黄檗駅(おうばくえき)は、京都府宇治市五ケ庄にある京阪電気鉄道および西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。
両駅は隣接した敷地に所在しているが、両社それぞれに立地し独立した設備となっており、統合駅の体裁にはなっていない。駅番号は、京阪側はKH75、JR側はJR-D08。
概要
京阪宇治線とJR西日本奈良線がそれぞれ乗り入れている。両社の駅は敷地が隣接しているが独立した設備であり連絡通路などの設備も無く、両社のホームの端同士は目と鼻の先にあるものの改札口は離れている。両駅間を徒歩で乗り換えるためには駅北側および東側の一般道路をL字型に通行することになる。
京阪の駅はPiTaPa(および「スルッとKANSAI」対応各種カード)、JR西日本の駅はICOCAの利用エリアに含まれている。両社ともそれぞれで対応するIC乗車券で共通利用が可能である。
歴史
京阪電気鉄道
- 1913年(大正2年)6月1日:京阪宇治線の開業とともに設置され、黄檗山駅として供用を開始する。
- 1926年(大正15年):黄檗駅に改称する。
- 1943年(昭和18年)10月1日:会社合併により京阪神急行電鉄の駅となる。
- 1949年(昭和24年)12月1日:会社分離により京阪電気鉄道の駅となる。
- 1981年(昭和56年):プラットホームに視覚障害者用誘導ブロックを新設する[1]。
- 1999年(平成11年)
- 2002年(平成14年)3月11日:京阪宇治行きホームに転落検知マットとホーム異常通報装置を設置する[4]。
- 2019年(平成31年)2月:下りホーム中書島寄りのカーブ部分に列車停止時のホームと車体の間の隙間からの転落事故防止のために櫛状ゴムを取り付け[5]。
JR西日本
駅構造
京阪電気鉄道
京阪 黄檗駅* | |
---|---|
おうばく Obaku | |
◄KH74 木幡 (1.5 km) (1.8 km) 三室戸 KH76► | |
所在地 | 京都府宇治市五ケ庄西浦37 |
駅番号 | KH 75 |
所属事業者 | 京阪電気鉄道 |
所属路線 | ■宇治線 |
キロ程 | 5.4 km(中書島起点) |
電報略号 | 黄(駅名略称方式) |
駅構造 | 地上駅 |
(ホーム) | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 2,620人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1913年(大正2年)6月1日 |
備考 | 無人駅(自動券売機 有) |
* 1926年に黄檗山駅から改称。 |
改札口は上下線で別々に設けられており、改札内でホーム同士を行き来することはできない。どちらのホームも中書島寄りに改札があり、中書島方面行きの改札には駅員が配置され企画乗車券の販売にも対応している(早朝深夜を除く)。定期券売り場は設置されていない。
物販については2006年6月30日に売店の営業を終了し、以降は飲料や新聞の自動販売機のみ営業している。
のりば
- ホーム有効長は5両。
中書島方面口
宇治方面口
プラットホーム
JR西日本
JR 黄檗駅 | |
---|---|
おうばく Ōbaku | |
◄JR-D07 木幡 (1.4 km) (2.9 km) 宇治 JR-D09► | |
所在地 | 京都府宇治市五ケ庄新開18 |
駅番号 | JR-D08 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | D 奈良線 |
キロ程 | 22.7 km(木津起点) |
電報略号 | オハ |
駅構造 | 地上駅 |
(ホーム) | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 3,648人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1961年(昭和36年)4月21日 |
備考 | (業務委託駅) みどりの窓口 有 |
相対式ホーム2面2線を持つ、交換設備を備えた地上駅である。構内配線が一線スルーになっていないため、快速は減速して通過する。かつては単式1面1線のホームしかなかった(現在の2番のりば)が、奈良線の輸送力増強のために1991年3月16日ダイヤ改正に合わせて相対式のホーム1面1線が新設された[7](現在の1番のりば)。 上り出発信号機に対しては安全側線があるが、下りは過走余裕距離が長いため設置されていない。日中は上下とも、奈良発着の普通と城陽発着の普通同士が交換する(2016年3月改正)。 宇治駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託している(業務委託駅)である。
のりば
駅舎
利用状況
京都府統計書によると、1日平均乗車人員の推移は下記の通り。
