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西鉄天神大牟田線

天神大牟田線(てんじんおおむたせん)は、福岡県福岡市中央区西鉄福岡(天神)駅から福岡県大牟田市大牟田駅までを結ぶ西日本鉄道(西鉄)の鉄道路線である。路線記号はT

天神大牟田線
「水都」塗装の3000形
(大橋駅 - 井尻駅間 那珂川橋梁)
概要
起終点 起点:西鉄福岡(天神)駅
終点:大牟田駅
駅数 49駅 [注 1]
路線記号 T
運営
開業 1924年4月12日 (1924-04-12)(九州鉄道)
1912年12月30日(大川鉄道)
全通 1939年7月1日
所有者 九州鉄道+(大川軽便鉄道→)大川鉄道→九州鉄道→九州電気軌道
西日本鉄道
車両基地 筑紫車両基地柳川車両基地
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 74.8 km (46.5 mi)
軌間 1,435 mm (4 ft 8 12 in)
過去の軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)(津福-大善寺間)
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
運行速度 最高110 km/h (68 mph)[1]
路線図
(テンプレートを表示)

概要

天神大牟田線は西日本鉄道の本線格の路線にあたる。九州最大の繁華街である天神を起点に福岡県を南北に結ぶ大動脈であり、西鉄随一のドル箱路線である。沿線には県下でも比較的規模の大きな都市や拠点的な都市が連なっており、福岡都心から各地へ向かう路線の中でも古くから沿線開発が進んだ。

県内都市間輸送及び沿線輸送の役割を担っているため、福岡市への通勤・通学路線としての性格が強い。加えて、沿線には太宰府天満宮九州国立博物館や旧柳河藩城下町グリーンランドなどの観光地があり、中でも太宰府や柳川へは沿線外からの利用も多い。さらに大牟田駅ではやまさ海運が運航する三池島原ライン島原港行と連絡する三池港行バスと接続しており、福岡都心から島原半島長崎県)への最速ルートとなっている[2]

全体的には九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島本線と並行しており、鹿児島本線と同様、福岡市・春日市大野城市太宰府市筑紫野市久留米市みやま市・大牟田市の各都市を結ぶほか、JR線が通らない小郡市[注 2]柳川市[注 3] にも西鉄の駅がある。ただし福岡市側のターミナル駅がJRは博多駅なのに対し、西鉄は西鉄福岡(天神)駅と異なる。JRとの共同使用駅は大牟田駅のみで、同駅を除くと、徒歩10-20分程度で相互間を移動できる駅はあるものの、西鉄とJRの駅は隣接していない。福岡市南区井尻 - 雑餉隈間と久留米市の試験場前 - 津福間では鹿児島本線と交差するが、交差している地区のいずれも具体的な新駅設置計画はない。

九州新幹線、JR鹿児島本線、九州自動車道国道3号など、天神大牟田線に並行する他の主要な交通路が福岡県(筑紫野市)から一旦佐賀県三養基郡基山町鳥栖市)を通って再び福岡県(久留米市)に入るのに対し、西鉄天神大牟田線は小郡市中心部を通っており佐賀県内にかかる区間がなく、全線が福岡県内にある。

ほとんどの日本の大手私鉄路線は大都市内にJR駅と接続、または隣接するターミナル駅があるが、西鉄には福岡市内にJR駅と接続・隣接するターミナル駅がない。なお、西鉄福岡(天神)駅は福岡市地下鉄空港線天神駅福岡市地下鉄七隈線天神南駅と接続しており、こちらは後から西鉄の駅に接続する形で設置された。

日本の大手私鉄の駅としては天神大牟田線の西鉄福岡(天神)駅が最西端、大牟田駅が最南端に位置する。

2019年7月1日に全線開通80周年を迎えた[3]

路線名について

2000年12月までは路線名が大牟田線であったことから、本路線のことを「天神大牟田線」ではなく「大牟田線」と呼ぶ利用者が多い。また、かつては路線自体を指して急行電車の愛称が使われていた[4][注 4]

なお西鉄公式サイトの鉄道事業ページでは、一般に天神大牟田線と呼ばれる西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間を「本線」と称し、支線にあたる太宰府線甘木線を含め、3路線を総称して「天神大牟田線」という括り付けで呼称している[5]

路線データ

沿線風景

下り列車の進行方向基準に記述する。

西鉄福岡(天神) - 西鉄二日市

福岡市の天神九州最大の繁華街を形成しており、その中心にあるソラリアターミナルビルの2Fに西鉄福岡(天神)駅はある。この駅を出発するとやや右にカーブを描き、真南に進むようになると、まもなく全ての電車が停車する薬院駅に到着する。薬院地区は天神の繁華街からはやや離れた位置にある。薬院駅は博多駅六本松方面へのバス路線や地下鉄七隈線との接続駅であり、全列車が停車する。薬院駅を発車すると、左にカーブを描き、再び南東方向に走る。カーブが完全に終わると、まもなく西鉄平尾駅を通過し、福岡市南区に入る。井尻駅付近までは福岡県道31号福岡筑紫野線とほぼ並走する。大橋駅を過ぎると国道385号を乗り越え、高架線を降り地平区間に入る。地平区間に入った後すぐに那珂川を渡り、JR九州新幹線博多南線)の高架をくぐり、井尻駅を過ぎると福岡高速5号線福岡高速環状線)の高架の下を過ぎる。そしてJR鹿児島本線を乗り越えると再び高架線に入り、しばらくして右にカーブを描きながら雑餉隈駅を通過する。JR鹿児島本線とは雑餉隈駅から桜台駅付近までほぼ同間隔で並走する。下大利駅を過ぎ、再び高架線を降りて地平区間に入り、御笠川を渡る。その後九州自動車道の下をくぐり抜け、国道3号としばらく併走する。この並走区間のほとんどは立体交差となっていて、本線の高架を左手に見ながら地上を走りぬける。その途中で都府楼前駅を通過、その後、進行方向左手から太宰府線単線の線路が近づくとすぐに西鉄二日市駅に到着する。

