1/₂の神話

「1⁄2の神話」（にぶんのいちのしんわ）は、日本の歌手中森明菜の楽曲と日本のシンガーソングライター大沢誉志幸の楽曲。この楽曲は、まず中森の4枚目のシングルとして、1983年2月23日にワーナー・パイオニア（現：ワーナーミュージック・ジャパン）よりリリースされた ((EP): L-1660)^[4]。続いてこの楽曲を手掛けた大沢が「1⁄2の神話」をセルフカバーし、1994年7月21日にEpic/Sony Records（現：ソニー・ミュージックレーベルズ エピックレコードジャパンレーベル）より大沢のシングルとしてリリースされた (8cmCD: ESDB-3487)^[5][6]。

「1⁄2の神話」
中森明菜 の シングル
初出アルバム『BEST AKINA メモワール』
B面	温り
リリース	1983年2月23日 1988年7月25日（再発） 1988年12月21日（再発） 1998年11月26日（再発） 2008年11月12日（再発）
規格	(シングル・レコード) 8cmCD コンパクトカセット 12cmCD デジタル・ダウンロード
ジャンル	アイドル歌謡曲
時間	3分20秒^[1]
レーベル	リプリーズ・レコード/ ワーナー・パイオニア
作詞・作曲	売野雅勇・大沢誉志幸
プロデュース	小田洋雄^[2]
ゴールドディスク
第2回メガロポリス歌謡祭 ポップス部門入賞
チャート最高順位
週間1位（オリコン） 1983年度年間13位（オリコン）^[3] 1位（ザ・ベストテン） 1983年上半期5位（ザ・ベストテン） 1983年年間8位（ザ・ベストテン） 1位（ザ・トップテン）
中森明菜 シングル 年表
セカンド・ラブ （1982年） 1⁄2の神話 （1983年） トワイライト -夕暮れ便り- （1983年）
『BEST AKINA メモワール』 収録曲 銀河伝説 （9） 1⁄2の神話 （10） ヨコハマA・KU・MA （11）
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背景

中森の「1⁄2の神話」は、1983年2月23日に(シングル・レコード) ((EP): L-1660)で発売された^[7][4]。シングル盤のディスクジャケットは2種類存在しており、シングル・レコードのライナーノーツには本曲の楽譜が掲載された^[4][2]。この楽曲は、中森の2枚目のシングル「少女A」に続くツッパリ路線の売野雅勇による作詞で、ソロデビュー前の大沢誉志幸が作曲し、萩田光雄が編曲を手掛けた^[2][7][4]。プロデュースは「スローモーション」、「少女A」、そして前作「セカンド・ラブ」に続いて小田洋雄が手掛けた^{[8][9][10][2]}。

初期タイトル案は「不良1⁄2」^[11]で、既にジャケットも完成していたが、発売直前になってNHKから「このタイトルだとNHK的に厳しい（番組で歌唱させられない）」とクレームがつき、急遽レコード会社と売野の間で協議が持たれ題名が変更されたという^[12]。ただ売野はこの題名変更は不満だったようで、後に「インパクトがなくなった。（中略）つまりタイトルが悪かったんです」と語っている^[12]。

この楽曲は中森の後の作品で新録されており、2006年1月リリースのベスト・アルバム『BEST FINGER 25th anniversary selection』に収録された^[13][2]。2010年には、中森をモチーフとしたパチンコ台『CR中森明菜・歌姫伝説〜恋も二度目なら〜』に本曲が収録された^[14]。

シングル盤「1⁄2の神話」のB面として発表された「温り」は、井上あづさが作詞と作曲を手掛け、編曲は「1⁄2の神話」に続いて萩田が手掛けたボサノヴァ調の楽曲である^[2][4]。作詞・作曲を行った井上あづさは他の歌手を含めこの曲以外に一切作品の提供を行っていない。長らく正体不明とされているが、当時ワーナーに所属していた男性スタッフではないかという説もある^[15]。

批評

音楽評論家の堤昌司は、中森の「1⁄2の神話」の楽曲の音楽性について、前奏から「ノイジーなギター・サウンド」を取り入れており、「ロック色」を鮮烈に示していると批評した^[4]。また中森の歌唱については、「引きつけたり突き放したり、メリハリをつけた変幻自在の歌唱」であると指摘し、この中森の歌唱法が、揺るぎないものへと同時進行しているように見えると批評した^[4]。

