理化学研究所脳科学総合研究センター(りかがくけんきゅうしょのうかがくそうごうけんきゅうセンター、RIKEN Brain Science Institute)は、埼玉県和光市の研究所。
脳科学研究において先導的役割を果たすことを目的として、理化学研究所の一つのセンターとして1997年に創設された。略称、脳センター、またはBSI。センター長は(合田裕紀子)。
概要
東京大学医学部教授であった伊藤正男が1989年に東大退官後、理化学研究所に(国際フロンティア研究システム)に第2代所長として着任、理研における初めての脳研究を開始した。それを母体とし、1997年に脳科学総合研究センターを設立した。伊藤はその初代センター長となった。第2代センター長甘利俊一、センター長代行(田中啓治)を経て、2009年より利根川進がセンター長、田中啓治、岡本仁、宮脇敦史、(大河内眞)が副センター長として務めている。
学際的な融合を目指しており、分子、細胞から心理学、(計算機神経科学)に至る幅広い研究者を集めている。約50の研究室に500人の研究者が所属している。国際化にも務めており、研究者の約2割が日本人以外である。
2018年4月に廃止された[1]。
主な研究者と研究室
4つのコアと5つのセンターからなる。シニア・チームリーダー、チームリーダー、ユニットリーダーがPIとして研究室をもつ[2][3]。
心と知性への挑戦コア
- 田中啓治 コア長
- (谷藤学)
- (山口陽子)
- (谷淳)
- (Cees van Leeuwen)
- (入來篤史)
- (馬塚れい子)
- 岡ノ谷一夫
- (中原裕之)
- (藤井直敬)
- (黒田公美)
- (Justin L. Gardner)
回路機能メカニズムコア
- 岡本仁 コア長
- (Thomas Knöpfel)
- (吉原良浩)
- (Neal A. Hessler)
- (永雄総一)
- (深井朋樹)
- (津本忠治)
- (Thomas John McHugh)
- 林康紀
- (村山正宜)
- (風間北斗)
- (細谷俊彦)
- (下郡智美)
- (平瀬肇)
- (Alexey Semyanov)
- (橋本光広)
- (Thomas Launey)
疾患メカニズムコア
- 加藤忠史 コア長
- 御子柴克彦
- 貫名信行
- 高島明彦
- (山川和弘)
- (西道隆臣)
- (古市貞一)
- 吉川武男
- (上口裕之)
- (有賀純)
- (山中宏二)
- 平林義雄
- (Adrian W. Moore)
- (田中元雅)
先端基盤技術開発コア
- 宮脇敦史 コア長
- 甘利 俊一
- (Andrzej CICHOCKI)
- (糸原重美)
- (臼井支朗)
- (武藤悦子)
- (Sonja Gruen)
- (Markus Diesmann)
研究基盤センター
動物実験、物質分析、MRI、形態解析等のサポートを行う。
- (板倉智敏) センター長
- (高橋英機) 動物実験施設
- (俣賀宣子) 生体物質分析に関する支援
- (程康) 機能的MRIに関する支援
- (端川勉) 電子顕微鏡観察に関する支援
理研BSI-オリンパス連携センター
光学機器メーカーであるオリンパスの支援により運用されている、共同実験施設。
- 宮脇敦史 センター長(兼任)
理研BSI-トヨタ連携センター
自動車メーカーであるトヨタとの連携により、脳科学の人間生活への応用を試みることを目的としている。和光キャンパスの他、理研の名古屋支所に一部の研究室が置かれている。理化学研究所の研究員の他、トヨタからの出向社員も所属する。
- 木村英紀 センター長
- 山口陽子(兼任)
- (加藤英之)
- (Andrzej Cichocki)
- (下田真吾)
- 藤井直敬(兼任)
神経情報基盤センター
ニューロインフォマティックスに関する研究と支援を行う。
- 臼井支朗(兼任) センター長
情報センター
- 臼井支朗(兼任)センター長
サマープログラム
毎年夏期に開かれている若手研究者(大学院生、ポストドクトラルフェローなど)のためのコース。2ヶ月にわたり特定の研究室に所属して研究を行うインターンシップと2週間の日程の集中講義コースがある。書類選考が有る。使用言語は英語[4]。
チュートリアルシリーズ
週1回開かれている講義シリーズ。対象は大学院生からポスドクレベル。使用言語は英語[5]。
トレーニングプログラム
チュートリアルシリーズを置き換えるべく2010年から開始された大学院生対象のコース。使用言語は英語。書類と面接による選考が有り、少人数(20人程)のコースである[6]。
セミナー
夏期を除き毎月一度開かれている国内外の研究者によるBSI主催のセミナーシリーズ、また、それとは別に研究室単位で主催するフォーラムがある。いずれも使用言語は英語。参加自由。告知は脳科学総合研究センターのホームページ(外部リンク参照)にてなされる[7][8]。
アクセス
東武東上線、東京メトロ有楽町線、副都心線、和光市駅が最寄り駅である。そこから南へ徒歩15分、または西武バス(泉39)、泉39-1大泉学園駅行き、和40、和40-1(長久保)行き、約10分、広沢下車。
脚注
関連項目
外部リンク
- 理化学研究所脳科学総合研究センター、ホームページ
座標: 北緯35度46分44.4秒 東経139度36分46.5秒 / 北緯35.779000度 東経139.612917度