工部(こうぶ)は中国古代の役所。六部の一。長官は(尚書)(工部尚書)で、次官は侍郎(工部侍郎)である。
隋唐代に工部の下には建設と庶務を担当する(工部)、開墾を担当する(屯田(とんでん))、山川を担当する(虞部(ぐぶ))、水利事業を担当する(水部(すいぶ))の4司が設けられ[1]、各曹にはその長として判官である(郎中(ろうじゅう))と(員外郎(いんがいろう))とが置かれた[2]。
周代には冬官に属し、秦漢では少府に属した。魏は少府より水部曹を分設した。水部曹は尚書台に属し、水利事業・水運を担当した。晋では屯田曹・起部曹を設置し、農墾と水利事業を担当した。隋では前述の諸曹を統合して、工事・屯田・水利・交通を主管する工部を設置し、尚書省の六部の一つとなった。