概要
岬町深日(ふけ)地区にある金乘寺は浄土真宗本願寺派(西本願寺)の寺院である。かつては本願寺(西本願寺)の兼帯所(掛所ともいう、本願寺住職が住職を兼任する寺院)であり、深日御坊と呼ばれていた。なお、寺号については金乗寺と記されている場合もあるが、正式には金乘寺と表記する[1]。
1486年(文明18年)に本願寺第8世蓮如が布教のため紀州に向かう途上、この寺に泊まり鶴龍山金乘寺という山号と寺号を授けたという[2]。
石山合戦の際、本願寺第10世顕如は門徒に消息を下し兵糧米を求めた。そのため金乘寺第7世浄真が中心となって兵糧米を集め、大坂の石山本願寺へ運び、織田信長に抗戦する本願寺を支援することに尽力した。また1486年(天正8年)石山合戦が終結し、本願寺が鷺森(さぎのもり、現和歌山市)へ移転するに際し、当寺門徒衆は深日北方の海岸まで顕如一行を出迎え、一行が当寺に五昼夜滞留する間その警護に当たった。1582年(天正10年)、信長軍余勢が紀州へ向かう時、金乘寺了性ら門徒は深日の東にある(灰賦(はいぶ)峠)でそれを阻止したと伝える[2]。
境内には大きなイチョウの木がある。本堂の前に立つ雌株で、大阪府の天然記念物に指定されている[3]。
2018年(平成30年)9月、関西を襲った台風21号により、金乘寺を含む深日の町では瓦の破損など強風の被害や、木が枯れるなどの塩害があった。
関連項目
脚注
アクセス
外部リンク
- 岬町観光協会
- 浄土真宗本願寺派大阪教区(北御堂)