無声軟口蓋摩擦音(むせい・なんこうがい・まさつおん)は、子音のひとつである。後舌と軟口蓋で調音される無声の摩擦音で、国際音声記号では [x] で表される。
無声軟口蓋摩擦音 | |
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x | |
IPA 番号 | 140 |
IPA 表記 | [x] |
IPA 画像 | |
Unicode | U+0078 |
文字参照 | x |
JIS X 0213 | 1-3-88 |
X-SAMPA | x |
Kirshenbaum | x |
(音声サンプル) |
特徴
言語例
この音は、以下の言語に見られる。
- アラビア語 - خ
- ギリシャ語 - χ
- スペイン語 - j, g+i, e
- ドイツ語 - ch
- ロシア語 - х
- ポーランド語 - h, ch
- エスペラント - ĥ
- 中国語 - h(ピンイン)- ㄏ(注音符号)
- ブラジルポルトガル語 - rr, 語頭のr
- オランダ語 - g, ch
- 日本語 - 撥音・促音後のハ行子音
- 朝鮮語 - (흐)
- アルメニア語 - Խ
- グルジア語 - ხ
特にスラヴ語に多く見られる。
この音を持たない言語に借用された場合、無声声門摩擦音 [h]、無声軟口蓋破裂音 [k] などで代用することが多い。日本語においては、撥音や促音がハ行の前に来る場合(バッハ、シャンハイ等)に、この音となることがある。日本語に借用された外来語ではハ行で表記する。英語に借用された場合、[h] や [ks](主にスペイン語からの場合)、 [k](ドイツ語、ロシア語などからの場合)で代用するか、原音に近づけて [x] で発音することもある。また、表記に際してkhと表記する場合がある(例としてアルメニア人作曲家であるアラム・ハチャトゥリアンの名前は、英語ではAram Khachaturianと表記されている)。