西鉄二日市 - 西鉄久留米

西鉄二日市駅は太宰府線との乗り換え客も多い。特に年始は太宰府天満宮への初詣参拝客で混雑する。その西鉄二日市駅を出発して約900mの地点に、天神大牟田線の中で最も新しい紫駅がある。朝倉街道駅手前で博多湾に注ぐ御笠川水系と有明海に注ぐ筑後川水系の分水嶺が存在するが、その標高はわずか海抜約40mであり、沿線風景も住宅地が続いている。その後国道3号をくぐると桜台駅を通過する。桜台駅を抜けると筑紫平野が広がり、JR筑豊本線(原田線)と立体交差し、筑紫駅を過ぎると進行方向左手に筑紫車両基地が見える。その後、右にカーブして南南西に進路を変える。ここから宮の陣駅まで福岡県道88号久留米小郡線と並走する。また津古駅から宮の陣駅まではしばらく直線が続く。西鉄小郡駅付近までは閑静な住宅街を走り抜け、そのすぐ手前で大分自動車道甘木鉄道の下をくぐる。この駅より甘木鉄道への乗り換えができる。西鉄小郡駅を出ると次第に住宅がまばらになり、宮の陣駅手前まではのどかな田園風景が広がる。夜間は真っ暗で、窓の外は何も見えないことが多いが、昼間は右手に遠く佐賀県鳥栖市の中心市街を望むことができる。その鳥栖市の手前には九州自動車道の高架が走っている。端間駅を過ぎた辺りで並走している福岡県道88号久留米小郡線のさらに奥で宝満川が並行して流れるようになる。味坂駅の手前で平行に流れていた宝満川が流路を南から西へ直角に向きを変え、その宝満川を鉄橋で渡った後、味坂駅を通過する。その後、九州自動車道をくぐると、まもなく小郡市から久留米市へ入る。この付近で電車は最も佐賀県に接近する。久留米ビジネスパークが左手に見えてくると甘木線の単線が見え、宮の陣駅に入る。宮の陣駅を出るとすぐに甘木線が合流する。駅を出てから甘木線と合流するため、宮の陣駅の甘木線ホームは天神大牟田線のホームとは並行でない。その甘木線と合流後、すぐに筑後川を渡る鉄橋を走り抜ける。鉄橋からは久留米市街が一望できる。鉄橋を渡るとすぐに国道210号を乗り越える。その後、住宅街を縫うように走り、途中で櫛原駅を通過。その直後から高架線を上り、久留米の繁華街の中心を形成する西鉄久留米駅に到着する。

西鉄久留米 - 西鉄柳川

西鉄久留米駅からはすぐ目の前に花畑駅が見える。このため、西鉄久留米駅を出発するとすぐに花畑駅に到着する。花畑駅は全ての電車が停車し、同駅発着の急行も多く設定されているが、隣の西鉄久留米駅に比べると利用者はかなり少ない。試験場前駅を出るとまもなく複線から単線になる。この単線は大善寺駅まで続く。JR久大本線の単線と鹿児島本線の複線と次々に乗り越えるが、その高架を九州新幹線が乗り越えている。すぐに高架を下り、住宅に挟まれたような狭い単線を走ると津福駅に到着する。この付近には、単線区間の複線化・高架化の早期実現を要望する看板が設置されていた。その津福駅を出発すると、矢加部駅の手前まで福岡県道23号久留米柳川線と並走する。津福駅から大善寺駅までは旧大川鉄道からの買収区間で、線路脇まで密集した住宅地や急カーブに、かつての軽便鉄道の名残りをうかがわせる。大善寺駅からは再び複線となる。ここからしばらくはカーブも少なく、比較的線形も良い。蒲池駅からは再び単線となり、蒲池 - 矢加部間で有明海沿岸道路と交差し、左にカーブして南西から南東に進路を変え、高架駅の矢加部駅を過ぎて沖端川を渡ると柳川市街地となり、西鉄柳川駅に到着する。

西鉄柳川 - 大牟田

西鉄柳川駅を過ぎると左手に柳川車両基地が広がり、有明海沿岸道路と再び交差する。徳益駅構内で右にカーブした後は、ほぼ直線の線路を南下してゆく。やや左にカーブし、西鉄唯一の信号場である中島信号場を通過、高架線を上る。高架線のうち真新しい区間は、高架下の県道大和城島線拡張に際して付け替えられたものである。西鉄中島駅を通過した後に矢部川を渡ると、みやま市に入る。開駅で単線区間が終わり、ここからは終点まで複線となる。西鉄渡瀬駅の手前で大牟田市に入り、市北部の丘陵地帯を通過。倉永駅を過ぎて県道南関大牟田北線をくぐった付近から進行方向左手に鹿児島本線が近づいてくる。西鉄銀水駅の手前から鹿児島本線と完全に併走し、複々線のような様相を呈する。なお、鹿児島本線との並走区間は踏切構造がJRの基準に合わせられている。 大牟田市街地に入り、新栄町駅を過ぎ、三井三池専用鉄道廃線)の高架をくぐると、終点の大牟田駅に到着する。

輸送形態

2009年度における最混雑区間(平尾→薬院)の、朝ラッシュ時ピーク1時間の集中率は25.9%[7] となっている。この数値を同じく2009年度の関西圏、及び中京圏における大手私鉄主要路線と比較すると、天神大牟田線より集中率が低いのは名鉄常滑線(25.8%)と阪急京都本線(25.0%)のみ[8]。これは当路線がラッシュ時に都心方向のみならず、オフピーク時の利用も比較的多い路線であることがいえる。

2020年度の混雑率は、平尾駅→薬院駅間(8:00-9:00)で100%である[9]

運行形態

列車種別

以下の種別の列車が運行される。

特急

天神大牟田線の最速種別である。特急料金は不要。原則全列車が西鉄福岡(天神) - 大牟田間で運転され、都市間輸送の基幹となっている。平日朝夕および土日祝日終日に30分間隔で運転される。なお、朝のラッシュ時に上り西鉄福岡(天神)行きは、輸送力が低下するため運行されない。また、以前は平日日中にも運転されていたが、2021年3月13日のダイヤ改正より運行がなくなり、代替として西鉄福岡(天神) - 大牟田間に急行が運転されるようになった[10]

停車駅は、西鉄福岡(天神)駅薬院駅大橋駅西鉄二日市駅西鉄久留米駅花畑駅大善寺駅西鉄柳川駅新栄町駅大牟田駅である。

2008年3月22日のダイヤ改正で最高速度が100km/hから110km/hに引き上げられ、西鉄福岡(天神) - 西鉄久留米間最速28分、西鉄福岡(天神) - 大牟田間最速58分に短縮したが、2017年8月26日のダイヤ改正より大橋駅に停車するようになったため、現行ダイヤでは西鉄福岡(天神) - 西鉄久留米間では下り最速30分、上り29分、西鉄福岡(天神) - 大牟田間では最速下り62分、上り60分となっている。

急行

終日運転され、平日日中は西鉄福岡(天神) - 花畑・大牟田間に毎時各2本運行される。平日朝夕ラッシュ時は西鉄福岡(天神) - 西鉄二日市・筑紫・西鉄小郡間の運行もされる。土日祝日には西鉄福岡(天神) - 西鉄小郡・花畑間に毎時各2本運行される。平日・土日祝日ともに、早朝・夜間には西鉄福岡(天神) - 西鉄柳川・大牟田間や西鉄柳川 - 大牟田間を運行する列車もある。

停車駅は、西鉄福岡(天神)駅薬院駅大橋駅春日原駅下大利駅西鉄二日市駅朝倉街道駅筑紫駅三国が丘駅西鉄小郡駅宮の陣駅および西鉄久留米駅以南の特急停車駅であるが、後述のとおり例外もある。

特にラッシュ時の急行の混雑度は始発・終点によって大きく異なり、大牟田・西鉄柳川発の列車は都心から離れた西鉄柳川駅・大善寺駅等でも混雑度は高いが、西鉄福岡(天神) - 西鉄二日市間の急行については出発時における混雑度は低くなっている。

