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特殊作戦群(とくしゅさくせんぐん、英: JGSDF Special Operations Group[4][5])とは、陸上自衛隊の特殊部隊である。編成単位は群。基本的に訓練内容などの詳細な内容は安全保障上の観点から、日本国政府からは正式に公表されていない。
概要
2004年(平成16年)3月29日にアメリカ陸軍のグリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊群)やデルタフォース、イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)、ドイツ陸軍のKSK(特殊戦団)、オーストラリア特殊部隊等、各国の特殊部隊を参考にして設立され[6][出典無効][7][8]、第1空挺団の拠点である習志野駐屯地に群本部を置く。初代群長は直接部隊創設に携わった荒谷卓が就任した。
選抜
創設時当初は、特殊作戦群の発足母体が第1空挺団であったため第一空挺団内から優秀な隊員を選抜にかけていたが、以後は全国の隊員から職種・性別に関係なく選抜されている。
- 選抜資格
- 選抜試験の受験資格は一般には公表されていないが、SNS上にリークされた特殊作戦群の入隊志願者募集(選考検査受験案内)の部内広告(ポスター)によれば、受検資格(1)共通 -「3曹以上(職種・性別不問)」、(2)作戦を直接実行する隊員 -「課程教育入隊時において36歳未満の者」「レンジャー素養試験に合格できる体力等を有する者」、(3)作戦を支援する隊員 - 「年齢制限なし。職種に応じた特技を有する者」と記載されている。
- 公表されている防衛省訓令[9]では、特殊作戦隊員の要件として、空挺基本降下課程、もしくは空挺基本降下課程と特殊作戦課程両方の履修が必須とされている。
- 創設時のセレクションにおいては、米英特殊部隊相当の基準により選抜を行ったところ、各部隊が自信を持って送り出した優秀な人材を次々と脱落させたため、抗議が殺到したものの、初代群長の荒谷卓は一切取り合わなかった[10]。
隊員
特殊作戦群隊員には、高度な語学能力が要求される。具体的には、アメリカ軍、イギリス軍、オーストラリア軍等の諸外国軍の特殊部隊との合同訓練や共同作戦、そして外国での活動のために、必修の英語に加えて、第二外国語の習得を各隊員が選任され、朝鮮語、中国語、ロシア語、アラビア語等を習得するので、隊員の語学能力水準は非常に高い[11]。また、外国語の習得は、かかる言語の話者の背景的民情・地域・諸文化等の学習と一義であり、例えば、アラビア語を習得する隊員は、イスラム教の根本教典であるコーラン(聖典)についても学ぶ[12]。
戦闘訓練については、イラク派遣前に普通科部隊と合流して訓練した際に生身の隊員を的の両わきに立たせて10メートル以上離れた場所を移動しながら拳銃の弾を的に命中させるなど、諸外国の特殊部隊と同様に一般部隊ではありえない訓練を行っている[13]。特殊作戦群の約300名が1年間に射撃訓練で消費する実弾の数は、陸上自衛隊の1個師団に匹敵すると報じられた[12]。
特に、小部隊の強みを活かして特殊作戦を遂行する特殊部隊であることの性質上、近接戦闘術(CQB)の練度は、陸上自衛隊中最高峰である[12]。
初代特殊作戦群群長荒谷卓は、装備面では特殊作戦群が、隊員個人の格闘能力などは警察の特殊急襲部隊(SAT)が高度であると評している[14]。
荒谷は、日本古来の軍学書である闘戦経などを研究し、日本独自の武人の価値観の復興と精神規範の確立を目指し、日本国の伝統文化や神話的伝承等と、欧米型特殊作戦部隊の外来価値観の融合により、日本在来の独自性と強みを含んだ精鋭部隊を錬成することを目指した。荒谷は、のちに明治神宮の武道館の館長に就任するなど、退官後も日本の伝統的武芸と武士道を深く探究した[10]。
