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新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)(あたらしい「りょうげもん」(じょうどしんしゅうのみおしえ))とは、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の大谷光淳(専如)門主が消息[1]として発布したものである。

なお、本項ではこれをめぐり在野において指摘されている問題点やその後の動向[2]についても記載する。

発布に至るまでの動向

領解文

本願寺教団においては蓮如による領解文(改悔文)を、浄土真宗の教義を会得したままを口にして陳述するものとして改悔批判や法要後など様々な場面で出言してきた。その内容は簡潔であり、当時の一般の人にも理解されるように平易に記されたものであった。 しかし、当然ながら時代とともに当時の文言は古語となっていった。浄土真宗本願寺派においては、その肝要が伝わりにくくなっていることが問題とされ、21世紀になり「現代版領解文」の制定とその方法決定が長らく検討されてきた。

浄土真宗の救いのよろこび

2005(平成17)年、親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画の一環として、教学伝道研究所に「教学・伝道の振興にかかる企画制定委員会」を設置。浄土真宗のみ教えを現代の人々に親しみやすい表現によって示し、正しく領解した上で味わいを深めることのできる文章の制作が企画される。その研究成果として、『領解文』のよき伝統とその精神を受け継いだ「浄土真宗の救いのよろこび」、ならびに『御文章』のよき伝統とその精神を受け継いだ「親鸞聖人のことば」シリーズにまとめられる。 2009(平成21)年7月、「『拝読 浄土真宗のみ教え』編集委員会」の企画を経て、「浄土真宗の救いのよろこび」「親鸞聖人のことば」を収めた『拝読 浄土真宗のみ教え』が刊行される。一人でも多く、浄土真宗の教えに触れ、味わいを深めることをねらったもので、布教の場面でも活用されることとなった。

門主交代後

2014年6月5日に大谷光真が本願寺派門主を退任し、翌日に大谷光淳が継承する。

2016年10月1日より、法統継承を仏祖に奉告し、宗門内外に披露する(伝灯奉告法要)を翌年5月31日にかけて10期80日間つとめる。この初日に親教「念仏者の生き方」を示す。

『拝読浄土真宗のみ教え』の制作意図を尊重しつつ、「念仏者の生き方」によって示された生き方を、『拝読浄土真宗のみ教え』に掲載する必要があるとして、『拝読浄土真宗のみ教え』改訂編集委員会が設置される。2018年9月30日に委員会より報告書が提出され、総局において文言をふくめて、検討、決定するよう一任した。

2018年11月23日に、全国門徒総追悼法要の親教で「念仏者の生き方」への親しみや理解を深めてほしいという思いから、その肝要を四カ条にまとめた「私たちのちかい」を示す。

典拠が明確であり、しかも現代人にもわかりやすいことをめざして改訂版の拝読浄土真宗のみ教えが発行される。このときに浄土真宗の救いのよろこびは削除された。

2021年4月15日の立教開宗記念法要の親教で、親鸞の生き方に学び、次世代に法義がわかりやすく伝わるよう、その肝要を「浄土真宗のみ教え」として示す。

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)へ

2022年末に現代版領解文制定方法について、制定方法検討委員会答申として、門主より消息として発布すべきとした。そのうえで領解文という題の使用は従来の領解文との扱いなどで混乱を招くおそれがあるので別の名称を使用すべきとした。

2023年1月、同月16日の御正忌報恩講御満座において、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)についての消息を発布すると告知される。16日に大谷光淳(専如)門主より発布され、様々な場面での拝読・唱和をすすめた[3]。内容は以前の信教で示していた浄土真宗のみ教えに歴代宗主の徳を讃えた段を加えたものとなった。

なお、このときの総局見解として、新しい「領解文」により従来の領解文を廃止するものではないとされていた

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)の内容

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)は大きく分けて三段構成となっている。

第一段では念仏のこころについて、第二段では歴代宗主の徳をたたえ、第三段では念仏者の生活について記載されている。

その後の経過

消息発布をうけて宗派では各刊行物などへの掲載が行われ、既刊の書籍にも改定版として掲載したものを順次刊行している。

宗派側が推進していく一方で、内容や制定過程について疑問や批判の声が各方面から挙げられている。

2023年3月定期宗会まで

1月27日 - 3月29日からの親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要の趣意書の付帯事項を改定し、法要において参拝者で唱和するプログラムが組まれることとなった。[4][5]

2月1日 - この日付発行の本願寺新報(宗派公式新聞)において勧学寮から新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)についての解説文が掲載された。勧学寮は受け止め方によっては誤解を招くおそれがあるとして、熟読するように呼びかけている。後日、勧学寮頭の(徳永一道)勧学が一身上の都合により勧学寮辞表を提出する。のちに受理されることとなる。