チャート成績

中森のこの楽曲は、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では、1983年3月24日から1983年5月5日の放送まで7週連続で1位を記録し、1983年度の年間総合ベストテンで8位を記録した^[16]。オリコン週間シングルチャートでは、1983年3月7日付で初登場・最高順位ともに1位を記録し、以降1983年4月11日付まで6週連続で1位を獲得した^[7]。同チャートの100位以内においては、計17週に渡ってランクインしている^[7]。また、1983年度のオリコン年間シングルチャートでは、13位を記録^[7]。57万枚を上回る売り上げとなった^[17]。

収録曲

全編曲: 萩田光雄。
#	タイトル	作詞	作曲	時間
1.	「1⁄2の神話」	売野雅勇	大沢誉志幸	3:20
2.	「温り」	井上あづさ	井上あづさ	4:34
合計時間:				7:54

規格

• 1988年7月25日 - 8cmCD: 10SL-133^[18]
• 1988年12月21日 - CT: 10L5-4043^[19]
• 1998年11月26日 - 12cmCD: WPC6-8661^[20]
• 2008年11月12日 - デジタル・ダウンロード^[21][22]
• 2014年6月18日 - 12cmCD, Singles Box 1982-1991の一枚として

クレジット

「1⁄2の神話」のライナー・ノーツより^[2]

プロデューサー: 小田洋雄 ディレクター: 島田雄三 ミキサー: 菊地功 撮影: 玉川清

デザイン: 持田恭男 セールス・プロモーター: 畠山政行 プロモーター: 富岡信夫、田中良明

収録アルバム

1⁄2の神話

• 『BEST AKINA メモワール』^[23][2]
• 『BEST』^[24][2]

大澤誉志幸による歌唱盤

「1⁄2の神話」
大沢誉志幸 with カメレオンズ の シングル
初出アルバム『Collage』
B面	ラ・ヴィアンローズ
リリース	1994年7月21日
規格	8cmCD
録音	ソニー・ミュージックスタジオ^[25]
ジャンル	ファンク^[25]
時間	4分54秒^[25]
レーベル	Epic/Sony Records
作詞・作曲	売野雅勇・大沢誉志幸^[26]
プロデュース	大沢誉志幸^[25]
大沢誉志幸 with カメレオンズ シングル 年表
「涙のかわりに」 （1993年） 「1⁄2の神話」 （1994年） 「(ガラス越しに消えた夏)」 （1994年）
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中森明菜に「1⁄2の神話」を楽曲提供した大沢誉志幸が、1994年7月21日にEpic/Sony Recordsよりこの楽曲のセルフカバーを発表している^[25]。中森版よりもハードな曲調のファンクとなっている^[25]。この楽曲は、大沢のセルフカバー・アルバム『Collage』からのシングルとして、このアルバムと同時リリースされた^[25]。大沢のシングルとしては23枚目である^[27]。また、大沢のシングル盤「1⁄2の神話」の2曲目には、同じくセルフカバー・アルバム『Collage』より、吉川晃司に楽曲提供した「ラ・ヴィアンローズ」のセルフカバーが収録された^[27]。

収録曲

全作詞: 売野雅勇、全作曲: 大沢誉志幸、全編曲: 大沢誉志幸 with カメレオンズ。
#	タイトル	作詞	作曲・編曲	時間
1.	「1⁄2の神話」	売野雅勇	大沢誉志幸	4:54^[25]
2.	「ラ・ヴィアンローズ」	売野雅勇	大沢誉志幸	4:33^[25]

脚注

[脚注の使い方]

