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ヒョウタン

ヒョウタン瓢箪学名Lagenaria siceraria var. gourda)は、ウリ科の植物。漢語では(ひょう、とも表記)、瓢瓠(ひょうこ)、胡盧(ころ、葫盧壺盧とも表記)ともいい、和語ではひさごふくべという[1]。 この植物の果実を加工して作られる「ひょうたん」は、「瓢」の「箪(容器)」という意味である。

ヒョウタン
ヒョウタンの茎と果実(2001年7月)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: ウリ目 Cucurbitales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: (ユウガオ属) Lagenaria
: L. siceraria
変種 : ヒョウタン L. siceraria var. gourda
学名
Lagenaria siceraria var. gourda
和名
ヒョウタン
英名
Gourd
ヒョウタンの種

概説

最古の栽培植物の一つで、原産地のアフリカから食用や加工材料として世界各地に広まったと考えられている。乾燥した種子は耐久性が強く、海水にさらされた場合なども高い発芽率を示す。

狭義には上下が丸く真ん中がくびれた形の品種を呼ぶが、球状から楕円形、棒状や下端の膨らんだ形など品種によって様々な実の形がある。

ヒョウタンは、苦味成分であり嘔吐下痢等の食中毒症状を起こすククルビタシン[2]を含有し、果肉の摂取は食中毒の原因となる[3][4][5][6]。「#毒性」でも後述。

種類

ヒョウタンには大小様々な品種があり、長さが5センチメートルくらいの極小千成から、2メートルを越える大長、また胴回りが1メートルを超えるジャンボひょうたんなどがある。

ヒョウタンと同一種のユウガオは、ククルビタシンの少ない品種を選別した変種で、食用となる干瓢の原料として利用される。また、ヒョウタン型をした品種の中にも、ククルビタシンの少ない食用品種が存在する。

歴史

 
成形図説』より

日本では、縄文時代草創期から前期にかけての遺跡である鳥浜貝塚から種子が出土している。文献史学上では『日本書紀』(720年成立)の中で瓢(ひさご)として初めて公式文書に登場する。その記述によると仁徳天皇11年(323年)、茨田堤を築く際、水神へ人身御供として捧げられそうになった茨田連衫子という男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。

古代のヒョウタンは現在のような括れた形態ではなく通常の植物の実のような筒のような形をしていたことが分かっており、突然変異で今日知られているような特徴的な形が発現し、それが人伝に栽培されて世界中に広まった、とされる[要出典]

利用

主に容器へ加工されて利用されるほか、強壮な草勢からスイカカボチャ台木としても利用される。

容器

果肉部分を除去し、乾燥させたものが容器として水筒の貯蔵に利用されていた(多孔質であるために内容液が少しずつしみ出し、気化熱が奪われるため中身が気温より低く保たれる)。

軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国で様々な用途に用いられてきた。日本では上記のように水や酒を持ち運べる容器としてのほか、縦に二つに割って水などを汲んだり掬ったりする用途にも使われた。ヒョウタン(瓢箪)を指す瓢(ひさご)の読みを柄杓に当てて「ひしゃく」と呼んだとの説もある。朝鮮半島ではヒョウタンを二つ割りにして作った柄杓や食器を「パガジ」と呼び、庶民の間で広く用いられてきた。韓国ではプラスチック製パガジが現代でも売られている[7]。また、インディアンタバコパイプに、南米アルゼンチンウルグアイブラジルではマテ茶の茶器に、またニューギニア島などでは先住民によってペニスケースとして使われている。

楽器

ラテン音楽では、ヒョウタンの内側をくりぬき外側に刻みを入れて棒でこすったり叩いたりして演奏する打楽器ギロがある。他に多くの弦楽器コラ)、打楽器管楽器などに使われる[10]

浮きと漁具

済州島海女浮き用にヒョウタンを抱える[11]漁具としても使われる[12]

神具

日本の神道では中に神が宿る(縁起物)とされ、神社破魔矢絵馬お守りに付けられる。大分県宇佐市には専門の加工業者があり、契約農家が収穫したヒョウタンを水に2カ月漬け、腐った中身と外皮を取り除いて天日で乾燥させ、塗料と磨きで表面を加工する[13]

出雲大社の爪剥祭では、生のヒョウタンを胴切にし、麻茎製の柄を付けたものをヒシャクとして、御神水を供える時に使用する伝統がある。これはヒョウタンに宿る霊力を用いるという意味を含むという[14]

風水

 
中華人民共和国雲南省昆明市五華区光華街の土産物店に並ぶ縁起物のヒョウタン

風水では、ヒョウタンには邪気を払う力が宿るとされ、また中国語の「葫芦」(ヒョウタン)は「語録」「福禄」と同じ発音の「フールー」であるため古代より幸運を招くお守りとして玄関に掛けたり、携帯することで邪霊を払うといわれ、縁起物として土産物店でよく見かける。中国の伝説には、ヒョウタンを携える人物がしばしば登場する。道教の八仙人の一人、李鉄拐も金のヒョウタンを常に肩から下げていたとされる。済公和尚、魯智深なども常にヒョウタンを携行していた[15]

航海術

ポリネシア人が航海をする際に用いたとされ「魔法のヒョウタン」と呼ばれた[16]

装身具

ニューギニア島の先住民が股間に着用するコテカに加工される。

加工方法

ヒョウタンは水筒、酒器、調味料入れなどの容器に加工されることが多い。加工には、まず、完熟したヒョウタンの実を収穫し、ヘタの部分に穴を開ける。そこから棒を突き入れ、果肉をある程度突き崩す。その状態で重石を載せ、水中に漬け込む。

