皆川 ゆか/皆河 有伽(みなかわ ゆか、1965年 - )は、小説家、漫画原作者、脚本家、評論家、3DCG映像クリエイター、元大学教員。
1987年、講談社X文庫ティーンズハートより『ぱらどっくすティー・パーティー』で小説家デビュー。
初期はオリジナルの小説を中心に執筆していたが、1995年頃よりアニメ・ゲーム作品のノベライズへと発表の場を広げ、2001年には『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』を編纂し注目を集める。
以降、小説執筆に加え、アニメ関連の書籍・雑誌への評論やコラムの寄稿、大学での講義、『宇宙戦艦ヤマト』リメイクシリーズではアニメ製作にも関与するなど、文筆にとどまらない活動を行っている。
オリジナルの小説作品に『ティー・パーティー』シリーズ、『運命のタロット』シリーズなど。 ノベライズに『機動戦士ガンダム』シリーズ、『宇宙戦艦ヤマト2202』などがある。
名義の変遷
1987年のデビューから「皆川ゆか」名義を用いたが、2009年頃、公式サイトにおいて「皆河有伽」への改名を宣言。
同年刊行の『小説 手塚学校』から数年間は「皆河有伽」名義で執筆活動を行ったが、2015年刊行の『キーマスター 翠玉のチェストブレイカー』以降は名義を「皆川ゆか」に戻している。
2013年度から2020年度まで非常勤講師として教鞭をとった相模女子大学では、一貫して「皆河有伽」の名義を用いた。
『機動戦士ガンダム』シリーズへの関与
1996年、主に執筆の場を得ていた講談社より『新機動戦記ガンダムW外伝 右手に鎌を左手に君を』を、続いて1997年には『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』ノベライズを刊行。
2001年、『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』を編纂し注目を集める。
後、2006年には『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』を上梓、また同年連載開始した高山瑞穂による漫画『機動戦士ガンダムALIVE』ではシナリオを担当した。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズではフィルムコミックの編集に関与。Blu-ray BOXのブックレットにはコラムを寄稿している。
また、『Goods Press』など雑誌の特集にはたびたび記事を寄せている。
自身、第一シリーズ放送当時からの熱心なファンであることは折々に語られる。 「アニメ新世紀宣言」を観覧した経験は短編小説として『ガンダムUC証言集』(2014年、KADOKAWA)に寄稿されている。
『宇宙戦艦ヤマト』リメイクシリーズへの関与
第2作『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』ノベライズを担当。 劇場版総集編『宇宙戦艦ヤマトという時代・西暦2202の選択』では脚本を担当、およびブルーレイ特典小説『私の心がこのようにあることは』を寄稿。
第3作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』には設定考証として参加した。
『ガンダム』と並び、十代で触れた旧シリーズの強い印象は折々に語られる。 『ガンダム』に先行して放映された本作は、「お兄さん・お姉さんのもの」という感覚であり、劇場版は従兄に連れられて鑑賞したという [1][2][3]。
『2202』小説の刊行は4巻を最後に中断している(2022年現在)が、アニメ関連の作業が優先されているためであり、続刊予定である[4]。
主な著書
※特に記載がないものは皆川ゆか名義。
小説
- 「ティー・パーティー」(講談社X文庫ティーンズハート) - 『神無月恭一郎の冒険』シリーズの展開も本シリーズに反映しているためそれも含め刊行順に記載する。
- 「ぱらどっくすティー・パーティー」
- 「すくらんぶるティー・パーティー」
- 「ティー・パーティー古都を行く」
- 「今夜は夢にてティー・パーティー」
- 1.「神無月恭一郎の冒険 ソロモン・エクスプレス」
- 「めるへん気分でティー・パーティー〈前編・後編〉」
- 2.「シェイクスピア・エクスプレス 神無月恭一郎の冒険」
- 「いんたぁみっしょんティー・パーティー」
- 「ティー・パーティー星の王女様〈前編・後編〉」
- 「ティー・パーティー愛のキューピット」
- 「ティー・パーティーえくすぷれす」
- 「ティー・パーティー宇宙(そら)へ飛ぶ〈前編・後編〉」
- 「はるまげどんティー・パーティー」
- 「ふぁいなるすてっぷティー・パーティー」
- 「ティー・パーティー我らこの世界を愛す〈前編(接触編)・中編(邂逅編)・後編(回転編)〉」
- 「運命のタロット」(講談社X文庫ティーンズハート)- 第三部は2017年より同人誌として開始している。
