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車輪の再発明

車輪の再発明(しゃりんのさいはつめい、: reinventing the wheel)とは、「広く受け入れられ確立されている技術や解決法を(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ること」を指すための慣用句。誰でも直観的にその意味が分かるように、車輪という誰でも知っていて古くから広く使われている既存の技術を比喩の題材として使った慣用表現で、世界中で使われている。

概要

Cambridgeの辞書では「誰かがすでに生み出した何かを自分で生み出そうとして時間を無駄にすること」といった解説を掲載している[1]

McGraw-Hill Dictionary of American Idioms and Phrasal Verbsでは「不要あるいは冗長な準備を行うこと」という解説を掲載している[2]

一般的には、古くからタダで皆に使われている技術や技法があるのなら、それをそっくりそのまま模倣して使えば、ほとんど時間もかからず労力もほとんど使わずに済む。それなのに、わざわざまた自分でゼロからアイディアを練る段階から始めていては、時間・労力・コストなどの無駄なので、「車輪の再発明」は基本的には、時間の無駄、愚かなこと、ばかばかしいこと、というニュアンスで用いられている。

特にIT業界、なかでもSEプログラマの間で好んで用いられている表現、概念である。

IT業界

プログラミング、コーディングの世界では過去に書かれた膨大な量のコードライブラリとして蓄積され、多くが公開されている。

ところがそうしたライブラリを使わずに、数倍から数十倍の時間をかけて、ほぼ同等の機能しか持たないコードをわざわざ書いてしまう、ということがIT業界の実務ではしばしば起きる。

車輪の再発明が意味を持つ場合

なおITの分野では、「再発明」がいつでも「時間の無駄」とは限らず、既存のコードがあっても それを使わないほうがむしろ適切、という場合もある。

ライセンスの都合により似たようなものがあっても実際の開発現場ではそれが事実上利用できないことがあるほか、機能的には似ていても設計思想の違いからシステムの発注者がその仕様を好まないため新規開発せざるを得なくなる場合もある。

なお、教育の現場では、ある技術の意味を深く理解させるために、意図的に「車輪の再発明」を行わせる場合がある。またプログラマもしばしばその技術を深く理解して自身の技術を向上させるために敢えて「車輪の再発明」をすることもある。

オーストラリア・イノベーション特許2001100012号

オーストラリアでは2001年にジョン・マイケル・キーオ[3]によって車輪が再発明され、特許が取得された[4]。ただし、取得した特許は通常の特許ではなく、オーストラリアで2001年に導入されたイノベーション特許[5]である。

これはまじめな発明としてではなく、イノベーション特許制度がほぼ無審査であることへの批判を目的として、故意に申請されたものであった。オーストラリアにももちろん審査を経た上で権利が認められる通常の特許制度があり、この発明も同制度のもとでは到底特許として認められるものではない。しかし、イノベーション特許制度は、実体審査を経ないで特許が与えられるため、この発明に特許が与えられることになったのである[6]

実際には、イノベーション特許には、侵害訴訟を起こす際に事前に特許庁の審査を受ける必要があるなど、実際に権利行使を行うにあたっての制約がある[6]。この車輪の発明にしても、実際に権利を行使しようとすれば、特許庁での審査で特許性がないと判断されるであろう。また、イノベーション特許には、通常の特許と比較して短い権利期間しか認められていない。

このように通常の特許とイノベーション特許とには大きな相違があるが、一般には両者の相違が知られていなかったため、このイノベーション特許は「車輪の再発明」として話題になった。

なお、キーオとオーストラリア特許庁は、その年のイグノーベル技術賞を受賞した。

関連語句

自前主義
Not invented here
自社あるいは自国内で発明されたものでなければ採用しないというもので、大企業や大国にありがちな問題としてよく指摘される。頭文字をとって「NIHシンドローム」(NIH症候群)と呼ばれる。
四角い車輪の再発明
reinventing the square wheel
「車輪の再発明」をしたうえに、既存のものよりも役に立たないもの(四角い車輪)を作ってしまうこと。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ [1], 「to waste time trying to create something that someone else has already created.」
  2. ^ [2]
  3. ^ : John Michael Keogh
  4. ^ The Australian Innovation Patent (background to the “wheel” patent) (PDF)
  5. ^ : innovation patent
  6. ^ a b IP Australia : Patents > What is a patent? > The Innovation Patent

外部リンク

  • 情報メディアセンター年報、平成19(2007)年度版 Vol.10 (PDF) []PDF、5/32ページ、札幌大学

関連項目

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