特殊作戦群隊員の意欲は高く、使いやすい装具や被服を自費で購入したり、休暇に自費で海外のボランティアや民間軍事会社(PMC)での研修を行う者も多く存在するとされる[10][13]。そのほか、国際機関にスタッフとして出向するなど、国外で様々な任務にも就いている[15]。初代群長の荒谷卓も2、3日の休暇であっても訓練の制約の多い日本を離れて国外でトレーニングをしており、最初の1年でほぼ全財産の300万円以上を投じた[10]。
日本国内で公に姿を見せたのは、上級単位である中央即応集団(~2018年)及び陸上総隊(2018年~)における式典のみで[注 1]、徹底した機密保持がなされている。
2022年9月22日、オーストラリア国防省から、10月6日には陸上自衛隊公式SNS上で特殊作戦群の訓練画像が初めて公開された[16]。
編成及び他組織との連携
特殊作戦群
- 特殊作戦群本部(第1部・人事と総務、第2部・情報、第3部・計画、第4部・補給)
- 本部管理中隊
- 第1中隊
- 第2中隊
- 第3中隊
- 教育隊
からなるとされている。
発足当時の人員は約300名で、そのうち戦闘中隊が約200名とされていたが、現在の規模は不明である。特殊作戦群は、内閣総理大臣により部隊査閲を受けているが、部隊査閲が行われたことは内閣官房長官会見などで報道記者団に対して明かされるものの、その内容と詳細については、部隊の性質上、公表は差し控えられている[17]。
その他部隊等との連携
- 陸上自衛隊補給統制本部
- 空挺後方支援隊 - 第1空挺団だけでなく、特殊作戦群の後方支援業務も担当している。
- 第1空挺団 - 同じ習志野駐屯地に所在し、特殊作戦群の創設当初の母体ともなった。特殊作戦群創設前は、陸上自衛隊唯一の空挺部隊であった。特殊作戦群の志願者(候補生)または隊員は、陸上自衛隊空挺教育隊に入校し、空挺基本降下課程、自由降下課程を修了する。
- 冬季戦技教育隊(CWCT)- 平時は北部方面隊所属の雪中戦専門の教育隊であるが、有事の際には再編成され、特殊部隊となる。特殊作戦群とは異なり、陸上総隊ではなく北部方面隊に隷属する。特殊作戦群の隊員の一部も、冬季遊撃レンジャー課程を履修するとされている。
- 中央即応連隊(CRR)- ゼロレンジコンバット(格闘術)の履修など、一部、共通のカリキュラムがある。同じく、陸上総隊直轄のコマンド部隊である。2021年(令和3年)8月23日の在アフガニスタン・イスラム共和国邦人等の輸送任務では、主力部隊となった。陸上自衛隊の海外派遣任務では、先遣隊あるいは主力部隊として活動する部隊であり、隊員は志願者のみで構成されており、一般普通科連隊とは性質を異にする。ただし、空挺資格者等のみで編成された部隊ではなく、陸士も配属されており、特殊部隊には位置付けられていない。
- 中央特殊武器防護隊(CNBC)- 陸上総隊直轄の化学科部隊。
- 対特殊武器衛生隊(NBCCMed)- 陸上総隊直轄の衛生科部隊。
- アメリカ陸軍第1特殊部隊グループ、第1大隊(390名)- トリイステーション駐留。
- アメリカ空軍特殊作戦コマンド、第353特殊作戦航空団、第21特殊作戦中隊・ 第753特殊作戦航空機整備中隊 - 横田基地駐留。CV-22オスプレイを運用する。「キーンソード演習」を共同で実施している。
教育・訓練・能力開発支援
- 一般部隊 - SERE(生存、回避、抵抗、脱走)訓練等、特殊状況下を想定した訓練実施には、必要に応じて一般部隊からも人員が送られる。
- 海上自衛隊第1術科学校 - 教育第3部に、スクーバ課程が設置されている。また、 特別警備の術科並びに教育技術及び陸上警備に関する教育訓練も担当している。
- 陸上自衛隊富士学校
- 陸上自衛隊施設学校
- 陸上自衛隊通信学校
- 陸上自衛隊武器学校
- 陸上自衛隊需品学校
- 陸上自衛隊衛生学校
- 陸上自衛隊化学学校
- 防衛医科大学校、防衛医科大学校病院
- 自衛隊中央病院、その他地区自衛隊病院
- 防衛研究所
部外の機関
作戦展開・航空支援
主として第1ヘリコプター団隷下の航空科部隊が特殊作戦群の作戦を支援する。
- 第102飛行隊 (陸上自衛隊)- 特殊作戦群の作戦展開を支援する直援飛行隊である。ミニガン(M134)、M3重機関銃等による空中からの火力支援も提供する。
- 輸送航空隊
海・空自衛隊や米軍からも支援を受ける。