2月24日 - YOUTUBEチャンネル「浄土真宗の法話案内」にてシンポジウム『「新しい領解文」を考える―組織と教学の陥穽』が開催される。

2月22日 - 定期宗会開会。総局は新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)の普及を宗務の基本方針に掲げるも、議員から質問や意見が相次ぐ。

3月3日 - 定期宗会会期末、総局による宗務の基本方針が可決される。その後総局に反対する議員から慶讃法要における唱和を見送る旨の請願書が提出されるも、総局に与する議員らの反対多数で不採択となり、慶讃法要で唱和することが確定となる。

2023年4月後任勧学寮頭任命まで

3月22日 - 26日にかけて有志による新しい領解文を考える会がインターネット上で新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)についてアンケートを行う。期間中600名以上の回答があり9割から内容に違和感があるとの声があがった。

3月26日 - 新しい領解文を考える会がパンフレット『みんなで、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)を考えてみよう。』を発表する。

3月25日 - 勧学龍谷大学名誉教授の(深川宣暢)を代表とする勧学・司教有志の会により「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明(一)が発表される。[6]

3月29日 - 西本願寺における親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要が始まる。以降5月21日まで5期30日かけて行われ、通常プログラムにおいて法要の終盤に新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)を唱和する場が設定されているものの、期間中は退出者や無言を貫くもの、念仏や従来の領解文などを口にするもの、抗議する旨の文章を掲げるものも見られた。

3月31日 - 中外日報に本山本願寺前執行長の(武田昭英)が新しい「領解文」の問題点を投書したものが掲載される。

3月31日 - 徳永一道勧学寮頭が解任となる。[7]

4月1日 - 徳永一道勧学解任による勧学寮欠員に(北塔晃陞)勧学(前中央仏教学院長)を補充。[7]

4月6日 - 勧学寮員の互選により(淺田惠真)勧学を勧学寮頭に選出、任命される。[7]

5月21日慶讃法要終了まで

4月8日 - 勧学・司教有志の会により「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明(二)が発表される。[6]

4月22日 - 勧学・司教有志の会により「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明(三)が発表される。同日、これまでの声明(一)(二)(三)を本願寺派総局統合企画室長に送付し、さらに『全国の門信徒の方々へ〜「新しい領解文」について〜』という全国の門信徒へ向けたメッセージを発した。[6]

5月5日 - 勧学・司教有志の会により「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明(四)が発表される。5月8日に総局並びに統合企画室長に送付。[6]

5月10日 - (石上智康)総長が(淺田恵真)勧学寮頭に文書で、勧学寮頭が中心となって勧学・司教有志の会へ「指導」し、宗門の秩序の回復に努めることを要請する。この事実は5月19日に中外日報にて報じられる。

5月18日 - 本山本願寺(西本願寺)が、聞法会館総会所で定期的に勧学が門信徒の教学についての質問に回答する法義示談を、諸事情により当面休止すると発表した。

5月19日 - 勧学・司教有志の会により「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」に対する声明(五)が発表される。同日に総局並びに統合企画室長に送付[6]

5月20日 - 勧学・司教有志の会が声明について一区切りついたとして、5月23日に京都東急ホテルにおいて記者会見を行うことを発表。[6]

5月21日 - 西本願寺における親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要が御満座を迎える。同日、石上智康総長が体調や宗務の刷新のためとして辞任の意向を周囲に伝える。(22日に中外日報サイトで速報、23日に各メディアにて報じられる)

池田総長選出まで

5月23日 - 勧学・司教有志の会が記者会見を行い、これまでの経緯や指摘事項を説明した。さらに、総局が代わっても、新しい「領解文」が撤回もしくはそれに準じた状態になるまで活動を続けることを公表した。[6]

5月24日 - 新総長指名選挙を行う宗会を同30日に招集することが中外日報サイトで速報される。

5月30日 - 臨時宗会招集。石上智康総長の辞職が承認される。大谷光淳門主より総長候補者として(池田行信)(前総務)、(保滌祐尚)(元統合企画室長)の2名が指名[8]される。

5月31日 - 総長指名選挙の投票が宗会議員により行われる。池田行信(47票)、保滌祐尚(22票)、白票(4票)、無効票(1票)となり、池田前総務が総長に指名される。池田氏は受諾のうえ、石上氏の路線を継承し、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)の唱和を推進していくことを表明した。選挙を踏まえ、即日石上智康氏が総長解任となり、池田行信氏が総長・宗教法人浄土真宗本願寺派代表役員に就任した。同日付で総務、副総務が選定され、池田総局が始動する。

