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青海省(チンハイしょう、せいかいしょう、中国語:青海省、拼音:Qīnghǎi Shěng、英語:Qinghai、チベット語: མཚོ་སྔོན་ཞིང་ཆེན།、 モンゴル語:ᠬᠥᠬᠡ
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ᠮᠤᠶᠶ)は、中華人民共和国西部に位置する省。省都は西寧市。1928年に青海省成立。省名は、省内に国内最大の湖沼である青海湖があることにちなむ。
青海省 | |
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略称: 青 (拼音: ) | |
簡体字 | 青海 |
繁体字 | 青海 |
拼音 | Qīnghǎi |
カタカナ転記 | チンハイ |
省都 | 西寧市 |
最大都市 | 西寧市 |
省委書記 | 王建軍(前省長) |
省長 | 信長星(代行、前省党委副書記) |
面積 | 721,000 km² (4位) |
人口 (2010年) - 人口密度 | 5,626,722[1] 人 (30位) 7.8 人/km² (30位) |
GDP (2017年) - 一人あたり | 2642.8億[2]元 (30位) 44,348 元 (23位) |
HDI (2014年) | 0.694 (中) (27位) |
主要民族 | 漢民族 - 54% チベット族 - 23% 回族 - 16% 土族 - 4% サラール族 - 1.8% モンゴル族 - 1.8% |
地級行政区 | 8 個 |
県級行政区 | 43 個 |
郷級行政区 | 429 個 |
ISO 3166-2 | CN-QH |
公式サイト http://www.qh.gov.cn/ |
概要
この省の領域の大部分は、チベット人自身によるチベットの地方区分でいう「アムド地方」に属し、アムド地方の西部から中央部を占めており、東南部に位置するキクド(ジェクンド、玉樹)一帯のみ、カム地方に属する。またモンゴル人は、この地やそのモンゴル系住人を「(デート・モンゴル)(高地モンゴル)と称する。2005年1月省長に就任した宋秀岩は中国で20年ぶりの女性省長である。
この省の領域を枠組みとする地方行政単位の成立は、雍正帝のチベット分割にさかのぼる。清朝の雍正帝は、1723年から1724年にかけて、当時この地方を含むチベット全土を支配していたオイラト系モンゴル人のグシ・ハン一族を征服、彼らの支配下にあった(七十九族)と呼ばれる諸部族を、タンラ山脈を境に南北に分割、(青海四十族)と西蔵の(三十九族)に二分した。清朝は(青海モンゴル)や四十族などの諸侯を、西寧から支配、この枠組みは中華民国にも引き継がれ、青海省の基礎となった。中国の現行の行政区画としての西蔵と青海は、直接にはこの分割を起源としたものといえる。
歴史
古代の西戎の地で、漢代には姜族が占拠し、西羌(せいきょう)と呼ばれた。隋王朝は西海、河源などの郡を設置したが、吐谷渾(とよくこん)が勃興し、領域とした。7世紀には吐蕃(とばん)のチベットと唐王朝の中国の抗争の舞台となり、8世紀に大部分がチベット領となった。822年、チベットと中国の間で和平と国境を定めるための条約が締結され、青海湖の西南にある日月山が両国の国境と定められた。条約の文面はチベット語と中国語(漢文)の2ヶ国語で石碑に刻まれ、チベットの都ラサ、中国の都長安、日月山の3ヶ所に設置された。ラサに設置された石碑のみ、現在まで失われずに残り、「唐蕃会盟碑」として知られている。吐蕃の統治下で、この地に居住する諸種族の多くがチベット人としての自意識を持つようになって現在に至っている。
宋代(北宋・南宋)には吐蕃の末裔が樹立した(青唐王国)の拠点となったが、タングート系の西夏に併合されて滅亡した。17世紀半ば、(西モンゴル)オイラト部のグシ・ハンが配下を引き連れてチベットの各地に移住し、チベットを征服した際には、この地が本拠地となった。現在この省の中央部から北西部にかけて居住している(青海モンゴル族)は、この時移住してきたグシ・ハンの配下の末裔である。18世紀、清朝の雍正帝はグシ・ハン一族の内紛に乗じて青海地方に侵攻(いわゆる「(ロブサンダンジンの乱)」)、グシ・ハンの子孫たちを屈服させ、一族がチベット各地に保有していた権限、権益をすべて接収、青海モンゴル族は(盟旗制)により再編、チベット人諸侯たちには各級の「土司職の称号を与え、所領を安堵する」という支配体制を築いた。清末以来、ムスリム(イスラム教徒)の馬氏政権の支配下に置かれ、1928年、河西回廊の南部と会わせて「青海省」が設置されたのちも、遊牧地域では、従前とさほど変化のない社会構造が継続した。1950年代半ば、(中国人民政府)による(民主改革)が行われたのを契機に大規模な抗中蜂起が勃発、チベット動乱の引き金となった。1958年以降、原爆、水爆の開発が同省内でおこなわれている。2010年4月13日には青海地震が起こっている。
地理
青蔵高原東北部に位置し、黄河、長江、メコン河の水源地帯となっている。省東北部に中国最大の内陸塩湖・青海湖がある。西北部には乾燥したツァイダム盆地が広がる。大陸性高原気候で一日の温度差が激しく、降水量は少ない。北部から東部にかけて甘粛省、南東部は四川省、南部から西部にかけてチベット自治区、西北部は新疆ウイグル自治区と接する。
行政区画