遠近分離の原則に基づき、西鉄福岡(天神)駅に2本連続急行が到着する時間帯については、先に運行距離が短い筑紫駅二日市駅を出発した列車が到着し、後に、大牟田駅柳川駅など出発した長距離運行された列車を到着させる。これにより、乗客の分散が可能で、春日原駅大橋駅などで後の急行へ乗車する人を抑制することができ、混雑を緩和させることが可能である。

急行は、一部区間が普通(各駅停車)に種別変更される列車がある。西鉄小郡発着の列車は、筑紫 - 西鉄小郡間は各駅に停車する。また、西鉄福岡(天神)発筑紫ゆきは、途中西鉄二日市駅以南で、同様に各駅に停車する。上りは筑紫駅を出発する時点から急行として運転される。また、試験場前駅津福駅などから発車する列車の一部は、筑紫以北(西鉄福岡(天神)駅方面)より急行運転を開始することもある。西鉄久留米以南に向かう列車も、平日の夕方に2本ある津福行き急行が西鉄久留米以南で各駅停車へ種別変更する。なお「花畑ゆき急行」はこのパターンに該当しない。

当線にいわゆる「区間急行」等の種別はないため、種別変更をする際は、方向幕の表示を急行から普通、普通から急行へと変更する。また、太宰府線直通の「急行 太宰府ゆき」は太宰府線では各駅に停車するが、方向幕は「急行」表示のままである。

2017年8月26日のダイヤ改正より、朝の上りの急行のうち、1本(平日と土日祝日では時刻が異なる)が西鉄久留米駅で特急と緩急接続を行い、ほかに平日の1本が西鉄小郡駅で特急を待避するようになった。普通列車となる区間を除くと急行の特急待避は西鉄初のことである。2021年3月13日のダイヤ改正より特急とともに急行の運行形態も大幅に変更され、現行のダイヤとなった[10]

西鉄の前身の九州鉄道は1924年4月24日、インターアーバンとして成功させていた阪急電鉄神戸本線に倣い、「汽車[注 5]より早い急行」を宣伝広告とした福岡(現、西鉄福岡(天神)) - 久留米間を55分で結ぶ急行を16分毎に走らせた。1930年、表定速度52km/hで福岡 - 久留米間を45分で結ぶ急行を2時間毎に運行した。大牟田線全通後は、1941年に福岡 - 大牟田間を75分で走行する急行の運行を開始した。この急行は第二次世界大戦中の一時休止を経て、戦後の1946年10月1日に福岡 - 大牟田間を90分で結ぶ急行として復活した。またこの急行とは別に1956年からは従来の急行停車駅に加え西鉄小郡駅・宮の陣駅と西鉄久留米駅以南の各駅に停車するローカル急行が運転されていた。当時の急行が現在の特急、ローカル急行が現在の急行の前身に当たる。

 
正月三が日に運行される急行「初詣号」

正月三が日には太宰府天満宮への初詣客輸送の輸送のため臨時急行「初詣号」が西鉄福岡(天神) - 太宰府間に運行される。通常の日の西鉄福岡(天神) - 太宰府間の急行と異なり、日中に30分間隔で上下両方向に運行される。「初詣号」にはヘッドマークが取り付けられる。1997年9月27日のダイヤ改正で日中の急行が1時間4本となったため余裕がなくなり、翌年からは西鉄小郡駅折り返しの列車を太宰府駅発着に差し替える形で運行している。

1996年までは2月の観梅期間中、西鉄福岡 - 太宰府間に臨時急行「とびうめ号」を運行していた。2015年より、2月上旬の1日に限り、西鉄福岡(天神)発太宰府行き急行の1本を「観梅号」とし、太宰府市のキャラクター「千梅ちゃん」のヘッドマークを付けて運行している[11][注 6]

普通

平日日中は西鉄福岡(天神)- 筑紫・西鉄小郡・大善寺間で毎時2本運行される。朝・夕は西鉄福岡(天神)- 西鉄二日市・西鉄柳川間の列車も運行される。太宰府線直通列車も西鉄福岡(天神)→太宰府間・太宰府 → 筑紫・西鉄小郡間で運行されている。また、西鉄久留米以南においては甘木線直通列車が大牟田・西鉄柳川・西鉄久留米 - 甘木間でワンマン2両編成で運行されている。甘木 - 大牟田系統はダイヤ上、殆どの列車が西鉄柳川で15 - 22分程度の長時間停車を行う(その間に特急・急行との緩急接続も行われる)。

土日祝日の日中は西鉄福岡(天神)- 西鉄二日市・筑紫・大善寺間の運行となる。普通電車は西鉄福岡(天神)駅を10分間隔で発車しており、間に特急大牟田行きまたは急行小郡行き・花畑行きが発車する。

なお、大橋・西鉄二日市など待避線を持つ一部の駅で終日緩急接続が行われている。なお、朝・夕ラッシュ時は変則的であり、春日原駅など、日中は緩急接続を行わない駅での接続や、朝の一部の上り列車で、普通列車が2本の急行列車に追い越されるなど、日中には見られない状況が起こる。

早朝、朝夕ラッシュ時、夜間、深夜には西鉄柳川駅発着の列車もある。早朝には筑紫駅始発の下り列車もあるほか、平日の早朝に下りのみ全線通しの列車が1本ある。これは柳川車両基地で検査を行う車両の送り込みも兼ねている。また、案内表示上の行き先より手前の筑紫・西鉄久留米・花畑・西鉄柳川の各駅で「車両取替え」と称した車両交換を行い、同一ホームで乗り換えとなる列車がある。目的はラッシュ時の多両編成からデータイムの4両編成への切り替えまたは車両運行上の安全の都合である。

臨時列車

  • 大晦日から元旦にかけて全区間で終夜運転を実施する。
  • 正月三が日には上述のように太宰府駅発着の急行を運行するためダイヤが変更される。
  • 毎年7月15日には博多祇園山笠の追い山の観客輸送のため、午前3時台に花畑発西鉄福岡(天神)行き列車が運行される。
  • 毎年10月末に、太宰府天満宮で11月に開催される菊花展に展示される菊を輸送する「菊電車」と呼ばれる列車が大牟田から太宰府まで1本運行される。5000形など一般車が使用されるが、一般客の乗車はできない[14][15]

観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」

 
THE RAIL KITCHEN CHIKUGO

2019年3月23日から運行を開始した観光列車[16]。名前の通り、車内の調理設備で沿線の食材を使った料理を提供し、内装には城島瓦(久留米市)、八女竹(八女市)の竹細工といった伝統工芸品を用い、筑後(沿線である福岡県南部)らしさを演出する[17]。運行日は金・土・日曜日と祝日。昼間に西鉄福岡(天神)発大牟田行きの「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」、夕方に大牟田発西鉄福岡(天神)行きの「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」を運行[16]。2019年6月1日からは西鉄福岡(天神)発太宰府行きの「ブランチの旅 (DAZAIFU BRUNCH SET)」も運行している[16]

