概要
高さ64メートルの重力式コンクリートダムで、洪水調節のほか、上水道およびかんがい用水の取水を目的とする多目的ダムである[2]。ダム湖の名称は鷺里湖(さぎりこ)[2]。
1954年(昭和29年)に未完成のまま河川改修が停止された岩松川の治水と、南予地方で不足する生活用水・農業用水の確保を目的として「岩松川総合開発」が計画され、県による単独調査が1967年(昭和42年)から3年間実施された[3]。工事自体は1972年(昭和47年)に着工。また同年から2年に渡って国からの補助を受けての実施計画調査も行われて[3]、1980年(昭和55年)に竣工。ダム本体と共同幹線水路・農業専用および上水道専用施設の全てを合わせた総事業費は167億7,000万円余となっている[3]。
2020年現在、上水は1日あたり最大で10,400立方メートルを取水しており、取水された水は(津島水道企業団)の浄水場3か所を経て宇和島市津島町・宇和海地区、愛南町内海地区の6,000戸余に供給している[4]。
周辺
ダムに隣接して山財ダム第1号公園[5]および山財ダム第2号公園[6]が整備されている。またダム湖周辺には約3キロメートルに渡っておよそ600本のソメイヨシノが植えられており、3月下旬に花を咲かせる「桜の名所」として知られている[7][8]。
脚注
- ^ 河川名は地理院地図に基づく。
- ^ a b c “山財ダム”. ダム便覧. 2021年4月2日閲覧。
- ^ a b c 「5 南予水資源開発事業の進展」『愛媛県史 県政』愛媛県、1983年11月30日2021年4月2日閲覧。 。
- ^ “津島水道企業の概要”. 津島水道企業団 (2020年11月26日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “山財ダム第1号公園の紹介”. 宇和島市 (2015年7月1日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “山財ダム第2号公園の紹介”. 宇和島市 (2015年7月1日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “3月宇和島観光のおすすめ!桜の名所巡り”. DO?GO!愛媛 (2017年3月9日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “桜だより・花見スポット<南予>”. 愛媛新聞 (2018年3月22日). 2021年4月2日閲覧。
外部リンク
- 山財ダム - 国土交通省 川の防災情報