1724年、雍正のチベット分割の際に清朝がグシ・ハン一族より接収したチベット東部の最北部に「青海」地方が設けられた。その領域は(西寧弁事大臣)管轄下の(青海蒙古)四十旗と、チベット系、モンゴル系の諸侯40家からなる(青海四十族)の所領を合わせた範囲で、(青海蒙古)四十旗は(盟旗制)、(青海四十族)は土司制によって管理された。
世襲の領主に所領を安堵する(盟旗制)、土司制度は、辛亥革命によって成立した中華民国、また1928年にこの地に省制度を敷いた南京国民政府の下でも引き続き維持され、廃止されたのは中華人民共和国政府によってである。
人民政府による行政区画は2014年現在、6自治州、2地級市を管轄している。詳細は下部データボックスを参照。
№ | 名称 | 中国語表記 | 拼音 | 面積 (K㎡) | 人口 (2010年) | 政府所在地 |
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青海省の行政区画 | ||||||
— 地級市 — | ||||||
1 | 西寧市 | 西宁市 | Xīníng Shì | 7424.11 | 2,208,708 | 城中区 |
2 | 海東市 | 海东市 | Hǎidōng Shì | 13043.99 | 1,396,846 | 楽都区 |
— 自治州 — | ||||||
3 | 海西モンゴル族チベット族自治州 | 海西蒙古族藏族自治州 | Hǎixī Měnggǔzú Zàngzú Zìzhìzhōu | 300854.48 | 489,338 | デリンハ市 |
4 | 海北チベット族自治州 | 海北藏族自治州 | Hǎiběi Zàngzú Zìzhìzhōu | 33349.99 | 273,304 | 海晏県 |
5 | 海南チベット族自治州 | 海南藏族自治州 | Hǎinán Zàngzú Zìzhìzhōu | 43377.11 | 441,689 | 共和県 |
6 | 黄南チベット族自治州 | 黄南藏族自治州 | Huángnán Zàngzú Zìzhìzhōu | 17908.89 | 256,716 | 同仁市 |
7 | 玉樹チベット族自治州 | 玉树藏族自治州 | Yùshù Zàngzú Zìzhìzhōu | 197953.70 | 378,439 | 玉樹市 |
8 | ゴロク・チベット族自治州 | 果洛藏族自治州 | Guǒluò Zàngzú Zìzhìzhōu | 76442.38 | 181,682 | 瑪沁県 |
民族とその分布
民族分布の特徴としては、農耕の適地や各種工業の盛んな東北部の一部地区において顕著な多様性が見られる一方、人口の希薄な、残る大部分の地域においては遊牧を生業とするチベット人とモンゴル人の天地である。その為、青海は中国の5大牧畜地区のひとつに数えられている。
西寧市と付属の諸県、海東市にかけての東北部は、古来より諸民族が居住・往来し、興亡した河西回廊の一部分で、漢族、回族を始めとする様々な民族が分布している。省面積の7割近くを占める、省の中央部、北部、西部、南部は、かつての「(青海蒙古)三十旗」の遊牧地、あるいは(青海四十族)の居住地域で、これらの地域の大部分では住民のほとんどが(青海蒙古)三十旗や(青海四十族)の末裔である。ただし中華人民共和国成立後、中央部に鉱山都市ゴルムド(ガルムー、格爾木)が開かれたことで、民族の分布比は大きく変化しつつある。
遊牧地域に居住する民族は主として以下の2種類である。
- チベット族 - 吐谷渾や吐蕃時代に派遣されてきた駐屯軍の末裔。モンゴル人の末裔の一部とともにチベット族として「(民族識別)」され、人口106.4万人で全省人口の20.9%を占める。主として玉樹、果洛、海南、黄南、海北の藏族自治州及び海西蒙古族藏族自治州に分布し、西寧市や、同市所轄の大通県、海東地区などにも住居する。チベット語のアムド方言を話す。タングートとも呼ばれる。
- モンゴル族 - 青海省内でモンゴル族として「(民族識別)」されたのは、大部分が17世紀にグシ・ハンに率いられてこの地に移住してきた(青海蒙古)の末裔である。人口は8.5万人。その他(青海四十族)とまとめ称され、現在チベット族として識別されている部族の一部には、モンゴル帝国期、もしくはダヤン・ハーンの時期にこの地に移住してきたモンゴル系集団が含まれている。
この省の東北部に居住する諸民族のうち、主なものは以下の通り。
教育
- (青海大学)
- (青海師範大学)
- 青海民族大学
経済
2004年の全省生産総額は対前年比17.2%増の455億人民元であった。もともと毛沢東時代に対ソ連戦争に備えて、軍事工業が内陸の青海に配置されていたが、2000年以来、国務院の西部大開発計画によって工業化が進展している。しかし、少数民族の農牧民の収入は依然として低い水準にある。2006年7月1日、ゴルムドとラサを結ぶ青蔵鉄道が開通した。
歴代指導者 2000年以降
歴代省委書記
- 白恩培(1999年6月-2001年10月)
- 蘇栄(zh)(2001年10月-2003年8月)
- 趙楽際(2003年8月-2007年3月)
- 強衛(zh)(2007年3月-2013年3月)
- 駱恵寧(zh)(2013年3月-2016年6月)
- 王国生(zh)(2016年6月-2018年3月)
- 王建軍(2018年3月-)
歴代省長
脚注
関連項目
外部リンク
- 省政府公式サイト(中国語)
- 新華社青海関連サイト(中国語)