酢酸イソブチル(さくさんイソブチル、isobutyl acetate)は、酢酸とイソブチルアルコールが脱水縮合した構造を持つエステルで、バナナの香気の主成分である。
引火性が高く、空気と混合すると爆発の危険がある。α位がフェニル基で置き換わった(フェニル酢酸イソブチル)はバラの香りの香料として、食品衛生法で食品添加物に指定されている。
酢酸ブチル、酢酸 sec-ブチル、酢酸 tert-ブチルと同様に溶媒としても用いられる。
安全性
引火性があり、日本の消防法では危険物第4類・第2石油類に分類される[1]。強酸や強塩基、強酸化剤との接触により火災・爆発のおそれがある[2]。動物実験での半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与で15g/kg、ウサギへの経皮投与で20 mL/kg以上[3]。眼や皮膚に対する軽度の刺激性があり、吸入により中枢神経に影響が生じることがある[2]。