『虚飾で彩られたカラス』(きょしょくでいろどられたカラス)は、イソップ寓話のひとつ。場合によっては『鳥の王さまえらび』や『おしゃれなからす』、『王様になりたかったカラス』という別題で記載されている。
あらすじ
ある時ゼウスは、最も美しい鳥を王様に決めることにした。
ゼウスは、鳥たちに集まる日時を決め、その中で一番美しい者を王様にするというお触れを出した。
鴉は自分の姿は黒く醜いと思い込んでいたので、美しく装うために、野や森を見てまわり、他の鳥たちが落とした羽を拾い集め、身体中に貼りつけた。そして約束の日、鳥たちはゼウスの前に集まった。そして、色とりどりの羽で着飾った鴉も姿を見せた。
ゼウスは、彼の羽が最も美しかったので、彼を王様にしようとした。
すると他の鳥たちは、憤然と異議を申し立て、それぞれ見覚えのある自分の羽を鴉から引き抜いた。結局、彼に残されたのは、自分自身の黒い羽だけだった。
カラスが自身の黒い姿を受け容れ、その黒い羽に磨きをかけていれば、結果は違っていたかもしれない、と締めくくる場合もある。
教訓
- どんなに着飾ったり見た目を良くしても、上辺だけの嘘や偽りはなんの意味もない。
- 己を受け容れ、己で努力することが大切。
- 他人の力でのし上がろうと企めば、初めは良くても、後には必ず暴かれる。
- 身近に自分の良さや魅力を認めてくれる存在がいれば、卑下せずに自信を持って本来の力を発揮できていたかもしれない。
関連項目
- アイソーポス(イソップ)