沿革
- 2004年(平成16年)3月29日:防衛庁長官直轄部隊(当時)として習志野駐屯地で編成完結。同年以降、イラク派遣された陸上自衛隊の部隊の安全確保のために特戦群のチームが現地に派遣され、主に要人警護や部隊警備を行った[18]。
- 2006年(平成18年)5月:第10次イラク復興支援群に含まれる事が防衛庁(当時)より発表される。
- 2007年(平成19年)3月28日:防衛大臣直轄から中央即応集団隷下に編成替え。
- 2008年(平成20年)
- 2014年(平成26年)1月7日:ジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクール及びフォートブラッグ基地が毎年発行している公認刊行物「Special Warfare(特殊戦)[19]」の2014年1〜3月版の14ページに、グリーンベレー第1特殊部隊グループと特戦群が通常毎年秋にワシントン州のルイスマコード統合基地 (JBLM) にて二国間演習「Silent Eagle」を習慣的に実施していると紹介される[20]。
- 2015年(平成27年)8月12日:米軍ヘリに搭乗していた隊員2人が墜落事故に巻き込まれる。1人は骨折の疑い、1人は軽い怪我[21][22]。
- 2017年(平成29年)10月1日:ジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクール及びフォートブラッグ基地が毎年発行している公認刊行物「Special Warfare(特殊戦)[19]」の2017年10〜12月版の83ページに、沖縄に駐留するグリーンベレー第1特殊部隊グループ第1大隊と特戦群の緊密な関係や歴史等の解説の他、習志野や沖縄における合同交換訓練 (JCET) にて旧USPACOM(アメリカ太平洋軍/現USINDOPACOM(アメリカインド太平洋軍)隷下のグリーンベレーCRF(危機対応部隊)と特戦群が直接行動 (DA) 、人質救出、都市移動及び回転翼機や車両プラットフォームでの機動性等、様々な任務の訓練を実施したと紹介される[23]。
- 2018年(平成30年)
- 1月18日:習志野演習場にて安倍晋三内閣総理大臣とオーストラリアのマルコム・ターンブル首相らの視察を受ける[24]。現職首相による視察及び外国首脳に対する公開はこれが初めて。
- 3月27日:中央即応集団廃止に伴い陸上総隊隷下に隷属替え。
- 11月27日:習志野演習場にてヨルダン国王アブドゥッラー2世および安倍晋三内閣総理大臣らの視察を受ける[25]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 8月:オーストラリアのシドニーパラマタにて、オーストラリア陸軍の第2コマンドー連隊(2CDO)と合同対テロ訓練を実施した事がオーストラリア国防省公式ウェブサイトに掲載された[29]。
- 10月6日:陸上自衛隊公式ウェブサイト、Facebook、Instagram、Twitterにおいて、令和4年8月にオーストラリアにて特戦群と豪陸軍特殊作戦コマンド(SOCOMD)が実働訓練を実施した事について投稿された[30][31][32][33][34]。なお、特戦群の訓練や特戦群と外国軍特殊部隊の合同訓練に関する陸自による公表は今回が史上初めてである(豪陸軍特殊部隊との共同訓練は2015年に始まり、今回で6回目であった[35][36])。
- 12月5日:三沢飛行場の在日米空軍公式ウェブサイトにて、日米共同統合演習「キーン・ソード23」実施中の11月17日に三沢対地射爆撃場でAFSOC(米空軍特殊作戦コマンド)、米陸軍特殊作戦部隊、特戦群のJTAC(統合末端攻撃統制官)が二国間近接航空支援訓練を実施したと紹介される[37][38]。既に画像が全て削除され、記載されていたJapan Special Operations GroupがJapan Self-Defense Forcesに変更されている。
