特徴
石鎚黒茶は西日本の最高峰石鎚山の北西の山深い地、愛媛県西条市小松町石鎚中村で古くから作られていた後発酵茶である[2]。しかし生産する農家が1軒だけになってしまい、それを地元の生活研究グループが伝承したものが天狗黒茶として生産・販売されている。
工程
- 茶摘み
- 蒸し
- カビ付け
- 揉み
- 漬け込み
- 乾燥[3]
消費者
石鎚黒茶は生産地周辺ではほとんど飲まれず、瀬戸内の船主たちに一括購入され、飲用に、茶粥用に、また漁網などの茶渋染めなどに用いられた。また塩分が混じりがちな瀬戸内地方の井戸水と黒茶は相性が良かった。しかし昭和30年代ごろから化学染料や水道が普及していくと黒茶の需要は減少した。
無形の民俗文化財
2018年(平成30年)3月8日、石鎚黒茶が高知県の碁石茶や徳島県の阿波晩茶と共に、「四国山地の発酵茶の製造技術」として、記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択される[4]。
その選択に応じて、西条市教育委員会は、後世に伝えるべき貴重な民俗文化財として石鎚黒茶の保護や調査等を行うため、「石鎚黒茶製造技術調査委員会」を設置した[5][6]。
国の文化審議会は、2023年(令和5年)1月20日に重要無形民俗文化財に指定するよう永岡桂子文部科学大臣に答申した。県内では宇和島市・北宇和郡中心の「(伊予神楽)」以来42年ぶりで2例目となる[7]。
2023年(令和5年)3月22日、「石鎚黒茶の製造技術」として、国の重要無形民俗文化財に指定された[8]。
脚注
- ^ 宮川金二郎、難波敦子『漬物茶考』さんえい出版 (ISBN 4-915592-75-8)
- ^ 日本茶の図鑑 全国の日本茶119種と日本茶を楽しむための基礎知識 日本茶業中央会監修 2014.6 (ISBN 978-4-8399-4813-9)
- ^ 喫茶の文明史 守屋毅 淡交社 1992.2 (ISBN 4-473-01236-0) p.120
- ^ “四国山地の発酵茶の製造技術”. 国指定文化財等データベース. 2020年8月14日閲覧。
- ^ “石鎚黒茶製造技術調査委員会設置要綱”. 西条市ホームページ. 2020年8月14日閲覧。
- ^ “プレスリリース:石鎚黒茶第1回調査委員会を開催します”. 西条市ホームページ (2019年5月29日). 2020年8月14日閲覧。
- ^ 愛媛新聞オンライン(2023年1月20日)
- ^ 令和5年3月22日文部科学省告示第26号
外部リンク
- 石鎚黒茶 - 西条市ホームページ
- 「まぼろし」の発酵茶 愛媛県西条市の天狗黒茶