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屋根付橋[要出典]、屋根付き橋[1][2](やねつきばし)は、屋根の付けられた橋のことである。屋根だけでなく側面の覆いもついているものもある。「有蓋橋」「鞘橋」「廊下橋」「幌付き橋」ともいう。英語ではカバード・ブリッジ(英: covered bridge)という。
概要
世界各地に存在する。
- 歴史
屋根付橋の歴史は古代バビロニア、紀元前780年まで遡ることができる[3]。 アメリカ合衆国のかつての資料 Federal Highway Administration’s Covered Bridge Manualには、14,000もの覆い付き橋の一覧が掲載されていた[4]。だがその後、覆い付き橋の数は減少してゆき、現在では500から600 程度にまで減っているという[4]。
世界各地の屋根付橋
北アメリカ
- アメリカ合衆国
概要の節でも説明したように、アメリカ合衆国にはかつては14,000ほどの覆い付き橋があった。現在でも500 - 600ほどある[4]。
アメリカの最初のカバード・ブリッジは1804年につくられたWaterford Bridgeであり[3]、これはニューヨーク州でハドソン川に架けられたもので、105年間使えた[3]。次にオレゴンシティで1851年と1852年に2つのカバード・ブリッジがつくられたが、これらは1853年の洪水で流されてしまった[3]。
en:Ware–Hardwick Covered Bridge
ニューハンプシャー州ランカスターSpanning Israel RiverにかかるMechanic Street Bridge
ニューハンプシャー州アルバニーの Albany Covered Bridge
en:Cogan House Covered Bridge
Concord Covered Bridge
Arthur A. Smith Covered Bridge
Arthur A. Smith Covered Bridgeの内側
Hildreth Covered Bridge
ミシガン州Frankenmuthの覆い付き橋
バーモント州ClarendonのBrown Covered Bridge
Brown Covered Bridgeの内部
Stanislaus Riverに架かるKnights Ferry covered bridge
Knights Ferry covered bridgeの内部
Bucher's Mill Covered Bridge
ミネソタ州ZumbrotaのZumbrota Covered Bridge
バージニア州で一番古いカバード・ブリッジ、Humpback Covered Bridge
- カナダ
- (ハートランド橋) - カナダ・ニューブランズウィック州のハートランド:全長391mで「世界最長の屋根付き橋」[5]とされる。カナダ国定史跡に指定されている。
(ハートランド橋)
ハートランド橋の外観
Wakefield Covered Bridge
アジア
- 来遠橋 - ベトナム、クアンナム省ホイアン。
- (程陽永済橋) - 中国、広西チワン族自治区三江トン族自治県。「風雨橋」と呼ばれるトン族の屋根付橋の一つ。
- (花橋) - 中国、広西チワン族自治区桂林市。
- (五亭橋) - 中国、江蘇省揚州市。
- (清華彩虹橋) - 中国、江西省婺源県。
- (渓東橋) - 中国、浙江省泰順県。
- (西津橋) - 中国、浙江省永康市。
- (千乗橋) - 中国、福建省屏南県。
来遠橋
程陽永済橋。中国西南部の少数民族・トン族が築いた屋根付橋。
花橋
五亭橋
清華彩虹橋
渓東橋
西津橋
千乗橋
日本
日本書紀に残る記述
日本書紀には、612年に路子工が御所の庭に、欄干、屋根付きの唐風の橋(呉橋)を作ったという記録がある[6]。
愛媛県南部
愛媛県の南予地方のうち、喜多郡内子町、大洲市のうち旧喜多郡河辺村などには、木造の屋根付橋が現存している。小河川に架けられているもので、農道として使用されていた道につけられており、歩行者専用である。幅員は2メートル程度、長さも5-10メートル程度のものが多いが、なかには長いものもある。かつては、生活道路としてだけでなく、農作物の保管場所などとして使用していたものであるが、今日では、かつての農村風景をとどめる産業遺産の1つとして、多くは地域の人々の手により、管理・保存されている。なかには、復元されたものもある[要出典]。
- 河辺(大洲市)
- 屋根付橋が8つ現存し、「浪漫八橋」としてPRされている。かつては、地元の関係者のみ知っているような存在であったが、小説『マディソン郡の橋』が発表されると、似たような外観をしていることから、密かなブームとなり、訪れる人も増えた。とはいえ、河辺は肱川の支流の1つの上流をさかのぼった奥地にあり、訪れるには十分時間をみておく必要がある。ほとんどは、県道に沿って流れる川に架かっており、目に入りやすいが、一部、場所がわかりづらいものもある[要出典]。
- 御幸の橋
- 1773年(安永2年)創建 1970年(昭和45年)愛媛県指定民俗文化財、日本百名橋
- 三嶋橋
- 1923年(大正12年)
- 豊年橋
- 1951年 (昭和26年)
- 帯江橋
- 1952年(昭和27年)
- 龍神橋
- 平成2年 三杯谷の滝開発事業時整備
- ふれあい橋
- 平成4年 観光用に架設されたもの
- 龍王橋
- 平成9年
- 秋滝橋
- 平成9年
御幸の橋
三嶋橋
帯江橋
ふれあい橋
龍王橋
- 内子町
- 喜多郡内子町の石畳地区へと向かう県道沿いにも屋根付橋が3つ現存する。田丸橋は昔の姿をのこしつつ、杉皮ぶきの屋根を持ち、長さ15メートルにも及ぶ。県道からよく見える場所にあり、町の文化財にも指定されている。同橋は1944年(昭和19年)の建造と伝えられ、2002年「土木学会選奨土木遺産」として認定され、橋のたもとに碑が設置されている。NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』のロケ地の1つともなった。
- 内子町(旧:内子町)にはかつて10を超える屋根付橋があったといわれるが、洪水による破壊・流失、利用が少なくなったことによる関心の低下などにより、次第に数は減り、今日では3橋のみ残っている。なお、この田丸橋は地域住民により保存会がつくられ、住民自身の手で復元されたものであり、大切に管理されている。
- 国道56号沿いの伊予市との境界近くにもやや大きめの橋がある。これは復元されたもの。
- 田丸橋
- 1944年(昭和19年)泥橋を屋根付きとして改築 町指定の有形民俗文化財
- 下宮橋
- 1994年(平成6年)築造
- (弓削神社)の橋
- 弓削神社にあり太鼓橋ともよばれる。神社創建は室町時代の応永3年(1396年) 町の名勝、日本百名橋
内子の田丸橋
弓削神社の橋
- 西予市
- その他
ヨーロッパ
出典
参考書籍
- 出田肇 『日本の屋根付橋 四国 奥伊予』 (発行:地域環境研究所)
- 詳しい実測図などが付記されている
関連項目
外部リンク
- 日本の屋根付橋
- 全国【屋根付き橋】巡り
- ^ 土木学会関西支部 編 『図解・橋の科学 なぜその形なのか? どう架けるのか?』 p.120 講談社(ブルーバックス B-1676) 2010年3月20日発行 (ISBN 978-4-06-257676-5)