- 2023年(令和5年):アメリカ陸軍特殊作戦コマンドヒストリーオフィスが発行している刊行物「Veritas[39]」の第19巻1号2023にて、特戦群の解説や2011年8月19日〜9月15日に米国で実施された特戦群とグリーンベレー第1特殊部隊グループによる二国間演習「Silent Eagle 2011」の詳細等が掲載された[40]。
- 3月16日:陸上自衛隊公式ウェブサイト、Facebook、Instagram、Twitterにおいて、令和5年1〜2月に米国にて特戦群とアメリカ陸軍特殊作戦コマンド(USASOC)が実働訓練を実施した事について投稿された(米側の特殊部隊名は明かされていないが、訓練動画の終盤に特戦群とグリーンベレーの記章が映っている)[41][42][3][43][44][45]。特戦群の訓練動画が陸自により公表されたのは今回が史上初めてである(米陸軍特殊部隊との共同訓練は2010年に始まり、今回で13回目であった[46][47])。
- 3月17日:グリーンベレー第1特殊部隊グループ公式Facebook、Instagramにおいて、2023年2月に特戦群、グリーンベレー第1特殊部隊グループ、アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)が合同訓練を実施した事について投稿された[48][49][50][51]。
- 4月15日:アフリカのスーダンにおいて政府軍と準軍事組織RSF[](即応支援部隊)との間で激しい武力衝突が発生した(詳しくは2023年スーダンでの戦闘を参照)。戦闘の激化に伴い日本政府は直ちにスーダンに残る在留邦人約60人の救出のため、航空自衛隊、陸上自衛隊の部隊約370人からなる統合任務部隊の派遣を決定する。この派遣に伴い陸自中央即応連隊の部隊に交じり少数の特殊作戦群要員が派遣され、戦闘が続くスーダン国内において邦人の警護及び退避を行った。避難した邦人は自衛隊の輸送機で、自衛隊の海外拠点があるジブチに一時退避し、その後日本へと向かった。
- 4月29日、防衛省は、スーダンに滞在する在留邦人全員の退避が完了したとの報告を受け、同日、29日をもって作戦の終了を発表し、ジブチに残る自衛隊部隊に派遣終結命令を出した。
- 4月18日:陸上自衛隊は本年度中に特戦群が米軍、オーストラリア軍とそれぞれ実動訓練を実施する予定だと明らかにした。陸自が特戦群と外国軍特殊部隊の合同訓練の予定を事前に公表するのは今回が史上初めてである[52][53]。
服制
主要幹部
官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
---|---|---|---|---|
特殊作戦群長 | (1等陸佐) | 桑原直人 | 2023年 | 3月13日第1空挺団本部高級幕僚 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|---|
1 | 荒谷卓 | 2004年 | 3月29日 - 2007年 3月22日第1空挺団本部勤務 | 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
2 | 古田清悟 | 2007年 | 3月23日 - 2009年11月30日陸上自衛隊研究本部研究員 | 統合幕僚監部運用部運用第1課 特殊作戦室長 |
3 | 青木伸一 | 2009年12月 | 1日 - 2012年 3月31日中央即応集団司令部付 | 中央即応集団司令部幕僚副長 |
4 | 平田隆則 | 2012年 | 4月 1日 - 2015年 3月31日陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 | |
5 | 上大迫淳 | 2015年 | 4月 1日 - 2017年 7月31日||
6 | 藤村太助 | 2017年 | 8月 1日 - 2020年 7月31日第14旅団司令部第3部長 | 統合幕僚監部運用部運用第1課 特殊作戦室長 |
7 | 後藤仁志 | 2020年 | 8月 1日 - 2023年 3月12日陸上自衛隊教育訓練研究本部 訓練評価調整官 | 陸上自衛隊教育訓練研究本部 主任訓練評価官 |
8 | 桑原直人 | 2023年 | 3月13日 -第1空挺団本部高級幕僚 |