2022年9月1日よりコース及び運行日程が変更にされた。運行日は木・金・土・日曜日と祝日となり、コースは西鉄福岡(天神)発着の「地域を味わうアーリーランチ」と、西鉄福岡(天神)駅発大牟田行きの「地域を味わうレイトランチ」の運行となり、車内で提供される料理も、これまでの季節のピザをメインにしていたものから3人の新しい料理監修者によるコース料理に変更された[18]


過去の列車種別

直行

1987年3月25日のダイヤ改正で新設され、2010年3月27日のダイヤ改正まで設定されていた種別で、平日朝に下り4本のみ西鉄福岡(天神) - 西鉄二日市間で運行されていた(列車自体は車庫のある筑紫まで運行されていたが、西鉄二日市 - 筑紫間は回送)。新設時は西鉄二日市までノンストップだったので「直行」という名称が使われていたが、1995年から途中で薬院駅のみ停車するようになった。朝ラッシュ時に増えた上り列車を車両基地まで送り込む、(送り込み列車)としての意味合いを持っていた。

当初は福岡→春日原間の直行も存在した。

車両は、末期は主に6000形・6050形7両または8両で運行していた。

快速急行

2001年1月20日のダイヤ改正で新設され[19]、2010年3月27日のダイヤ改正まで設定されていた[20] 種別で、平日朝に上り2本(大牟田・西鉄柳川発各1本)が運行されていた。両列車ともに8両編成での運行[19]。また、2本とも途中駅で特急を待避しなかった。

この快速急行の設定以前に朝ラッシュ時の上り急行で、二日市以北の急行停車駅(大橋駅・春日原駅・下大利の各駅)を通過していた8両編成使用列車を格上げする形で新設された[19]

停車駅は、通常の急行停車駅から春日原駅と下大利駅を差し引いたもの。この2駅に停車しない理由は、ラッシュ時の急行の遠近分離による混雑緩和のためと、春日原では踏切の制約などにより8両編成の列車が停車できないためである(ドアカットを行えない)。一方、大橋駅は新設当日からホームが8両対応に延伸されたため、新規に停車することとなった。

車両は主に6000形・6050形の8両編成が使用された。

准急(じゅんきゅう)

1939年(昭和14年)7月1日の大牟田線全通時に初めて設定された。停車駅は九鉄福岡(現・西鉄福岡(天神)駅) - 春日原間の各駅、二日市、久留米 - 大牟田間の各駅で、運転間隔は25分、所要時間は福岡 - 久留米間が45分、福岡 - 大牟田間が110分となっていた。 1956年(昭和31年)12月1日より、早朝と夜間を除いてローカル急行列車に格上げされる形で運転本数が減らされ、1958年(昭和33年)4月1日のダイヤ改正で全廃された[21][22]

表記は「急」であり、「急」ではない。

ローカル急行

1956年(昭和31年)12月1日ダイヤ改正で、准急列車の一部を格上げする形で設定された。停車駅は二日市、小郡、宮の陣、久留米以南の各駅となっていた。福岡 - 久留米間の所要時間は42分。1959年(昭和34年)5月1日ダイヤ改正で、従来の急行が特急に改称されたのと同時に、ローカル急行は急行に改称されて名称が消滅した[21][22]

運転本数

2021年3月13日改正ダイヤの日中の各区間における1時間あたりの運転本数は以下の通り。

平日ダイヤの日中の運行パターン
種別\駅名 西鉄福岡

天神
西鉄二日市 筑紫 西鉄小郡 宮の陣 花畑 大善寺 大牟田
運行本数 急行 2本
2本  
普通 2本  
2本  
2本  
甘木線← 2本
土曜及び日曜祝日ダイヤの日中の運行パターン
種別\駅名 西鉄福岡

天神
西鉄二日市 筑紫 西鉄小郡 宮の陣 花畑 大善寺 大牟田
運行本数 特急 2本
急行 2本  
2本 2本
普通 2本  
2本  
2本
甘木線← 2本

2020年の特別ダイヤ

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020年4月から5月の緊急事態宣言期間中、当線では土日祝日を対象に特別ダイヤを設定して運行していた。感染拡大の初期段階で、人流を大幅に減らす動きから、これから数回実施されることとなる特別ダイヤとは異なり、新しいダイヤのもとで運行された。

以下に、西鉄福岡(天神)駅を発車する、日中の下りダイヤをまとめる。

時間 行先 種別
毎時00分 大牟田 急行
毎時15分 筑紫 普通
毎時30分 花畑 急行
毎時47分 花畑 普通

※太宰府線:毎時2本、甘木線直通:毎時1本

最速種別の「特急」の運行を取りやめ、急行を原則として7連ロングシート車両での運行とした。普通についても長編成化が行われた。急行も含め、緩急接続がない停車駅でも、停車時間を長く確保して換気を行えるよう配慮された。

また、始発を遅らせ、柳川発大牟田ゆき急行が6:03、西鉄福岡(天神)発花畑ゆきが6:10、大牟田ゆき急行が6:23など、大幅に変更された。同様に終電の繰り上げも実施され、全線通しの西鉄福岡(天神)発大牟田ゆき急行が21:00には終了し、最終電車の筑紫ゆき普通も22:21となる大幅なダイヤ変更が実施された。

2021年の特別ダイヤ

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発出され、福岡県からの要請を受けた際には、土日祝日に特別ダイヤによる運行が行われる。

ダイヤについては、日中は、通常の土日祝日ダイヤ(共通)から急行花畑ゆき及び急行小郡ゆき(筑紫から各駅停車)を差し引いたものである。すなわち特急と普通の2種別による運行となる。なお、輸送力確保のため、特急は5000形または6000形・6050形の7両編成が原則となる。一部3000形7両編成も見られる。こちらは通常では見られない編成である。また、普通においても、3000形5-6両、9000形5-6両など、変則的な運行となる。なお、5000形や6000形・6050形の4両編成による通常の車両による運行も行われる。早朝・深夜時間帯においても、一部運行されない列車が設定される。

終電については、原則として繰り上げないが、特別ダイヤ実施の際の感染状況を考慮して、23時00分福岡(天神)発の「急行 柳川ゆき」に繰り上げる場合もある。なお、終電繰り上げを実施した場合も、ダイヤ及び車両運行の調整の都合上、回送列車として列車の運行を行い、車両基地への送り込みを行なっている。

女性専用車両

平日の概ね7時30分から9時過ぎまでの間に西鉄福岡(天神)駅に到着する上り優等列車の最後部(大牟田寄り)1両は女性専用車両となっている。途中駅から急行運転を開始する普通電車も同様である[23]

