灰重石(かいじゅうせき、scheelite、シェーライト、または、シーライト)とは、タングステン酸とカルシウムとの塩を成分とした鉱物である。このため、タングステン酸塩鉱物に分類される。灰重石の英語名「scheelite」は、本鉱を研究したカール・ヴィルヘルム・シェーレ(K.W. Scheele)にちなむ。
性質
紫外線が照射されると、灰重石は青白い蛍光を発する事で有名である。しかし、一部には蛍光しない物も見られる。また、黄色の蛍光を呈する物もある。(パウエル石)(CaMoO4)が含まれる事が原因とされる。
用途
灰重石の化学組成はタングステン酸カルシウム(CaWO4)であり、鉄重石(FeWO4)と共に、タングステンの主要な鉱石鉱物として知られる。日本では、山口県の喜和田鉱山などで鉱石として採掘されていた。
また、灰重石は耐久性が低いものの、透明度の高い石は、好事家が宝石として保存する場合も見られる[2]。
合成品
タングステン酸のカルシウム塩を人工的に合成し、無色透明の物をダイヤモンドのイミテーションとして使う場合があり、さらに、着色に必要な金属元素を混ぜて他の宝石のイミテーションとして使う場合もある[3]。参考までに、屈折率は1.92から1.93程度であり、(複屈折量)は0.017である[1]。
出典
参考文献
- 豊遙秋・青木正博 『検索入門 鉱物・岩石』 保育社、1996年、(ISBN 4-586-31040-5)。
- 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、(ISBN 4-05-402013-5)。
- 国立天文台(編)『理科年表(平成19年)』 丸善、2006年、(ISBN 4-621-07763-5)。
外部リンク
- Numanoite(mindat.org)
- Scheelite Mineral Data(webmineral.com)
- - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)(鉱遊)
- 光る石資料館(移転先)