装備
個人被服・装具
- 迷彩服3型
- 市街地用迷彩3型
- 通常部隊に配備されている迷彩服の他、濃紺の迷彩服など独自の装備品が支給されている。陸上自衛官服装細則(昭和43年2月28日陸上自衛隊達第24-8号)第4条第1項及び別表第1では、戦闘服装を一般用、(航空用)、空挺用、(機甲用)及び市街地用に分類しており、戦闘服装市街地用は「特殊作戦群の自衛官(配置予定を含む)が出動、教育訓練等に従事する場合」に着用することができるものとされ、戦闘服市街地用、防寒戦闘外衣市街地用、戦闘帽市街地用、戦闘手袋市街地用及び戦闘靴市街地用がその着用品とされている。2022年にオーストラリア国防省、防衛省公式SNSにて公開された画像で、特殊作戦群隊員が市街地用迷彩を着用していることが確認できる(現在、公式SNSからは削除済み)。
- 特殊作戦群がマルチカム迷彩を使用していることが判明しており、オーストラリア国防省より公開された画像にて特殊作戦群隊員がマルチカム迷彩の(ファーストライン(ベルトキット))を装備している事が確認されている。日米共同統合演習「キーン・ソード23」では、マルチカム迷彩服を着用している隊員が確認できる。
- コンバットシャツ
- オーストラリア国防省より公開された画像にて、特殊作戦群隊員が迷彩服3型と同様のデザインのコンバットシャツを着用している。
- 難燃素材製目出し帽(バラグラバ)
- バリスティックゴーグル
- 各種難燃素材製手袋、対熱・対摩耗素材製手袋(ファストロープ降下用)
自動小銃およびアタッチメント
- 軍用光学照準器などをアメリカ政府に無許可で日本に輸出し、起訴されたアメリカ陸軍大尉、飯柴智亮の声明文により陸上自衛隊がM4カービンを購入、採用していることが判明した[58]。また、2007年と2008年にQDSS-NT4 サプレッサーや(M203A2)とともにFMSでM4カービンを購入していることも確認されている[59][60]。
- 補給統制本部の公募情報に「技術援助」の名目で「中央調達に係わる公告」に記載されている[61]。
短機関銃・機関拳銃
- (UH-60JA)に搭乗していた隊員のうち、一部の隊員が携行。
- 試験用機関けん銃及び試験用9mm普通弾(MPX)が防衛装備庁で調達されている。
機関銃
- (5.56mm機関銃MINIMI)
狙撃銃
- (対人狙撃銃)
- (M95バレット)を調達し、使用していることが公式書類や公開資料から判別できる[64]。
- 2023年1〜2月に行われた「令和4年度米国における実動訓練(FOIP 〜自由で開かれたインド太平洋のために〜」におけるアメリカ陸軍特殊作戦コマンドとの共同訓練において(M24A2)とともに使用[65]。
拳銃
ギアキーパー等のリトラクタブルランヤードやカールランヤードなどのピストルランヤードを装着して脱落を防止するのが、一般部隊でも通常慣行的である。アンダーレイルなどにより、SUREFIRE社やINSIGHT社製等のフラッシュライトを装備することも多い。
- SIG SAUER P226
- 大口径拳銃(機種不明)
- 秘匿携帯用小型拳銃(機種不明)
誘導弾・ロケット火器
その他
- バトンホルスターの調達が確認されている。また、中央即応連隊、海上自衛隊立入検査隊、警務隊も特殊警棒を装備している。
- 自衛隊では「(個人携行救急品)」と呼ばれる。特殊部隊は通常、一般部隊よりも先進的で高度な救護資機材を装備する。
- マルチツール、サバイバルナイフ
- レンザチックコンパス
- タクティカルライト(懐中電灯)
- 双眼鏡等(一部レーザー測距儀等内蔵)
- 個人用暗視装置 JGVS-V8(単眼暗視装置)
- GPNVG-18(4眼型暗視装置)
- FMS(対外有償軍事援助)で購入[59]。オーストラリア国防省より公開された画像にて特殊作戦群隊員が装備していることが確認できる。
- 21.5mm信号けん銃
- 各種破片手榴弾
- 各種発煙筒(スモークグレネード)
- (閃光発音筒(スタングレネード))
- 閃光発音筒1型、および多段式閃光発音筒(2発用・9発用)の調達が確認されている。
