概要
仁宗の治世になると、同平章事(宰相)の呂夷簡の下で社会が安定し、また建国以来の文治主義の浸透によって見識の高い政治家・文人が続々と登場した。韓琦・范仲淹・富弼・司馬光・欧陽脩・張載・蘇洵・曾鞏・胡瑗・邵雍・周敦頤・梅堯臣・(孫復)・(石介)・(余靖)・(尹洙)・(呂誨)らがその代表格である。
その一方で、契丹・西夏との対外的な緊張は続き、毎年の歳幣・歳賜によって平和を維持し、財政問題から冗官・冗兵の整理が課題となっていた。だが、慶暦の党議・(慶暦の新政)と政治的議論とそれに伴う政府攻撃ばかりが盛んとなり、北宋衰退の遠因が生み出された時代でもあった。
参考文献
- (河原正博)「慶暦の治」(『アジア歴史事典 3』(平凡社、1984年)