年度 | 京阪 | JR西日本 |
---|---|---|
1日平均 乗車人員 | 1日平均 乗車人員 | |
1999年 | 3,855 | 3,257 |
2000年 | 3,945 | 3,282 |
2001年 | 3,860 | 3,236 |
2002年 | 3,814 | 3,148 |
2003年 | 3,716 | 3,096 |
2004年 | 3,633 | 3,096 |
2005年 | 3,556 | 3,200 |
2006年 | 3,441 | 3,282 |
2007年 | 3,402 | 3,322 |
2008年 | 3,436 | 3,458 |
2009年 | 3,392 | 3,408 |
2010年 | 3,400 | 3,460 |
2011年 | 3,311 | 3,552 |
2012年 | 3,403 | 3,604 |
2013年 | 3,353 | 3,732 |
2014年 | 3,353 | 3,773 |
2015年 | 3,459 | 3,811 |
2016年 | 2,797 | 3,753 |
2017年 | 2,652 | 3,734 |
2018年 | 2,723 | 3,734 |
2019年 | 2,620 | 3,648 |
駅周辺
駅の東側は山が迫っており、その中腹には中国大陸からこの地に至った隠元隆琦を開祖とする黄檗山萬福寺があるほか、高台を切り拓いた住宅団地「黄檗台」などの住宅地が広く所在している。
一方、駅の所在する五ヶ庄地区(駅周辺および西側一帯)は低地に位置しておりたびたび水害が発生している。第2室戸台風で広範囲が浸水[11]したほか、近年では1986年と2008年に床下浸水[12]、2012年8月の集中豪雨では当駅と三室戸駅間にある「京滋バイパス」との交差部が浸水したことに伴い同バイパス不通および、当駅と木幡駅の間で交差する弥陀次郎川が宇治川寄りの天井川の堤防が決壊し住宅8戸全壊・約500戸浸水[13]、翌2013年にも台風18号による浸水被害が発生している[14]。
- 黄檗山萬福寺 - 黄檗宗大本山
- (許波多神社)
- 黄檗台
- 弥陀次郎川
- 京都府道7号京都宇治線 - 駅の東側を南北に並行している。
- 公共施設
- 文教施設
- 京都大学 宇治キャンパス
- 京都芸術高等学校
- 宇治市立東宇治中学校
- 宇治市立黄檗中学校
- 東宇治図書館
- 金融機関等
バス路線
1990年12月、JR駅前にバス乗り場が設置された。停留所名は「JR黄檗駅」である。
京都京阪バスが運行し、京阪宇治駅方面および、近隣の住宅地(黄檗台)を循環する系統が設定されている。なお、循環系統を除き京阪宇治駅までは同一経路を運行している[15]。
- 109系統(左回り・右回り):黄檗台循環
- 103系統:京阪宇治駅
- 250系統・250A系統:近鉄大久保
隣の駅
括弧内は駅番号を示す。
脚注
- ^ 「くらしの中の京阪」1981年8月号
- ^ 「くらしの中の京阪」1999年11月号
- ^ 「京阪百年のあゆみ」資料篇145頁より
- ^ 『K PRESS』2002年4月号12面「くらしのなかの京阪」
- ^ 『京阪グループ 開業110周年記念誌』京阪ホールディングス株式会社2020年11月1日発行 62頁「施設の安全対策」
- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、350頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。
- ^ a b 『関西圏近郊電車』p.120
- ^ (インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月30日
- ^ a b “黄檗駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月19日閲覧。
- ^ a b “黄檗駅|構内図”. 西日本旅客鉄道. 2022年9月19日閲覧。
- ^ 洪水の記憶 - 国土交通省 淀川河川事務所
- ^ 文理閣「京都の治水と昭和の大水害」『第4章宇治川と宇治市の水害』
- ^ 京都新聞(2013年7月23日朝刊14面「備える 命を守るために 天井川」)
- ^ 京都新聞(2013年9月17日朝刊22面)
- ^ 京都京阪バス路線図(運行経路図 > 淀・久御山・大久保・宇治) - 京都京阪バス(PDF、2019年11月25日改訂、2020年3月22日閲覧)
参考文献
- 寺本光照『国鉄・JR 関西圏近郊電車発達史』、JTBパブリッシング、2014年5月、ISBN (9784533097942)。
関連項目
外部リンク
- 黄檗駅 - 京阪電気鉄道
- 黄檗駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- おけいはん.ねっと|駅情報局:黄檗駅