概要
式内小社で、旧社格は県社。祭神は大山津見命、配神は石長比賣命・木之花佐久夜比賣命で、また一説に葦那陀迦神とする。神階は正四位上。別名「帆下げの宮」。江戸時代後期までは「葦高神社」と表記されていた。
倉敷市中心部の南部に位置する標高67メートルの足高山山上に鎮座する。現在は陸続きとなっているが、かつては「小竹島」または「笹島」と呼ばれる瀬戸内海のうち児島(今の児島半島)に切り離されたいわゆる吉備の穴海に浮かぶ島であった。他にも戸島、藤戸島、吉備の小島、奥津島などとも呼ばれていたという。
足高山は桃山時代から江戸時代前期の間に干拓され陸続きとなった。
江戸時代を通じ岡山藩の支藩である(鴨方藩)の祈願所となり藩主が替わるたびに参拝した。
由緒
帆下げの宮
「小竹島」または「笹島」と呼ばれていた島であった頃、島の周囲は潮流が激しく渦が巻いていたといわれている。ここを通る船はすべて帆を下げ、足高の神に航海の安全を祈願したことから「帆下げの宮」と呼ばれるようになった。
なお、現在の鎮座地の地名である「笹沖」は、”笹島の沖”であったことに由来する。
参考文献
- 薬師寺慎一/著 『祭祀から見た古代吉備』 吉備人出版/刊 1999年
- 現地説明板