池田総局発足後

池田総局発足のころになり、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)が住職、坊守、僧侶の人材育成の場でも用いられることが明らかになった。 特にこれまでは必ず従来の領解文が出言されていた得度式(僧侶になる儀式)においては、従来の領解文をとりやめ、新しい「領解文」に置き換えられることになった。

新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)をめぐる問題点

教学的問題

  • 「私の煩悩と仏のさとりは本来一つ」とする部分はこれは仏の見方であることから、ここを信仰告白する衆生が読むことが本覚思想的であること。
  • 「宗祖親鸞聖人と法統を伝承された歴代宗主の尊いお導きによるもの」とあるように、宗祖と宗主を同格視しているように見られ、消息を発布する門主が自らも含むかのように発してしまうこと。また、従来の領解文でいう次第相承の善知識を歴代宗主に限定解釈していることも知識帰命的であること。
  • 「執らわれの心をを離れます」ということについて、浄土真宗的には臨終まで煩悩をなくすことはできないうえ、大谷光淳門主が2016年に教諭した親教「念仏者の生き方」では、少しでも仏の願いに適う生き方をとしていることと矛盾しているように見られること。

宗門法規(組織運営)的問題

  • 現代版領解文制定方法検討委員会の答申にある「領解文」の文言を使わないようにという答申内容を無視していること。
  • 消息の扱いについて(戦時教学)の反省から聖教としないとしているが、領解文の語を用い、唱和を呼びかけるなど聖教のように扱っていること。
  • 消息発布の責任の所在について発布した門主ではなく、同意した勧学寮でもなく、進達した総長にあるが、総長や勧学寮員が辞しても発布者たる門主の行為として永代に語り継がれてしまうこと。
  • 消息発布には勧学寮の寮員会議での同意が必要だが、限られた時間で絶対に発布するように総局による勧学寮への干渉があったと疑惑されていること。なお、宗務にあたってはそれぞれの独立性を尊重し、干渉があってはならないとしている。
  • 宗会において議員からの要望もあったが、新しい「領解文」にかかる勧学寮の寮員会議の議事録が一切開示されないこと。
  • 消息批判が門主批判を意図するものでないとしても、形式上は発布者である門主及び宗門への批判という組織上重大な反逆行為となること。
  • 総長が勧学寮頭に勧学・司教有志の会参加者へ指導を要請するが、寮員以外であり、宗制に規定される教義に反していないことから、勧学寮頭が有志の会に指導する権限がないこと。

その他の問題

  • 現代版領解文の検討を進める中で、すでにまとめられ、現代版御文章ともいえる『拝読 浄土真宗のみ教え』に掲載されていた「浄土真宗の救いのよろこび」を典拠不明として改定版において不掲載としたこと。
  • 元となる文章は「浄土真宗のみ教え」として、2021年4月15日の親教で述べられているが、石上智康総長の書籍に見られる文章と酷似していること。
  • 元の親教ではなく、この消息の発布後により大規模な反対運動となっていること[9]

脚注

  1. ^ 本願寺派における消息とは、門主が浄土真宗の教えや宗派に関係する事項への思いを広く発信するメッセージである。
  2. ^ 要職者の辞任など、本人から理由に挙げられてはいないものの関連が十分に疑われるものも含む。
  3. ^ “新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)についての消息 | 前門様のお言葉”. 浄土真宗本願寺派(西本願寺). 2023年5月23日閲覧。
  4. ^ “親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要「趣意書」付帯事項 一部変更について | お知らせ | 浄土真宗本願寺派 龍谷山 本願寺(西本願寺)”. 浄土真宗本願寺派 龍谷山 本願寺(西本願寺). 2023年5月24日閲覧。
  5. ^ 2023年1月 - 浄土真宗本願寺派(西本願寺)
  6. ^ a b c d e f g “浄土真宗本願寺派 勧学・司教有志の会”. www.facebook.com. 2023年5月24日閲覧。
  7. ^ a b c 浄土真宗本願寺派『宗報』(宗派の官報雑誌)5月号による。
  8. ^ 総長候補者の指名は門主の一身存属権(専権事項)である。この候補者から1名を宗会議員による選挙で新総長として指名する。
  9. ^ 勧学・司教有志の会の記者会見によると親教は門主個人の法話として勧学寮の同意なく示すことができ、広く公的に周知する消息が勧学寮の同意が必要とのようにその性格や関係が異なるため活動できなかったとしている。

関連項目

外部リンク

  • 浄土真宗本願寺派
  • 浄土真宗本願寺派親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要特設サイト
  • 勧学・司教有志の会
  • 新しい「領解文」について考える会
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