浮桟橋(うきさんばし、英: Floating Pier)は、港湾において、水上に箱状の浮体を浮かべ陸域と連結した係留施設をいう。港湾法における港湾施設の一つ[1]。
構造
浮桟橋は、箱状の浮体(ポンツーン)を水上に浮かべてアンカー(錨)などで固定し、陸岸と渡り橋で連結した施設である。ポンツーンは、木製のものもあれば、耐久性の高い鋼製やコンクリート製のものもある。また、ポンツーン部分には他の係留施設(岸壁・桟橋など)と同様、船舶を係留するための係船柱や船舶着岸時の衝撃を和らげるための防舷材が設置されている。
特徴
浮桟橋の利点は、潮位差の大きい水域や軟弱地盤の場所や大水深の場所でも容易に設置できることである。特に浮桟橋は潮位の干満に合わせて上下するため、常に水面から一定の高さを保持しうることが最大の利点である。そのため、例えば潮位差の大きい瀬戸内海沿岸部では浮桟橋がフェリー係船岸として多用されている。
一方で、大型船舶の係留・荷役に向いていないこと、大きな波浪による被害を受けやすいことなどの欠点もある。日本では特に台風時にポンツーン部分が破損するケースが多い。
設置撤去が簡単な組立式浮桟橋ピアフロート
関連項目
脚注
注釈
出典
参考文献
- 小林義久監修・池田宗雄著、『港湾知識のABC』、青山堂書店、1994年、(ISBN 4425391241)