このページ名「平野区市営住宅殺人事件」は(暫定的なもの)です。(2012年12月) |
平野区市営住宅殺人事件(ひらのくしえいじゅうたくさつじんじけん)とは2011年7月25日に大阪府大阪市平野区で当時42歳の引きこもり状態の男が実姉を殺害した事件。一審判決では精神鑑定でアスペルガー症候群と診断された男に対する判決が波紋を呼んだ(後述)。
経緯
男は小学校高学年の頃から不登校になり、以後約30年間引きこもるようになった。転校することなどを聞き入れなかったのを全て姉のせいだと思い事件にいたった。
2011年7月25日、自宅に生活用品を届けに来た姉(当時46歳)を刺殺し逮捕された。
裁判
「(広汎性発達障害#刑事裁判における問題)」も参照
弁護側は精神鑑定で男にアスペルガー症候群があり心神耗弱状態だったとして保護観察付きの執行猶予を求めていた。一方で検察側は懲役16年を求刑した。
2012年7月30日、大阪地方裁判所は「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役立つ」とし、検察側の求刑より重い懲役20年を言い渡した[1]。
弁護側はこの判決を不服として控訴し、2013年2月26日の大阪高等裁判所は「一審判決はアスペルガー症候群の影響を正当に評価していない」「十分に反省を示せないのは同症候群の影響。それなりの反省を深めつつあり、再犯可能性を推認させる状況でない」として、1審判決を破棄し懲役14年の判決を言い渡した[2]。
2013年7月22日、最高裁判所は被告の上告を棄却する決定を行い、これにより2審判決が確定した[3]。
判決への評価
1審判決では求刑より重い判決が出たことに対し、社会の受け皿がないのは行政及び司法の不作為であるため、それを被告の量刑に転嫁することに対して批判が起きた。[1]