- 92式対戦車地雷、その他各種地雷
- 各種センサー、ドローン等の偵察・情報収集機材
- 各種野外通信機器(衛星通信機材等)
- GPS航法機器(いわゆるGarminなど)
- 携帯式爆発物探知装置2形
- 個人用防護装備[]
- 気密防護衣
- 化学剤検知器
- CR検知器
- 部隊用線量計
- 線量計3形
- 中隊線量率計3形
- 携帯線量計セット
- 携帯気象計
- リブリーザー(CCR)
- 自由降下傘
航空機(UH-60JA)に付随する器材
- 後述のファストロープ器材と同一であるが、離脱要領に使用する場合には区別されて呼称される。 「ファストロープ・インサーション・エキストラクション・システム(Fast-Rope Insertion Extraction System=ファストロープを使った進入・撤収システム)」と呼ばれ、その頭文字をとってFRIESという。
- 特殊作戦群以外では、第1空挺団・水陸機動団・普通科教導連隊・第12旅団、海上自衛隊の特別警備隊に配備されている。それ以外には海上保安庁、警視庁にも同様の装備があり、いずれも特殊部隊で運用されている。
- ファストロープ降下は、ラペリング降下に対して、全隊員の降下に時間をより要する反面、より多人数の部隊を降下させることができるという利点がある。報道では、記者の知識と理解度不足や視聴読者への分かりやすさから、一概にロープ降下と呼称されることが多い。隊員の個人装備として、摩耗に強い耐熱性手袋を追加装備する必要があるほか、戦闘靴も摩耗により激しく消耗するが、ハーネス、カラビナ等を必要としない。
- UH-60JAからのファストロープ降下を行っているのは、特殊作戦群直援飛行隊の第102飛行隊のみである。
- ザイル、ラペリングハーネス、カラビナ等。最大6名の部隊を迅速にUH-60JAから降下させる際にファストロープ降下よりも迅速性の利点があるほか、重量のある大型背嚢を背負った隊員を降下させる際にも必要(ファストロープ降下では不可)である。
- ホイスト器材(クレーン)
車両等
- 陸上自衛隊の全戦闘部隊が保有している。
- 公開された隊舎の写真から、73式中型トラックと73式大型トラックを保有していることが明らかになった[67]。
- 高高度空中投下装置(CADS)による空中投下ならびにエアボーン輸送が可能である。米軍特殊部隊も装備している。
- 防弾突入支援車両(はしご車のようなもの)
ギャラリー
防衛省・自衛隊は、特殊作戦群の画像公開に消極的だが(機密保全を徹底している)、協力関係にある外国軍(アメリカ軍・オーストラリア軍)の広報ウェブサイト等から、たびたび共同訓練時の画像が流出している。
登場作品
映画
- 『ミッドナイト・イーグル』
- 終盤、孤軍奮闘する佐伯三等陸佐と西崎の援護と救援、墜落機の核弾頭の警護のために、国家安全保障会議(NSC)における渡良瀬首相の指令により、「特殊部隊」が出動するが、御嶽山周辺の猛吹雪の悪天候と、北朝鮮特殊部隊側によるロケット弾攻撃により、ヘリが降着できず撤退。最終的にはトマホーク巡行ミサイルが発射される。
- 『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』
- 『(デスノート Light up the NEW world)』
漫画
- 『BUGS -捕食者たちの夏-』
- 『オメガ7』
- 『空母いぶき』
- 『日本国大統領 桜坂満太郎』
- 『魔法少女特殊戦あすか』
- 『亜人』
- 「対亜人特選群(Anti Demihuman Special Selected Task Forces Group)」として、特殊作戦群から着想を得たような似た名称の部隊が登場する。アニメ版にも登場。作品内で米軍特殊部隊と共にエポックメイキングな武器として登場するM134(ミニガン)は、実際には、特殊作戦群も保有していることが確認されている。
アニメ
小説
- 『Op.ローズダスト』
- 劇中においては「発足間もなく、実戦運用のレベルに達していない」として出動はせず、非公式情報機関「防衛庁情報局」が擁する特殊部隊の一つ「729SOF」が部隊の性質上特殊作戦群の名称を借りて出動している。
