『悔悛するマグダラのマリア』（かいしゅんするマグダラのマリア、伊: Maddalena penitente）は、マグダラのマリアを描いたティツィアーノによる1565年の油彩画である。現在、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている。
| イタリア語: Maddalena penitente 英語: Penitent Magdalene | |
| 作者 | ティツィアーノ・ヴェチェッリオ |
|---|---|
| 製作年 | 1565年 |
| 寸法 | 119 cm × 98 cm (47 in × 39 in) |
| 所蔵 | エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク |
ヴァザーリは、1566年にティツィアーノの工房を訪れ、スペイン国王フェリペ2世の注文で描かれた『悔悛するマグダラのマリア』を見て、感銘を受けたが、この作品は貴族のシルヴィオ・パドエルに買い取られて、代わりに複製がフェリペ2世のもとに送られたと述べている。この二点は現在失われているが、本作は二番目の複製と考えられている[1]。
本作は、ティツィアーノが生前ずっと自宅の工房に置いていたものである。画家の死後、1581年に息子のポンポニオにより工房に残された『十字架を担うキリスト』、『聖セバスティアヌス』とともにクリストファロ・バルバリーゴに売却され、1850年に三作ともバルバリーゴ・コレクションからエルミタージュ美術館に入った[2]。
同じテーマの1533年頃の作品とは異なり、ティツィアーノはマリアの裸体を着衣の姿とし、メメント・モリの概念を表すために花瓶、開いた本、頭蓋骨を描きいれている。人物像と調和した色彩の使用により、1531年の作品よりも色彩表現がより成熟したものとなっている。背景の空は夕日の光線に浸されており、暗い岩が明るく照らされたマリアの姿と対照的である。
ティツィアーノのマグダラのマリア
『悔悛するマグダラのマリア』(1533年頃)、パラティーナ美術館 （フィレンツェ）
『悔悛するマグダラのマリア』(1550年頃)、カポディモンテ美術館 （ナポリ）
参考文献
- (ポーランド語) Wielkie muzea. Palazzo Pitti, wyd. HPS, Warszawa 2007, ISBN (978-83-60688-42-7)
- (ポーランド語) J. Szapiro Ermitraż (translated Maria Dolińska), Wydawnictwo Progress, Moskwa, 1976
脚注
- ^ NHK エルミタージュ美術館 2 ルネサンス・バロック・ロココ 日本放送出版協会、1989年刊行、92項 (ISBN 4-14-008624-6) 2021年7月23日閲覧
- ^ https://www.wga.hu/frames-e.html?/html/t/tiziano/06_1560s/09magdal.html Web Gallery of Art 2021年7月23日閲覧