斉年寺(さいねんじ)は、愛知県常滑市大野町にある曹洞宗の寺院。山号は萬松山[1]。本尊は華厳釈迦牟尼仏[1]。十一面観音を安置している。(四国直伝弘法八十八ヶ所霊場)(直伝弘法さん)第72番札所、尾張三十三箇所第9番札所となっている。佐治氏の菩提寺である。
歴史
享禄4年(1531年)、大野城の2代目城主である(佐治為貞)が、父の(佐治宗貞)の菩提寺として城内に建立[1]。宗貞の法名である斉年寿山から取って斉年寺とし、開基を宗貞としている[1]。
天正15年(1587年)には大野城が焼け落ちたため、天正16年(1588年)には家臣の粟津九良兵衛が、主君を偲んで現在の場所に諸堂を建立した[1]。
文久3年(1863年)冬には火災で焼失し、仮の本堂や仮の庫裏を建てた[1]。1945年(昭和20年)1月13日の三河地震では仮の本堂が倒壊し、1965年(昭和40年)には現在の鉄コン筋クリートの本堂が建てられた[1]。
境内
境内
山門
総門
不動堂
文化財
国宝
- 紙本墨画淡彩慧可断臂図(えかだんぴず)
- 雪舟筆。図中に「七十七歳」の款記があり、雪舟77歳、明応5年(1496年)の作とわかる。禅宗の初祖達磨と二祖慧可を描く。題名の通り、慧可が自らの求道の志を達磨に示すため、自らの腕を断ったという故事を題材にしている。画面寸法は188.3×112.8センチで、雪舟の人物図としては大作であるのみならず、日本の禅宗祖師図の中でも本作のような大作はまれである。天文元年(1532年)に、当時知多半島西部に勢力をもっていた佐治氏の(佐治為貞)によって斉年寺に奉納されたことが、別途保管されている絹地墨書からわかる。[2]
- 本作品は京都国立博物館に寄託されている。通常は本堂内で精巧な複製を拝観することができる。
常滑市指定文化財
- 釈迦如来坐像
- 青磁香炉
脚注
外部リンク
- 常滑市サイト
- - ウェイバックマシン(2001年8月26日アーカイブ分)