- 『SFGp 特殊作戦群 導火線』
- 『北朝鮮ゲリラ侵攻〜自衛隊特殊部隊ブラックアウルズ』
- 『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
- 漫画版、TVアニメ版にも登場。
- 『(交戦規則-ROE-)』
- 新潟市に北朝鮮工作員が潜入し、自衛隊に治安出動が命じられたことを受け、第12旅団・富士教導団とともに出動する。
- 『官邸襲撃』
- 高嶋哲夫の小説。テロリストにより首相官邸が占拠されたことを受けて出動し、物語終盤にSAT[]と合同で突入する。
- 『ゴルゴタ』
- 深見真の小説。主人公は特殊作戦群にいた元自衛官で、物語序盤では石川県に上陸した北朝鮮工作員との実戦や、部隊内での訓練の様子が描かれる。妊娠中の妻が不良少年達に強姦の末に殺害されたことで、復讐に動く。
- 『ゼロの迎撃』
- 都内に潜伏した北朝鮮特殊部隊への対処に2個中隊が出動するが、第1輸送ヘリコプター群所属の7機のCH-47で移動中に地対空ミサイルで攻撃され、部隊として壊滅する。
- 『テロ・クルーズ〜血塗られた航海〜』
- 『瀕死のライオン』
- 『北朝鮮核侵略』
- 『黎明の笛』
- 『東京×異世界戦争 自衛隊、異界生物を迎撃せよ』
- 異界生物群が出現する有明地域に生じた巨大空洞を塞ぐべく、先に出動した第1普通科連隊と第1施設大隊が壊滅したことから、特殊作戦群が空洞横のマンションを倒壊させて空洞封鎖を図る。また、取り残された生存者の救出も行う。
- 『邦人奪還』
- 『特殊作戦群追跡す!』
- 『封鎖海域』
- 『南沙艦隊殲滅』
- 『消滅世界』
脚注
注釈
- ^ 2007年3月28日の中央即応集団司令官着任式、同年3月31日の中央即応集団編成完結式、それ以降の中央即応集団司令官着任式、2013年5月18日の座間駐屯地開設及び中央即応集団創隊6周年記念行事など。
- ^ 着用資格者は「陸上自衛隊の教育訓練実施に関する達(陸上自衛隊達第110-1号)に定める特殊作戦に関する教育訓練を修了した者又は外国軍隊において特殊作戦に関する教育訓練を修了した者のうち、特殊作戦群に所属する者」とされている[55]。
- ^ 「赤色の金属製の日の丸、いぶし銀色の金属製の剣、金色及び銀色の金属製のとび並びに銀色の金属製の桜星を組み合わせたものを中心にして、その両側にいぶし銀色の金属製のさかきを配したもの又は緑色の布製台地に黒糸で縫取りをした日の丸及び剣並びに茶糸で縫取りをしたとび及び桜星を中心にして、その両側に黒糸で縫取りをしたさかきを配したものとする。形状及び寸法は、図10-2のとおりとする。」[57]。
出典
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参考文献
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- “防衛省人事発令” (2015年4月1日). 2015年12月23日閲覧。
関連項目
- 第102飛行隊
- コマンド(部隊編成)
- 特別警備隊(SBU)- 海上自衛隊の特殊部隊。2001年3月27日に、特殊作戦群に先行して創隊されている。
- 特殊警備隊(SST) - 海上保安庁の特殊部隊。不審船の臨検や洋上テロ等対処、核燃料物質等の警備輸送等に特化した部隊である。特殊救難隊と共に、NBCテロにも出動し対処する。
- 特殊急襲部隊(SAT)- 警察庁警備局の対テロ等特殊部隊。一部任務(対テロ、対ゲリコマ)が特殊作戦群と重複する。隊員は第1空挺団の空挺レンジャー課程を修了しており、山岳地での雪中戦能力や、潜水による水路潜入能力、NBCテロ対処能力も有する。
- 国境離島警備隊 - 沖縄県警察の離島警備部隊。いわゆるグレーゾーン事態において、警察力と防衛力の隙間を埋める部隊として2020年に創設された。
- CAG(アメリカ)
- SAS(イギリス)
- KSK(ドイツ)
- 第707特殊任務大隊(韓国)
- 特殊部隊の一覧
- 特殊部隊(Special Forces)
- 特殊作戦(Special Operations)