なお、小学生以下の旅客や身体障害者および介助者の旅客は女性専用車両に乗車可能である、としている。

快速急行の廃止直前は特急・急行は7両編成、快速急行は8両編成での運行となっていたため、女性専用車両の乗車位置が特急・急行と快速急行とで異なる駅も存在した。その場合は快速急行の乗車口に快速急行の種別カラーであるオレンジ色を用いて、他の種別との乗車位置の違いを区別していた。2012年3月24日ダイヤ改正では西鉄福岡(天神)駅に9時過ぎに到着する上り特急が設定対象外となったため、女性専用車両の設定対象全列車が急行となったが、2014年3月22日のダイヤ改正では同列車が再度設定対象となった。

サイクルトレイン

実証実験

2021年10月23日から12月12日まで、土日祝日の西鉄福岡(天神)駅を10時00分から16時00分に、大牟田駅を10時23分から15時53分に出発する特急列車を対象に手数料・追加料金等一切不要で自転車を持ち込むことができる「サイクルトレイン」のサービスを試験的に導入した[24]。福岡県の「サイクルツーリズム」の取り組みと連携するとともに、持続可能な開発目標 (SDGs) への貢献へもつながるとしている。全ての特急停車駅で利用可能。大牟田側1両を自転車持ち込み可能車両とする。また、転倒を防止するため自転車を固定ベルトで固定する必要がある。

また、好評につき後日対象列車の拡大が行われた。

本格導入

2022年3月26日より、サイクルトレインの本格実施が始まった[25]。持ち込み可能列車は西鉄福岡(天神)駅を6時23分から16時00分まで、大牟田駅を10時23分から21時24分までに発車する土日祝日に運行される特急列車で、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始は持ち込み不可となる。持ち込みにあたり、運賃に加えて1回300円の持ち込み料が発生する。また、事前予約制とし、乗車の1か月前から10分前までにLINEにて乗車の予約およびクレジットカードによる持ち込み料の支払いを済ませておく必要がある。その際、乗車位置が指定され、乗車の際は、進行方向右側の使用しない扉付近や使用されていない車椅子スペースに乗車する。1両あたり2台、1編成で最大12台の自転車の乗車が可能である。

車両

現用中の車両

  • 3000形:優等運用を主とする、転換クロスシート型の車両である。2006年3月に600形・700形の代替として西鉄初のステンレス車両として登場した。扉は1車両片側3つで、1車両に2人掛けクロスシートが20脚、乗務員室と接しない車端部には4人掛けロングシートを設置。また、2007年にローレル賞を受賞した[26]。2021年3月のダイヤ改正により、平日日中の特急の運行が取り止められたので、西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄小郡駅間の普通列車の運用にも充てられている。
  • 5000形:普通列車の運行を主とし、ラッシュ時には特急・急行としても運用される、天神大牟田線の主力車両である。1975年から40編成が製造されたが、老朽化も進んでいるのも事実で、9000形への置き換えも徐々に進んでいる。扉は1車両片側3つ、座席は全てロングシートで通勤時の輸送力の向上を図っている[27]
  • 6000形・6050形:普通列車の運行を主とする車両で、5000形をベースに製造された西鉄初の4扉車である。空調のマイコン化や客室と乗務員室の双方向通話可能な非常通報装置、車椅子スペースの新設など、旅客サービスの向上が図られた[28]。また、2年後には、マイナーチェンジが行われた6050形が登場。西鉄初のVVVF制御装置と誘導電動機が採用され、以後製造される車両の基となった。6157号車ではボルスタレス台車を採用した[29]。車内は6000形・6050形共通でドア上にLED車内案内表示板が設置されている。また、ラッシュ時は4扉の持ち前の輸送力を活かして急行・特急に多く充てられている。
  • 7000形・7050形:ワンマン運転機能を備えた通勤用車両で、6000形・6050形との併結を考慮しつつ、短編成でのワンマン運転にも対応している。6000形に続く4扉車で、車内にはLED車内案内表示板を設置。座席はロングシートである[30]。また、マイナーチェンジされた7050形は内装・機能は7000形を踏襲し、車体は3扉に変更された[31]。主に、甘木線直通の甘木駅 - 大牟田駅間で運用され、ワンマン運行の場合は必ずこの車両が使用される。天神大牟田線北部地域でも一部運行されている。
  • 9000形:2017年に既存の5000形の代替となる通勤型車両として登場。3000形をベースに安全・サービス・省エネルギーの性能を向上させた。デザインは前に進む力強さと次世代型車両としての新しさを表現しつつ、車体側面には歴代の車両でも多く採用されている赤帯を配置。客室は片側3扉で全席ロングシートである。また5000形に比べて1人あたりの座席幅を拡大させるとともに、出入り口間の座席は9人掛け、車端部は4人掛けに定員は縮小した。液晶画面の車内案内表示器は各扉上部に2台ずつ設置したほか、UVカットガラスや車椅子・ベビーカーの優先スペース設置などバリアフリー拡充も図った[32]。5000形の代替車両であり、現状は急行運用が主となっている。
  • (911F):救援車で、5000形3両編成を改造したものである。

過去の車両

廃車・改造・他線への転出などにより天神大牟田線から消滅した車両を以下に示す。開業時から1960年代の2代目600系出現以前までに製造・鋼体化改造された車両は、形式ごとに規格・性能の差異が大きく、車体サイズの大小(13m級から18m級、連接車までの混在)や扉数の不統一(2・3扉の混在)が著しかった。時代ごとの輸送需要や路線延伸計画の状況により、九州鉄道およびその継承企業たる西鉄が、大牟田線の車両施策を一貫できなかったことの表れと言える。これらの雑多な混在状況は、2代目600系以降の通勤型電車規格化・大型化で徐々に改善されていった。

車両数の変遷

9000 8000 7050 7000 6050 6000 3000 2000 5000 700 600 1000 1300 300 200 100 20 合計(冷房車)
1978   36 39 4 57 20 8 22 30 12 18 246(136)
1982   36 63 4 57 24 8 20 30 12 4 258(160)
1983   36 72 4 57 24 8 20 30 6 257(181)
1984   36 90 4 57 24 8 14 30 263(211)
1985   36 103 4 57 24 8 14 30 276(232)
1986   36 118 4 57 24 8 11 30 288(239)
1987   36 127 4 57 24 30 278(248)
1988   36 130 4 57 24 30 281(251)
1989   18 36 130 4 57 24 30 299(269)
1990   36 36 130 4 57 24 3 290(287)
1991   36 36 133 4 51 24 3 287(284)
1992  
1993   36 10 36 136 4 46 24 3 295(292)
1994   36 30 36 136 4 46 24 312(312)
1995   36 8 30 36 136 4 46 24 320(320)
1996   36 12 30 36 136 4 46 20 320(320)
1997   36 12 30 36 136 4 46 20 320(320)
1998   36 23 30 36 136 4 46 16 327(327)
1999   36 23 30 36 136 4 46 16 327(327)
2000   36 26 33 36 136 4 43 12 326(326)
2001   36 12 26 33 36 136 4 43 326(326)
2002   36 22 26 33 30 136 4 31 318(318)
2003   36 6 22 26 33 30 136 4 29 322(322)
2004   36 12 22 26 33 30 136 4 19 318(318)
2005   36 18 22 26 33 30 136 4 15 320(320)
2006   36 18 22 26 33 6 30 136 4 10 321(321)
2021 29   18 22 25 33 60   106   293(293)
  • 1978年は10月1日現在、82・83年は1月1日現在、84年以降は4月1日現在
  • 『私鉄車両編成表』各年版、ジェー・アール・アール
  • 2021年は8月現在、公式ホームページより
  • 事業用車除く

