読者への挑戦(英語Challenge your readers)とは、推理小説の技法である[1][2]。「読者の挑戦状」とも言う。探偵や刑事役などが犯人を特定する前に物語を止め、読者に対して誰が犯人であるかを問うことである。J・J・コニントンが1926年に『或る豪邸主の死』で用いたのが最初の用例で、その後エラリー・クイーンが『ローマ帽子の謎』をはじめとする「国名シリーズ」で用いることで広く知られるようになった。日本では有栖川有栖が『月光ゲーム Yの悲劇'88』をはじめとする「学生アリスシリーズ」の全長編作品で用いている。
ルール
明確なルールがあるわけではないが、読者が推理できる事、推理できる材料が示されている事などが挙げられる。[要出典]
主な読者への挑戦がある作品
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海外小説
- 1926年 『(或る豪邸主の死)』((J・J・コニントン))
- 1929年 『ローマ帽子の謎』(エラリー・クイーン)
- 1930年 『フランス白粉の謎』(エラリー・クイーン)
- 1931年 『オランダ靴の謎』(エラリー・クイーン)
- 1932年 『ギリシア棺の謎』(エラリー・クイーン)
- 1932年 『エジプト十字架の謎』(エラリー・クイーン)
- 1933年 『アメリカ銃の謎』(エラリー・クイーン)
- 1934年 『チャイナ橙の謎』(エラリー・クイーン)
- 1935年 『スペイン岬の謎』(エラリー・クイーン)
- 1936年 『中途の家』(エラリー・クイーン) - クイーンの作品中、読者への挑戦が挿入された最後の長編(1933年の『シャム双生児の謎』には挿入されていない)。
- 1937年 『(警官の騎士道)』((ルーパート・ペニー))
- 1938年 『(警官の挑戦)』(ルーパート・ペニー)
- 1938年 『(服用禁止)』(アントニイ・バークリー)
国内小説
- 1936年 『人生の阿呆』(木々高太郎)
- 1946年 『蝶々殺人事件』(横溝正史)
- 1947年 - 1948年 『不連続殺人事件』(坂口安吾) - 連載時は懸賞金つき。角川文庫版など、挑戦が収録されていない版もある。
- 1949年 - 1950年 『呪縛の家』(高木彬光)
- 1955年 『人形はなぜ殺される』(高木彬光)
- 1957年 - 1958年 『樹のごときもの歩く』(坂口安吾・高木彬光) - 坂口安吾の未完の長編『復員殺人事件』(1949年 - 1950年)を高木彬光が補筆したもの。連載時は懸賞金つき。挑戦が収録されていない版もある。
- 1981年 『占星術殺人事件』(島田荘司)
- 1989年 『月光ゲーム Yの悲劇'88』(有栖川有栖)
- 1989年 『孤島パズル』(有栖川有栖)
- 1992年 『双頭の悪魔』(有栖川有栖)
- 1995年『鳴風荘事件 殺人方程式II』(綾辻行人)
- 1996年『星降り山荘の殺人』(倉知淳)
- 2007年 『女王国の城』(有栖川有栖)
- 2021年『硝子の塔の殺人』(知念実希人)
漫画
脚注
- ^ デジタル大辞泉. “読者への挑戦とは”. コトバンク. 2021年3月7日閲覧。
- ^ “読者への挑戦(どくしゃへのちょうせん)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2021年3月7日閲覧。