1,000m
有効射程 400m
歴史 
設計年 1980年代
配備先 ロシアの法執行機関
バリエーション AEK-971
AEK-971s
AEK-972
AEK-973
AEK-973s
(テンプレートを表示)

KORD 6P67は、2014年12月に公表されたAEK-971の後継型である。Kordは、Kord重機関銃などを開発した”Kovrovsky ORuzheiky Degtyarevty”(コヴロフ・デグチャリョフ銃器設計局)の略称である。

経緯

AEK-971は、ソ連国防省が発表した試作競争に参加するために開発されたが、結果としてAN-94が優先された。 AEK-971の開発の初期段階では、国防省は多くの革新は不要であると認識していたため、最新のものとは異なった設計が行われた。これにより、AEKの初期モデルは簡素なものとなった。

AEK-971はAN-94よりも約0.5kg(1.1 lb)軽量で、設計が簡単で、製造も安価である。

 
AEK-971の初期型モデル

AEK-971は、チェチェンの戦闘で性能を証明され、海軍歩兵と内務省部隊によってテストされ、生産の準備が整った。 本銃の初期生産品がロシア連邦司法省の部隊に採用された。

1980年から1994年にロシアで行われたアバカン計画による自動小銃の試験の結果、AN-94が採用されたことにより、最初の生産契約を失ったが、ロシア軍はAEKの野外試験を開始した。 ロシア軍によって正式に採用されたAN-94アサルトライフルは、2点射を用いればAEK-971よりもわずかに精度が高くなるものの、全自動射撃または3〜10発の長めのバースト射撃では、AEK-971の方が命中率は高かった。

 
6P67 being trialed by Russian forces in 2014–2015 and adopted in 2018

2014年12月23日、ロシア軍は、A-545(公式GRAU指定 6P67)として指定されたAEK-971ラインの後継発展型が、競合相手のAK-12とともに、ラトニク装備計画に選定され、評価のために実地部隊で運用されることを発表した[1]。 両小銃は初期生産と実地試験の推奨を得て、試験後に両方のライフルがロシア軍やその他の機関に採用される可能性を残した。 その後ロシア軍によってAEKシリーズは特殊部隊(スペツナズ)へ配備され、AK-12は歩兵やその他の部隊に配備された。

2017年3月、KORD 6P67(A-545)は、AK-12とともにテストが完了し、ロシア軍に採用されることが明らかになったが、そのより複雑で高価な設計により、国境警備隊、特殊部隊、および国家警備隊に供給されている。その一方、AK-12は通常の歩兵部隊に配備されている。

2018年1月、5.45×39mm弾を使用するKORD 6P67(A-545)および7.62×39mm弾を使用するKORD 6P68(A-762)が主に特殊部隊と一部の空挺部隊等向けに採用されたことがロシア軍により発表され、2020年4月より量産が開始されている。

構造・作動機構

(AKM)以来、AKシリーズでは低い発射レートによってフルオート射撃時の制御性を確保していた。しかし、その安定志向がたたって内務省スペツナズの隊員などから「レートが低すぎるため至近距離での銃撃戦で撃ち負ける可能性がある」との意見が上層部に寄せられた。また、AK-74から採用された5.45x39mm弾は、それまでの7.62x39mm弾と比べてストッピングパワーが大きく劣っており、敵を倒す場合には最低限でも2発を命中させる必要があった。そのため、次期主力小銃を選定する(アバカン計画)(英語版)に提出された3丁の候補には以下の特徴がみられた。

  1. 2点バースト射撃を搭載していること
  2. それまでの主力小銃より高いレートであること
  3. 高い耐久力は保持したままであること

以上の条件に当てはまるよう、コブロフ社はできる限り単純な機構で高レートでありながら制御しやすく、なおかつ安価で高い耐久性を実現させることに重点を置いた。

外見からも分かる通りAKシリーズの流れをくんでいるが、本銃にはカウンターウェイトを使用して反動を軽減する機構が採用されている。これは、ガスポートから拾い上げた燃焼ガスでピストン・ボルトキャリアーを後方へ動かし、同時にカウンターウェイトを前方へ動かすことで、ボルトの作動による反動や振動を打ち消すことができる。この機構を実現するために、従来のAKシリーズではガスポートの位置がハンドガードよりだいぶ前、シリンダーの先端についていたところを、本銃ではハンドガードの先端部分、シリンダーの中間にガスポートが存在する。シリンダーの内部では、ガスポートの後方にボルトキャリアーを押し戻すピストン、同じく前方にカウンターウェイトを押し出すピストンが収納されている。AEK-971においては、AK-74Mと比較して連射時の精度が15-20%向上した[2][3]

本銃はアバカン計画に提出されたものの採用されず、アルファ部隊など警察特殊部隊に採用された。隊員からの評判はおおむね良好であった。

バリエーション

AEK-971には、AEK-971・AEK-972・AEK-973の3種類のバリエーションが存在する。AEK-971では5.45x39mm弾、AEK-972では5.56x45mm NATO弾、AEK-973では7.62x39mm弾を使用する。さらに、AEK-971とAEK-973にはトリガーの機構やセレクターレバーの位置の変更、ストックを軽く大きくするなどの改良をしたsモデルも存在する。ストックが肉抜きされているため、ストックが折り畳まれている場合でも排莢を妨げたりすることなく射撃することが可能。

また、(AK-74M)同様、レシーバー左側にレールマウントが存在するので、光学機器が取り付けられる。

脚注

  1. ^ Зампред ВПК: Минобороны вооружится и АК-12, и автоматом Дегтярева
  2. ^ “”. 2010年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月10日閲覧。
  3. ^ “”. 2010年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2005年9月9日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • V・A・デグチャリョフ記念工場公式サイト
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