歴史

西鉄福岡(天神) - 津福間と大善寺 - 大牟田間は西鉄の前身の九州鉄道(2代目)の手で当初から電化路線として開業したものである。津福 - 大善寺間は大川鉄道により1912年(大正元年)に開業した区間で、1937年(昭和12年)に九州鉄道が大川鉄道を吸収合併した際に改軌電化した上で組み込んだものである。1924年(大正13年)に西鉄福岡(天神) - 西鉄久留米間が開業した当時、炭都大牟田、そして熊本市までの延伸を視野に入れていたが、1939年(昭和14年)に大牟田まで開通して以降、土地の確保に難航したことと、熊本県側が協力的ではなかったため、熊本延伸計画は頓挫した[33]

西鉄福岡(天神) - 西鉄久留米間は開通当時から複線区間だが、西鉄久留米以南は資金難のため、単線で開業した。その後、八丁牟田駅付近や開駅以南など、特急同士の離合箇所を優先的に複線化したため、西鉄久留米駅以南だけでも約6割は複線化施工済である。大溝駅倉永駅西鉄銀水駅など上下本線に挟まれた島式プラットホームの駅が存在するのは複線化の歴史の名残である。

年表

  • 1924年大正13年)4月12日 九州鉄道により福岡(現在の西鉄福岡(天神)) - 久留米(現在の西鉄久留米)間が開業。
  • 1927年昭和2年)6月1日 薬院駅開業。
  • 1932年(昭和7年)12月28日 九州鉄道 久留米 - 津福間が開業。
  • 1937年(昭和12年)
    • 6月22日 九州鉄道が大川鉄道を合併。上久留米 - 津福 - 大善寺 - 榎津間を譲り受ける。
    • 10月1日 旧大川鉄道線の津福 - 大善寺間を1067mm軌間から1435mm軌間に改軌し、電化。大善寺 - 柳河(現在の西鉄柳川)間が開業(上記以外の旧大川鉄道線の歩みについては西鉄大川線を参照)。
  • 1938年(昭和13年)
    • 9月1日 柳河 - 中島(現在の西鉄中島)間が開業。
    • 10月1日 中島 - 栄町(現在の新栄町)間が開業。
    • 12月1日 福岡 - 津福間を軌道法から地方鉄道法準拠に変更。
  • 1939年(昭和14年)7月1日 栄町 - 大牟田間が開業。福岡 - 大牟田間の大牟田線が全通。同日、以下11駅の改称届出。
    • 福岡駅→九鉄福岡駅、平尾駅→九鉄平尾駅、雑餉隈駅→九鉄雑餉隈駅、二日市駅→九鉄二日市駅、小郡駅→九鉄小郡駅、久留米駅→九鉄久留米駅、柳河駅→九鉄柳河駅、中島駅→九鉄中島駅、渡瀬駅→九鉄渡瀬駅、銀水駅→九鉄銀水駅、栄町駅→九鉄栄町駅[34]
  • 1942年(昭和17年)
    • 9月19日 九州電気軌道が九州鉄道などを合併。
    • 9月22日 九州電気軌道が西日本鉄道に改称。同社の大牟田線となる。同時に九鉄福岡駅を西鉄福岡駅に、九鉄平尾駅を西鉄平尾駅に、九鉄雑餉隈駅を西鉄雑餉隈駅に、九鉄二日市駅を西鉄二日市駅に、九鉄小郡駅を西鉄小郡駅に、九鉄久留米駅を西鉄久留米駅に、九鉄柳河駅を西鉄柳河駅に、九鉄中島駅を西鉄中島駅に、九鉄渡瀬駅を西鉄渡瀬駅に、九鉄銀水駅を西鉄銀水駅、九鉄栄町駅を西鉄栄町駅に改称。
  • 1944年(昭和19年)8月10日 柳川車庫竣功。
  • 1946年(昭和21年) 臨時駅として白木原駅開業。
  • 1950年(昭和25年)5月6日 白木原駅を常設駅に昇格。
  • 1951年(昭和26年)11月1日 西鉄久留米 - 試験場前間複線化。
  • 1954年(昭和29年)以前 中島信号場開設。
  • 1956年(昭和31年)12月1日 西鉄久留米以南の各駅に停車するローカル急行の運行を開始。准急を廃止。
  • 1959年(昭和34年)5月1日 急行を特急に格上げ(特別料金不要)。ローカル急行を急行に格上げ。特急・急行・普通の3種別となる。
  • 1960年(昭和35年)
  • 1961年(昭和36年)
    • 4月 西鉄銀水 - 西鉄栄町間複線化。
    • 6月21日 西鉄栄町 - 大牟田間複線化。
    • 11月1日 西鉄福岡駅高架化。
  • 1965年(昭和40年)11月20日 開 - 倉永間複線化。
  • 1966年(昭和41年)10月 輸送量増加のため西鉄柳河駅の大牟田方に検車区を新築。車庫も現在地へ移転。
  • 1967年(昭和42年)2月 大善寺 - 三潴間、大溝 - 蒲池間複線化。
  • 1968年(昭和43年)4月10日 大橋 - 春日原間でATS使用開始[35][36]
  • 1969年(昭和44年)3月1日 櫛原 - 西鉄久留米間高架化。朝倉街道駅が急行停車駅となる。
  • 1970年(昭和45年)4月28日 西鉄栄町駅を福岡寄りに221m移転、新栄町駅と改称。
  • 1971年(昭和46年)3月1日 桜台駅が開業。西鉄雑餉隈駅を雑餉隈駅に、西鉄柳河駅を西鉄柳川駅に改称。
  • 1972年(昭和47年)12月26日 西鉄福岡 - 大牟田間の全区間でATS完備。
  • 1974年(昭和49年)6月10日 CTC完成。
  • 1975年(昭和50年)12月20日 シルバーシート設置。
  • 1978年(昭和53年)3月3日 西鉄平尾 - 大橋間高架化。大橋駅が急行停車駅となる。
  • 1982年(昭和57年)3月25日 筑紫車庫・検車区完成。使用開始。
  • 1983年(昭和58年)3月26日 春日原駅が急行停車駅となる。
  • 1987年(昭和62年)
  • 1989年平成元年)9月1日 下大利駅が急行停車駅となる。
  • 1992年(平成4年)3月25日 三国が丘駅が開業[38]
  • 1994年(平成6年)3月 気象観測システム導入[39]
  • 1995年(平成7年)
    • 3月25日 西鉄福岡 - 西鉄平尾間高架化[40]。薬院駅が全列車停車駅となる[41]
    • 4月25日 終日禁煙実施。
  • 1997年(平成9年)
    • 1月15日 三潴 - 大溝間複線化。複線化に伴い、犬塚駅が1面2線から2面2線となる。
    • 9月27日 西鉄福岡駅の改良工事完成。日中の西鉄福岡 - 西鉄小郡間で急行を増発(筑紫から各駅に停車)。筑紫駅が急行停車駅となる。
  • 2001年(平成13年)
    • 1月1日 線名を大牟田線から天神大牟田線に改称し、西鉄福岡駅を西鉄福岡(天神)駅に改称[19]
    • 1月20日 快速急行の運行を開始[19]。5種別となる。
    • 11月10日 西鉄久留米 - 大牟田間の一部列車をワンマン運転化。大善寺駅が全列車停車駅となる。
  • 2004年(平成16年)10月17日 西鉄久留米 - 津福間高架化[42]。花畑駅が全列車停車駅となる。
  • 2008年(平成20年)
  • 2010年(平成22年)3月27日 紫駅が開業。直行・快速急行を廃止、3種別となる。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月24日 三国が丘駅が急行停車駅となる。
    • 7月2日-9月7日 電力需給逼迫に伴う節電対策のため、平日日中を中心に一部車両を減車して運行(使用車両を差し替え6両編成→5両編成、5両編成→4両編成、4両編成→3両編成で運行する)。
  • 2014年(平成26年)3月22日 午前中に西鉄福岡(天神)発太宰府行き急行平日3本・土休日5本を新設。
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)5月15日 上り普通列車が扉が完全に閉まらない状態で白木原駅を発車、そのまま雑餉隈駅まで運行する重大インシデントが発生。負傷者はいなかった[44]
  • 2019年(平成31年)
  • 2020年令和2年)9月10日 JR九州の「A列車で行こう」と西鉄の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」が初のコラボ。大牟田駅がJRと西鉄の共同使用駅であることを活用し、両列車を片道ずつ利用し大牟田市内にある「石炭産業科学館」や「宮原坑」などの石炭産業を見学するツアーを実施[46]
  • 2021年(令和3年)4月1日 駅集中管理システムを導入。西鉄柳川駅および実施済の矢加部、徳益駅を除く三潴 - 西鉄銀水間の各駅を終日無人化[47][48]
  • 2022年(令和4年)
    • 4月1日 駅集中管理システムの範囲を桜台 - 安武間まで拡大(但し、途中の筑紫駅、三国が丘駅、西鉄小郡駅、端間駅、宮の陣駅、西鉄久留米駅、花畑駅、大善寺駅は除く。また、一部駅は一定時間駅員を固定配置)[49]
    • 8月28日 雑餉隈 - 下大利間高架化。