1. ^ “iTunes - ミュージック - 中森明菜「1/2の神話（オリジナル・シングル・ジャケット）」”. Apple. 2012年8月15日閲覧。
2. ^ ^{a b c d e f g h i} (EP) (EP). 「1⁄2の神話」. 中森明菜. ワーナー・パイオニア. (1983年2月23日). L-1660. 
3. ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.38.
4. ^ ^{a b c d e f g} 堤昌司 (2009年6月10日). 中森明菜『コンプリート・シングル・コレクションズ〜ファースト・テン・イヤーズ＜ライノ・プレミアム・エディション＞』のアルバム・ノーツ, pp. 5-8 [4×12cmCD]. ワーナーミュージック・ジャパン (WPCL-10681/84).
5. ^ “大沢誉志幸withカメレオンズ / [1 / / 2]の神話 [廃盤] - CDJournal”. 音楽出版社. 2013年5月21日閲覧。
6. ^ “大沢誉志幸 / Collage [廃盤] - CDJournal”. 音楽出版社. 2013年5月21日閲覧。
7. ^ ^{a b c d e} クラブハウス『オリコン No.1 HITS 500 1968〜1985 (上) オリコンチャート1位ヒットソング集』クラブハウス、1998年11月1日、214、219頁頁。ISBN (4906496121)。 
8. ^ (EP) (EP). 「スローモーション」. 中森明菜. ワーナー・パイオニア. (1982年5月1日). L-1600. 
9. ^ (EP) (EP). 「少女A」. 中森明菜. ワーナー・パイオニア. (1982年7月28日). L-1616. 
10. ^ (EP) (EP). 「セカンド・ラブ」. 中森明菜. ワーナー・パイオニア. (1982年11月10日). L-L-1620. 
11. ^ NO1ヒットメーカー売野雅勇が明かす“80年代アイドル”の戦乱（2）中森明菜の「少女A」ウラ話 アサ芸プラス 2016年9月1日
12. ^ ^{a b} 【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】新曲は「1/2の神話」にタイトル変更 NHKへの「忖度」だった - ZAKZAK・2020年10月6日
13. ^ (2006年1月11日) 中森明菜『BEST FINGER 25th anniversary selection』のアルバム・ノーツ [12cmCD]. ユニバーサルシグマ (UMCK-1200).
14. ^ “CR中森明菜 歌姫伝説〜恋も二度目なら〜|特設ページ|Daiichi777”. 大一商会. 2011年8月29日閲覧。
15. ^ 文春オンライン 近藤真彦宅で自殺を図ったことを「なんて愚かな」と悔やみ…なぜ“金屏風会見”は中森明菜を表舞台から遠ざけたのか#6
16. ^ 『別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る!80'sポップスHITヒストリー〜』角川インタラクティブ・メディア、2004年12月、95、97-99頁頁。ISBN (4048944533)。 
17. ^ “中森明菜のプロフィール・ヒストリーならオリコン芸能人事典-ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月25日閲覧。
18. ^ “中森明菜-リリース-ORICON STYLE ミュージック”. オリコン. 2012年8月11日閲覧。
19. ^ (CT) (CT). 「1/2の神話」. 中森明菜. ワーナー・パイオニア. (1988年12月21日). 10L5-4043. 
20. ^ “1/2の神話/中森明菜 本・コミックからDVD・CD・ゲームまで通販なら【TSUTAYAオンラインショッピング】”. カルチュア・コンビニエンス・クラブ. 2012年8月11日閲覧。
21. ^ “mora[モーラ] : 中森明菜「1/2の神話」を試聴・ダウンロード”. レーベルゲート. 2012年8月11日閲覧。
22. ^ “”. Listen Japan. 2011年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月11日閲覧。
23. ^ (1983年12月21日) 中森明菜『BEST AKINA メモワール』のアルバム・ノーツ [LP]. ワーナー・パイオニア (L-12590).
24. ^ (1986年4月1日) 中森明菜『BEST』のアルバム・ノーツ [LP, CT, 12cmCD]. ワーナー・パイオニア (L-13030、LKG-5030、32XL-150).
25. ^ ^{a b c d e f g h i} (1994年7月21日) 大沢誉志幸『(Collage)』のアルバム・ノーツ [12cmCD]. Epic/Sony Records (ESCB-1499).
26. ^ “1/2の神話（大沢誉志幸）の着うた【邦楽着うた大辞典】”. エムティーアイ. 2013年5月8日閲覧。
27. ^ ^{a b} (2010年4月21日) 大澤誉志幸『TraXX －Yoshiyuki Ohsawa Single Collection』のアルバム・ノーツ [2×12cmCD]. ソニー・ミュージックダイレクト (MHCL-1744/5).