概要
郷川左岸の隆起扇状地の末端部の台地上に位置する[1]、縄文時代後期と古墳時代初期の複合遺跡であり[2]、古墳時代の竪穴住居跡が3棟あるが、うち1号住居跡は、外壁平面形が五角形で、内側に方形掘り込みがあり、その中心に炉が設けられているのが特徴である。これは富山県内初の発見例となっていて[3]、全国的にも珍しいとされている[2]。
遺跡の範囲は滑川市本江から中新川郡上市町広野新にまたがり、上市町側では広野新遺跡と呼称している。このため、かつては本江・広野新遺跡と呼ばれていた[1]。
遺跡の発見は第二次世界大戦後と考えられている[1]。1970年8月、上市町広野新での圃場整備工事中に作業員が縄文土器の破片を偶然発見する[4]。さらに1971年4月には、滑川市側にて、地元の小学生3人が本江地内の畑や農業用水で縄文土器や石器を発見したのを機に発掘調査が本格化した[5]。
1972年2月26日に富山県指定文化財(史跡)となり[3]、その後大半が水田となったものの、竪穴住居跡など一部に案内板を設置するなど整備され[6]、1975年5月15日に遺跡が公園として整備され、現在に至る[7]。
アクセス
脚注
- ^ a b c 『特別展 再発見!本江遺跡 -文化が交差する縄文時代と謎の五角形住居をもつ古墳時代-』(2022年7月23日、滑川市立博物館編集・発行)3頁。
- ^ a b c d e 本江遺跡(富山県観光公式サイトとやま観光ナビ、2023年3月29日閲覧)
- ^ a b 本江遺跡(とやまの文化遺産、2023年3月29日閲覧)
- ^ 『特別展 再発見!本江遺跡 -文化が交差する縄文時代と謎の五角形住居をもつ古墳時代-』(2022年7月23日、滑川市立博物館編集・発行)4頁。
- ^ 『特別展 再発見!本江遺跡 -文化が交差する縄文時代と謎の五角形住居をもつ古墳時代-』(2022年7月23日、滑川市立博物館編集・発行)5頁。
- ^ 本江遺跡(全国子ども考古学教室、2023年3月29日閲覧)
- ^ 『特別展 再発見!本江遺跡 -文化が交差する縄文時代と謎の五角形住居をもつ古墳時代-』(2022年7月23日、滑川市立博物館編集・発行)7頁。