雑餉隈〜下大利間連続立体交差事業関連

2022年現在、雑餉隈駅から下大利駅間において、連続立体交差事業(鉄道高架橋新設工事)が進行中である[50][51]

具体的な事業区間は、井尻駅と雑餉隈駅間の鹿児島本線の頭上をオーバークロスする辺りから、大牟田方面に向かって下大利駅を過ぎた後で御笠川を渡る鉄橋の手前辺りまでである[52]。井尻駅と雑餉隈駅間の鹿児島本線オーバークロス付近から、福岡市と春日市の市境までの約1.86kmを福岡市、同市境を境に、下大利駅手前の御笠川を渡る鉄橋までの約3.30kmを福岡県が事業を進めている[50][52]。事業計画の予備調査が実施された1985年時点の段階では、春日原駅から下大利駅間までが事業計画区間だったが、後に計画変更で延伸された[52]

本事業によって、福岡市が行う事業区間で7箇所、福岡県が行う事業区間で12箇所、合計19箇所の踏切が廃止された。鉄道高架化により、踏切事故の解消や、朝晩を中心に慢性的に発生していた、踏切遮断後の渋滞解消が期待されている。

また、雑餉隈 - 春日原間には新駅「桜並木駅」も設置される予定である(場所は県道49号大野城二丈線との交差部分付近、西日本鉄道雑餉隈自動車営業所の隣接地)[53][6]

建設方式として、現在線の横に本線の高架工事終了まで使用する仮線を敷いて営業する仮線方式と、現在線の直上に高架橋を建設する直上方式で建設が進められた。事業区間の起点である下大利駅手前の御笠川にかかる鉄橋の手前辺りから白木原駅までと、大牟田方面に向かって雑餉隈駅手前の区間である南八幡町から三筑辺りまでは仮線方式が採用されており、下大利駅周辺から白木原駅までの、下り線の線路沿いにあったマンションや民家などは2000年代後半から徐々に立ち退きとなった。2014年3月22日のダイヤ改正からは、下大利駅から白木原駅までの区間が仮線での運行に切り替わり、下大利駅についても仮駅舎での営業が開始された。

当初、2020年度内の高架切り替えを予定していたが、春日原駅での新駅舎工事の際、旧駅舎のホーム下から地質調査で把握できなかった工事に支障をきたすコンクリートの基礎が発見された。2019年10月31日、福岡県に事業計画延期に関する協議の申し出があった。これにより、福岡県が事業を担当する春日原駅 - 下大利駅間については、支障物の撤去と新駅舎の基礎工事に2年、新駅舎の整備などにさらに2年かかり、完成は計画より最大4年遅れる見込みとなっている(福岡市担当区間についても影響を受ける)[54]。これにより、高架切り替えは2020年度末から1年8か月程度の遅れとなり、新駅設置も遅れる見込みである[55]

本事業対象外の井尻駅周辺(区間は九州新幹線交差部から鹿児島本線交差部まで)については、福岡高速5号線(都市計画道路 福岡前原線)、国道202号福岡外環状道路(都市計画道路 井尻粕屋線)がそれぞれ立体交差化が完了していることもあり、高架化を実施する予定はない[56]。この区間内のうち、井尻1号踏切が緊急対策踏切の対象で国土交通省から歩行者ボトルネック踏切に指定されており[57]、福岡市議会において、費用対効果についての検証が行われた。なお、福岡高速5号線については、鉄道高架化を前提に建設されたため、この区間を高架化する場合も、道路への影響はない。