- 「《魔法使い》にお願い?」
- 「《恋人たち》は眠らない」
- 「《運命の輪》よ、まわれ!」
- 「《愚者》は風とともに」
- 「《月》が私を惑わせる」
- 「《節制》こそが身を守る」
- 「《死神》の十字路」
- 「《戦車》が兄とやってくる」
- 「《太陽》は人々を照らす」
- 「《皇帝》はうなずかない」
- 「《神の家》は涙する」
- 「《女帝》1995」
- 「《女教皇》は未来を示す」
- 「《教皇》がiを説く」
- 「《正義》は我にあり」
- 「《力》よ、と叫ぶ者」
- 「《審判》はレクイエムを歌う」
- 「《悪魔》でも恋に生きる」
- 「《星》はなんでも知っている」
- 「《隠者》は影に」
- 「《吊るされた男》、そして…〈上・下〉」
- 「《世界》。〈上・下〉」
- 「神とともにあれ」
- 「獅子、虎に逢う」
- 「天の涙、地の慟哭」
- 「僕は君のためにいる」全4巻 (桜桃書房Eclipse novel)
- 「太陽系アイドル伝説―ALICE‐SOS」上下巻(ソノラマ文庫) - 『ティー・パーティー』シリーズのスピンオフ小説である。
- 「小説手塚学校」(講談社)(皆河有伽名義)
- 「日本動画興亡史 〜テレビアニメ誕生〜」
- 「日本動画興亡史 〜ソロバン片手の理想家〜」
- 「キーマスター 翠玉のチェストブレイカー」(ポニーキャニオン)((川瀬弓鶴)との共著)
アンソロジー
ノベライズ
- 「ストリートファイターII キャミィヒストリー 雨の日に拾った子猫」全2巻 原作:CAPCOM(ワニブックスWani heroes) 1995年
- 「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」原作:矢立肇(講談社マガジン・ノベルス・スペシャル / 講談社文庫)
- 「げんしけん 非公式外伝ストーリー」原作:木尾士目(講談社KCDX) - 「げんしけんOFFICIALBOOK」収録
- 「新機動戦記ガンダムW外伝 右手に鎌を左手に君を」原作:矢立肇(講談社文庫)
- 「小説エア・ギア Air gear another tric mes」原作:大暮維人(講談社KCノベルス)
- 「小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」原作:西崎義展、ストーリー:福井晴敏(KADOKAWA)
- 「小説 私の心がこのようにあることは」原作:西崎義展、宇宙戦艦ヤマト(宇宙戦艦ヤマトという時代・西暦2202の選択 初回限定生産ブルーレイ版の特典)
原作・シナリオ
- 漫画『機動戦士ガンダムALIVE』全5巻 漫画:高山瑞穂、原著者:矢立肇、富野由悠季(講談社コミックボンボンデラックス)
- 映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』[5]
辞典・評伝等
- 「機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS」監修:サンライズ (講談社)
- 「GUNDAM Q101―『機動戦士ガンダム公式百科事典』完全対応副読本!」共著者:サンライズ、編集:地球連邦総合大学リーア分校『GUNDAM OFFICIALS』研究室 (講談社)
- 「評伝シャア・アズナブル〈上・下〉《赤い彗星》の軌跡」監修:サンライズ (講談社KCピース 2006/12/7 / 講談社文庫全1巻 2012/4/13)
- 「総解説 ガンダム事典 ガンダムワールドU.C.編」監修:サンライズ(講談社KCDX)
- 「総解説ガンダム事典Ver.1.5」(皆河有伽名義) - 上記の増補改訂版
外部リンク
- YUKA MINAKAWA OFFICIAL(皆河有伽・皆川ゆかの公式サイト)
- ゆかにゃん@minakawayuka - twitter
脚注
- ^ “「NHKスペシャル」を目指した「『宇宙戦艦ヤマト』という時代」 監修が明かす制作秘話 _ ENCOUNT”. 2022年3月24日閲覧。
- ^ “福井晴敏(構成・監修・脚本)×皆川ゆか(脚本)-『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』- これから先に作るシリーズをスグに観れる昇降階段のようなものを作りたい (2021年6月8日) - エキサイトニュース”. 2022年3月24日閲覧。
- ^ “世紀を越え、希望の光を灯し続けた伝説の艦――その全記録。『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』Blu-ray & DVD 2021年8月27日発売!デジタルセル好評配信中!”. 「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択. 2021年7月18日閲覧。
- ^ “ツイッター2021年9月14日投稿”. 2022年3月24日閲覧。
- ^ “宇宙戦艦ヤマト2202NEWS”. 2020年3月7日閲覧。