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定位感

オーディオ・スピーカーにおける定位感(ていいかん)は、ステレオ録音におけるサウンド・ステージのなかで、音像の配置関係が左右以外にも遠近方向に渡って表現される情況を指す。左右の配置は音量のバランスで示されるが、遠近感は左右の逆相成分の大小、イコライジングによるプレゼンスの強弱によって得られる。

解説

一般に逆相成分の多い音は遠くで広がるように聞こえ、少ない音は近い場所で直接的に鳴っているように聞こえる。またイコライジングでも200~2000Hzまでが徐々にブーストされた音は前に張り出して聞こえ、逆にカットされた音は奥に引っ込んだように聞こえる。逆相成分による現象はホールの反響に起因する経験的なもので、イコライジングによる現象はラウドネス効果による音響心理的なものである。

ステレオ録音のサウンド・ステージの構築には歴史的経緯がある。初期のステレオ録音はダイレクト・ミックス(録音と同時に2chミックスを作成する手法)が基本のため、チャンネル毎にエフェクターによる処理を試行錯誤することが困難であり、ホールでの録音をベースとするクラシック録音以外の分野では、ステレオとは各パートが単純に2chモノトラックに分配されたDuo-Monauralと言われる代物で、そこにはサウンド・ステージという概念は存在しなかった。ポップスにおいてステレオ録音のサウンド・ステージの概念が生まれたのは1960年代後半のことであり、ビートルズの仮想ライヴをイメージしたアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)が最初であったと思われる。その後、サイケ・ムーヴメント、スペース・エイジへと時代の潮流が動くに従って、ステレオ空間の表現は阿空のものへと広がった感がある。その阿空に広がるサウンド・ステージの上で繰り広げられるパフォーマンスの空間配置が、ポップスにおけるステレオ録音の定位感となる。

一方でこのような多数の演奏者の空間配置を制御するものとして、(マルチトラック)録音の発展は不可欠であった。(マルチマイク)自体は戦前のラジオ放送で既に実践されておりながら、従来から録音現場で即座にミックス・ダウンもしくはオーバー・ダビングを繰り返していたのが基本であった。これに比べ、8ch単位の録音トラックを同期して扱えるテープレコーダーが現れたことにより、ステレオ空間での再配置という作業が容易になった。またマルチトラック用のミキサー卓にイコライザーが各チャンネルに装備され、必要なエフェクター類も独立して接続できるようになったため、付け録りやトータルエフェクトよりも何回でもやり直しの効く精緻なサウンドステージの構築が可能になった。

(マルチマイク)でのサウンド・ステージの構築手法は、クラシック録音ではデッカグラモフォンなどで徐々に練られており、雛形となるサウンド・ステージの経験があって初めて聴き手のイメージと一致することが判る。例えば、ラジオ放送でマイクに向かって歌う、ギターにマイクを寄せるという行為からくる音響効果は、今スタジオに居るという音像を目標としているし、モノラル時代から既に存在していたマルチマイクの発展もアレンジの粋をリスナーに明瞭に届ける意図があった。ジャズの録音で有名なヴァン・ゲルダーのオンマイクを重ね合わせるサウンドは、1960年代までのロックの世界でも長く用いられてきたものである。

一方でBBC放送が1960年代初頭からクラシックのステレオ中継にこだわった結果、リスナーの側のサウンド・ステージの概念が十分に発展してきたといえ、1960年代後半から始まったロックでのスタジオ・ライブにも、広めのスタジオを使ったサウンド・ステージの萌芽が十分みられる。逆にアメリカン・ポップスでのサウンド・ステージの萌芽は、クラブでのライブよりも大規模なステージ音響が可能になった1970年代ロック・シーンを抜きにして、ステレオ録音に転化すべきサウンド・ステージの経験は得られなかったとも思われる。

マルチトラック・テープレコーダーが製品化されてまもない時代には冒険的な録音もあり、例えばモータウン・レーベルのように、ボーカルに深くエコーを掛けつつプレゼンスは高く張り出してくる、というようなサウンド・ステージの概念を逆手に取ったような存在感の大きなボーカル表現も多く存在した。あるいはモノラル時代のブルーノートに対し、ステレオ時代のモータウンという、アメリカン・サウンドの革新の図式が成り立つように思われる。現在ではデジタル制御されたリバーブなどで、精緻に残響のタイミングを調整することが可能な一方で、古いプレート式のリバーブによるリッチな倍音が持てはやされるなど、ミックス手法ひとつ取ってもボーダーレスな状況が存在する。

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