年譜

  • 1985年昭和60年) - 大野城市と春日市が連続立体交差事業予備調査[58][59]
  • 1992年平成4年) - 春日市大野城市連立事業推進協議会が発足。
  • 2001年(平成13年)10月 - 都市計画決定(都市計画の一つに、2003年2月には白木原駅の西口ロータリーなどが整備される)。
  • 2008年(平成20年)3月 - それまで、事業対象外区間であった雑餉隈駅付近の地元からの高架化の要望を受けて、都市計画の決定変更。
  • 2010年(平成22年)7月 - 都市計画事業認可(元々の事業区間は事業認可変更扱い)。
  • 2019年令和元年)11月1日 - 福岡県から春日原駅における想定外の支障物の撤去に相当の時間を要すると報告[55]。具体的には、西鉄が2019年6月に旧春日原駅舎の基礎撤去作業を開始したところ、想定外のコンクリートと杭があったのを確認したというもの[60]
  • 2020年(令和2年)2月3日 - 福岡県が設置した「西鉄天神大牟田線(春日原駅 - 下大利駅)連続立体交差事業計画検証委員会」の第3回検証委員会において、高架切り替えの遅れは、1年8か月程度であることを福岡県議会に報告[55]。その後、福岡市が発表した資料にて、高架切り替えの遅れは、1年5か月程度であることを公表[61]
  • 2022年(令和4年)8月28日 - 高架化[62]。西鉄側から2019年10月末に工期の変更が必要であるという理由で事業計画の変更を申し入れる前までは[63]2021年3月に高架化する予定だった[61][64]
  • 2023年(令和5年)度 - 雑餉隈駅の新駅舎完成予定[65]。雑餉隈駅 - 春日原駅間に新駅「桜並木駅」を開業する予定[65][6]
  • 2024年(令和6年)11月末 - 春日原駅 - 都府楼前駅間工事完了予定[50]。西鉄側から2019年10月末に工期の変更が必要であるという理由で事業計画の変更を申し入れる前までは[63]、2022年3月末の予定だった[50]
  • 2025年(令和7年)度 - 雑餉隈駅付近側道工事完了予定[65]

今後の動き

有料座席列車の運行

2021年度までに当路線に有料座席列車を運行することが明らかとなっている[66]。仕事帰りの旅客が多少追加料金を払ってでも座って帰宅できることを目的とし、料金は300円程度を軸に検討している。運転区間は福岡(天神)駅から大牟田駅の通し運行で、福岡(天神)駅を20時〜22時台に出発する。使用車両は進行方向に腰掛けることができる通常の特急運用車両と同じ3000形で、座席指定ではなく、座席数分だけ券を販売し、購入者は自由に席を選んで座る方式とする。乗車駅は出発駅である福岡(天神)駅と薬院駅、降車停車駅は、西鉄久留米駅・花畑駅・大善寺駅・西鉄柳川駅・新栄町駅・及び終点の大牟田駅[67][注 7]

駅一覧

  • 全駅福岡県内に所在。
  • 普通列車は全駅に停車するため省略。
  • 途中で急行から普通、普通から急行に種別を変更する列車あり。
  • JR(旧国鉄)の駅との混同を避けるため駅名に「西鉄」を冠する駅が多い。ただし、白木原など、同時に存在した時期があるにもかかわらず、「西鉄」を冠したことがない駅もある。なお、雑餉隈駅は元々「西鉄」を冠していたが、1966年に国鉄の駅が南福岡駅と改称したことを受け、1971年に「西鉄」が削除された。
凡例
●:停車
|:通過
線路 … ||:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
#印のある駅は複線区間における列車待避可能駅
駅番号 駅名 駅間
キロ
営業
キロ
急行 特急 接続路線・備考 線路 所在地
T01 西鉄福岡(天神)駅 - 0.0 福岡市地下鉄:  空港線天神駅:K08)
福岡市地下鉄:  七隈線天神南駅:N16)
|| 福岡市 中央区
T02 薬院駅 0.8 0.8 福岡市地下鉄:  七隈線(N14) ||
T03 西鉄平尾駅 1.0 1.8   ||
T04 高宮駅 1.1 2.9   || 南区
T05 大橋駅# 1.4 4.3   ||
T06 井尻駅 1.8 6.1   ||
T07 雑餉隈駅 1.9 8.0   || 博多区
T08 桜並木駅 (2023年度後半に開業予定)[6] ||
T09 春日原駅# 1.5 9.5   || 春日市
T10 白木原駅 1.3 10.8   || 大野城市
T11 下大利駅 0.8 11.6   ||
T12 都府楼前駅 2.2 13.8   || 太宰府市
T13 西鉄二日市駅# 1.4 15.2 西日本鉄道:D 太宰府線 || 筑紫野市
T14 紫駅 0.9 16.1   ||
T15 朝倉街道駅 1.5 17.6   ||
T16 桜台駅 1.8 19.4   ||
T17 筑紫駅# 1.4 20.8   ||
T18 津古駅 2.2 23.0   || 小郡市
T19 三国が丘駅 1.1 24.1   ||
T20 三沢駅 1.5 25.6   ||
T21 大保駅 1.4 27.0   ||
T22 西鉄小郡駅# 1.7 28.7 甘木鉄道:甘木線小郡駅 ||
T23 端間駅 2.0 30.7   ||
T24 味坂駅 3.0 33.7   ||
T25 宮の陣駅 2.8 36.5 西日本鉄道:A 甘木線 || 久留米市
T26 櫛原駅 1.2 37.7   ||
T27 西鉄久留米駅# 0.9 38.6   ||
T28 花畑駅# 0.9 39.5   ||
T29 試験場前駅 0.6 40.1  
T30 津福駅 1.3 41.4  
T31 安武駅 1.4 42.8  
T32 大善寺駅 2.3 45.1  
T33 三潴駅 1.8 46.9   ||
T34 犬塚駅 1.1 48.0   ||
T35 大溝駅 2.6 50.6   || 三潴郡
大木町
T36 八丁牟田駅 2.3 52.9   ||
T37 蒲池駅 2.6 55.5   柳川市
T38 矢加部駅 1.8 57.3  
T39 西鉄柳川駅 1.1 58.4  
T40 徳益駅 1.3 59.7  
T41 塩塚駅 1.4 61.1  
- 中島信号場 - (63.1)  
T42 西鉄中島駅 2.4 63.5  
T43 江の浦駅 1.6 65.1   みやま市
T44 開駅 1.5 66.6  
T45 西鉄渡瀬駅# 1.3 67.9   || 大牟田市
T46 倉永駅 1.7 69.6   ||
T47 東甘木駅 1.2 70.8   ||
T48 西鉄銀水駅 1.3 72.1   ||
T49 新栄町駅 1.6 73.7   ||
T50 大牟田駅 1.1 74.8 九州旅客鉄道:JB 鹿児島本線(JB27) ||

他社鉄道線との徒歩連絡

上記のほかに、西鉄とJRの駅同士が1km未満、概ね徒歩5分から15分以内での移動が可能で、徒歩連絡できる駅もある。以下にそれらの例を記す。左側が西鉄駅、右側がJR(鹿児島本線)駅である。

主に鹿児島本線と天神大牟田線が近い範囲で並走する福岡市南部(南区博多区)や筑紫地域、及び大牟田市内において、徒歩連絡が可能な駅が存在する。

薬院駅 - 博多駅間、西鉄二日市駅・紫駅 - JR二日市駅間、西鉄久留米駅 - JR久留米駅間、花畑駅 - 久留米高校前駅間はそれぞれ1.5km前後の距離があるが、各駅間に西鉄バスが多数運行しており、路線バス利用で10分前後で移動できる。

沿線の街づくりと天神大牟田線

沿線各都市では天神大牟田線の主要各駅を中心として街が形成されてきた。

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