1908年ロンドンオリンピックの綱引競技(1908ねんロンドンオリンピックのつなひききょうぎ)は、ホワイトシティ・スタジアムを会場として1908年7月17日と7月18日に実施された。
概要
ロンドンオリンピックの綱引競技には、3カ国から40人(1チーム8人ずつで5チーム)が出場した。当初出場を予定していたドイツ代表チームとギリシャ代表チームが棄権したため、スウェーデン代表チーム及び開催国イギリス代表のうちロンドン市警察代表チームとロンドン警視庁代表チームは、予選を不戦勝で勝ち進むこととなった。
予選で唯一試合が行われたアメリカ代表チームとリバプール市警察代表チームの試合で、トラブルが発生した。アメリカチームは普通の運動靴で試合に臨んでいたが、リバプール市警察代表チームは職務用の底に鋲を打ちつけた靴を履いていたため、勝敗の行方は試合前から明らかだった。この不公平に対してアメリカ代表チームは当然抗議したが、開催国のイギリス人で構成している審判団はそれを認めず、試合はリバプール市警察代表チームが2対0で楽勝した[1]。
準決勝は、リバプール市警察代表チーム対スウェーデン代表チームとロンドン市警察代表チーム対首都警察代表チームの組み合わせで行われた。それぞれリバプール市警察代表チームとロンドン市警察代表チームが2対0で圧勝した[2]。決勝では、ロンドン市警察代表チームが2対0でリバプール市警察代表チームを破って金メダルの栄誉に輝いた[3]。なお、スウェーデン代表チームは3位決定戦を棄権したため、首都警察代表チームが銅メダルを獲得し、全てのメダルをイギリスの各警察代表チームが独占する結果となった[3]。
結果
順位 | チーム名 | メンバー |
---|---|---|
金 | ロンドン市警察代表チーム(イギリス) | (ウィリアム・ヒロンズ) (フレデリック・グッドフェロー) (エドワード・バレット) (ジェームズ・シェパード) (フレデリック・ハンフリーズ) エドウィン・ミルズ (アルバート・アイレトン) (フレデリック・メリマン) (ジョン・デューク) |
銀 | リバプール市警察代表チーム(イギリス) | (パトリック・フィルビン) (ジェームズ・クラーク) (トーマス・バトラー) (アレクサンダー・キッド) (ジョージ・スミス) (トーマス・スウィンドルハースト) (ダニエル・マクドナルド・ローウィ) (ウィリアム・グレギャン) (チャールズ・フォデン) |
銅 | 首都警察代表チーム(イギリス) | (ウォルター・タマズ) (ウィリアム・スレイド) (アレクサンダー・ムンロー) (アーネスト・エバージ) (トーマス・ホームウッド) (ウォルター・チャーフィ) (ジェームズ・ウジェット) (ジョセフ・ドウラー) (T・J・ウィリアムズ) |
4位 | スウェーデン代表チーム | Albrekt Almqwist Frans Fast Carl-Emil Johansson Emil Johansson Knut Johansson Karl Krook Karl-Gustaf Nilsson Anders Wollgarth |
5位 | アメリカ代表チーム | ウィルバー・バロウズ ウェズリー・コー アーサー・ディアボーン ジョン・フラナガン マーキーズ・ホア マット・マクグラス ラルフ・ローズ リー・タルボット |
脚注
- ^ Tug-Of-War at the 1908 London Summer Games:Men's Tug-Of-War Round One[] 2020年4月17日, at the Wayback Machine. 2011年2月5日閲覧。(英語)
- ^ Tug-Of-War at the 1908 London Summer Games:Men's Tug-Of-War Semi-Finals[] 2020年4月17日, at the Wayback Machine. 2011年2月5日閲覧。(英語)
- ^ a b Tug-Of-War at the 1908 London Summer Games:Men's Tug-Of-War Final Round[] 2020年4月17日, at the Wayback Machine. 2011年2月5日閲覧。(英語)
参考文献
- 財団法人 日本オリンピック委員会企画・監修 『近代オリンピック100年の歩み』 ベースボールマガジン社、1994年、86頁。 ISBN (4-583-03135-1)
外部リンク
- Tug-Of-War at the 1908 London Summer Games:Men's Tug-Of-War[] 2020年4月17日, at the Wayback Machine.(英語)