93という数字は、1904年に「法の書」を書いたアレイスター・クロウリーがフランソワ・ラブレーの哲学を適用したセレマの信仰で大きな意味を持つ[1][2]。セレマの中心的な哲学は、「法の書」の二つの文で、「汝の意志することを行え、それが法の全てとなろう」と、「愛は法なり、意志の下の愛こそが」である。これらの文には、それぞれ意志と愛という二つの主要な言葉が含まれている。ギリシャ語では、それらは、セレマ(意志)とアガペー(愛)である。ギリシャ語の(アイソセフィ)(文字に数値を当てはめること)で、その双方の文字は、足し合わせると93になる。
- Thelema = Θελημα
- Θ (Theta) = 9 +
- ε (Epsilon) = 5 +
- λ (Lambda) = 30 +
- η (Eta) = 8 +
- μ (Mu) = 40 +
- α (Alpha) 1
- = 93
- Agapé = Αγαπη
- Α (Alpha) 1 +
- γ (Gamma) 3 +
- α (Alpha) 1 +
- π (Pi) 80 +
- η (Eta) 8
- = 93
この手法を使った関連性は対応の芸術である。二つの言葉が同じ数値を持つとき、意味深い関係を持つと言われている。この場合、セレマの二つの中心的なコンセプト——意志と愛——は同じ数値であり、故に、直接的な関係を持つ。
その他の93に対応する言葉
他のセレマ的語句の中で、(アイソセフィ)もしくはゲマトリアを使い、93になる言葉には次のようなものがある。
- Aiwaz—1904年にアレイスター・クロウリーに法の書を口述した
- (LAShTAL)
- (FIAOF)
- (MGN)—AUMでMに置き換えた複合語
その他の対応する言葉:
- (Melie)—ユグドラシル(世界樹)で「灰」
- (TzBA)—「意志、星、主人」
- (PThD)—「Peth Teth Daleth」(カバラの三つの平行する小径)
挨拶文としての93
セレマイト同士が会ったとき、お互いに「93」と挨拶したり、手紙の最初と最後に「93」と書くのは一般的である。この習慣は、セレマイトはお互いに「汝の意志することを行え」と言うことで挨拶するべきだという、アレイスター・クロウリーのセレマの法のガイドラインに由来している。この長ったらしい法の言葉を言うのが煩わしいため、93を使うことで簡単にしている。
非公式の手紙では、しばしばこの番号は手紙の初めに単独で書かれ、最後に「93 93/93」と書かれる。この場合、最初の「93」は「汝の意志することを行え」を意味し、「93 93/93」は「愛こそ法なり、意志の下の愛こそが」を意味する。クロウリーは彼の手紙の中でこの形式を使用した。
参考文献
- Thelemapedia (2005). 93. Retrieved 5 April 2005.
- Crowley, Aleister. (1997). Magick: Book Four. Edited, annotated, and introduced by (Hymenaeus Beta). York Beach, Me. : S. Weiser.
- P-Orridge, Genesis. Thee Psychick Bible: The Apocraphal Scriptures ov Genesis P-Orridge & thee Third MIND ov Psychic TV. Edited by J.A. Rapoza. San Francisco: Alecto Enterprises, 1994.
外部リンク
- 93 Y'all, a short explanation of 93 and a comparison with the (Wiccan Rede).
- Journal of Thelemic Studies - the first non-partisan, academic journal investigating the occult tradition of Thelema, founded by the infamous Aleister Crowley