1週間から1か月ほど経ってから、表皮を剥がし、腐って水状になった果肉と種子を逆さまに持って強く振り、全て掻き出して綺麗に洗う。その後に水を取り替え、再度、1週間ほど漬けて腐敗臭を抜いてから陰干しする。乾燥したヒョウタンは、表面に柿渋ベンガラニスなどを塗って仕上げる。水筒や食器など、飲食関係の容器に用いる場合は、酒や番茶を内部に満たして臭みを抜く。

なお果肉の腐敗臭はかなり強烈なので、屋内や住宅密集地での作業は控え、手にはゴム手袋をするのが望ましい。手に臭いが移った場合、石鹸で洗っても臭いは容易に落ちないため、手に灯油有機溶剤を塗ってから石鹸で洗うと臭いがよく落ちる(ただし皮膚に灯油や有機溶剤が付着することは有害なので、あくまでも緊急時の対処とするのが望ましい)。臭気を抜く方法に、塩素系(キッチンハイター)などの溶液に漬け込むことも有効である。

現在は酵素を利用して果肉を分解する加工液も市販されており、これを利用すると腐敗による加工よりもはるかに早く、腐敗臭もなく加工できる[17]

毒性

観賞用のヒョウタンの中にはククルビタシンという苦味成分のある植物毒を含有しているものがあり、嘔吐と下痢を伴う重篤な胃および腸不全を引き起こし、稀に死亡することもあるため、注意が必要である。

中毒事例
  • 茨木市立彩都西小学校において、事前にヒョウタンの植物毒を認知していた校長から制止されたにもかかわらず、これを無視した教諭が児童28人にヒョウタンを食べさせ、17人が中毒症状を起こした。当該教諭は懲戒免職になった[3][4]
  • 「グリーンプラザ山長」(奈良県生駒市)が、生産した苗に誤って「育てて楽しい、食べておいしいシリーズ」のラベルを付けて出荷し、ロイヤルホームセンター(本社・大阪市)で販売された。このうち、押熊店(奈良市押熊町)の購入者から苗を受け取った知人の40歳代女性が実を食べ、腹痛や吐き気などの症状を訴えて2日間入院したが命に別状はなかった[5]
  • 兵庫県篠山市の男性が、自宅の庭で栽培したヒョウタンを素揚げにして友人と食べ、嘔吐や下痢の症状が出て救急車で搬送された[6]

意匠

瓢箪は、「三つで三拍(三瓢)子揃って縁起が良い、六つで無病(六瓢)息災」などといわれ、縁起物として掛け軸や器、染め物などの意匠にも見られる。そのため、豊臣秀吉の「千成瓢箪」に代表されるように、多くの武将が旗印馬印などの意匠として用いた。大阪府の府章は、この豊臣氏の千成瓢箪をイメージしたものである[18]

ギャラリー

 
豊臣家馬印千成瓢箪

ヒョウタンにちなむ名前

真ん中でくびれている、ひょうたんの独特の形(ヒョウタン型)から、それにちなんだ名を持つ生物や地形がある。

植物

真ん中がくびれた実をつける。

地形
人名

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ “Weblio シソーラス”. 2016年5月4日閲覧。
  2. ^ 化学物質及び自然毒による食中毒等事件例(第17報)-平成11年- (PDF) 東京都立衛生研究所『東衛研年報』2000年
  3. ^ a b . NHK. (2013年7月4日). オリジナルの2013年7月5日時点におけるアーカイブ。. 2013年7月4日閲覧。 
  4. ^ a b . 朝日新聞 (朝日新聞社). (2013年11月15日). オリジナルの2014年7月14日時点におけるアーカイブ。. 2022年10月22日閲覧。 
  5. ^ a b . 朝日新聞 (朝日新聞社). (2014年7月13日). オリジナルの2014年7月14日時点におけるアーカイブ。. 2022年10月22日閲覧。 
  6. ^ a b “No.17011 観賞用ヒョウタンによる食中毒”. 国立保健医療科学院 (2018年3月29日). 2022年10月22日閲覧。
  7. ^ 韓国の食文化 4月のキーワード「パガジ」モランボン薬念研究所(2020年12月26日閲覧)
  8. ^ 湯浅 2015, pp. 89–90
  9. ^ 湯浅 2015, p. 93
  10. ^ 湯浅 2015, pp. 117–148
  11. ^ 湯浅 2015, pp. 106–107
  12. ^ 湯浅 2015, p. 104
  13. ^ 【活写】神様スタンバイ『日本農業新聞』2020年12月1日(1面)
  14. ^ 『出雲大社教布教師養成講習会』(出雲大社教教務本庁発行、平成元年(1989年)9月)全427頁中319頁
  15. ^ “神韻芸術団 神韻百科 - 瓢箪”. 2020年6月1日閲覧。
  16. ^ 茂在 1979
  17. ^ “バイオひょうたんごっこ®”. サカタのタネ. 2017年2月16日閲覧。
  18. ^ a b 大阪のシンボル 大阪府ホームページ
  19. ^ “動物名辞典”. 日外アソシエーツ (2016年5月4日). 2016年5月4日閲覧。

参考文献

  • 古文化財編集委員会 編『古文化財の自然科学的研究』同朋舎、1984年7月、652頁。ISBN (978-4-8104-0410-4)。 
  • 茂在寅男『古代日本の航海術』小学館〈小学館創造選書 25〉、1979年6月。ISBN (978-4-09-820025-2)。 
    • 茂在寅男『古代日本の航海術』小学館〈小学館ライブラリー 33〉、1992年10月。ISBN (978-4-09-460033-9)。 
  • 湯浅浩史『ヒョウタン文化誌』岩波書店岩波新書(新赤版)1564〉、2015年9月18日。ISBN (978-4-00-431564-3)。 

関連項目

外部リンク

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