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大型貫通爆弾

大型貫通爆弾(おおがたかんつうばくだん、Massive Ordnance Penetrator、MOP)とは、アメリカで実戦配備中[1]の大型地中貫通爆弾の1つである。

GBU-57 MOP

アメリカ軍における制式名称は、GBU-57A/B

概要

アメリカ空軍によって開発された30,000ポンド(約13,600kg)の「バンカーバスター」精密誘導爆弾で、この爆弾はこれまで最大の重量を持ち、GBU-28(重量5,000ポンド(約2,270kg)、貫通力30m)よりも、総重量、威力ともに大きなものとなる。

MOPの開発は、フロリダ州(エグリン空軍基地)(英語版)内の軍需品理事会、アメリカ空軍研究所で進められ、設計と試験作業は米ボーイング社によっても行われた。主に強固な地下要塞・地下弾道ミサイル・地下指令所の精密破壊用として必要な場合に使用される。

B-2[2]B-52Hに統合されており、GPSを使用して誘導される[3]

2014年度以降、ETR-IIIおよびETR-IV型とよばれる改善型がリリースされている。また空軍では妨害防止コードM GPS信号をMOPに統合するよう努めている[3]

開発

2002年に米ノースロップ・グラマン社と米ロッキード・マーティン社は、「ビッグブルー」(Big Blue)として知られた30,000ポンドの地中貫通兵器の開発を行っていたが、財政的な理由と技術的な理由によって開発は中断されていた。

2003年のイラク戦争の後に、バンカーバスター爆弾によって目標とされた攻撃跡地を分析したところ、不十分な貫通力と不満足な破壊力が明らかとなった[要出典]。そこで非常に巨大なバンカーバスターの開発への関心が再燃し、MOPプロジェクトが開始された。アメリカ空軍には、超巨大爆弾に対する軍としての特段の要求はなかったが、大きなサイズの貫通および爆風型の兵器を収集する構想は存在し、それは大規模爆風爆弾(Massive Ordnance Air Blast bombMOAB)を含む「ビッグブルー」(Big BLU)コレクションと呼ばれた。

2007年7月19日に、米ノースロップ・グラマン社は250万米ドルステルス爆撃機を改修する契約を明らかにした。機数は公表されていないが、各機が2基ずつのMOPを運搬可能なよう改修される[4][5]

2007年3月14日に、ニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場アメリカ国防脅威削減局(Defense Threat Reduction Agency, DTRA)の保有するトンネル内でMOPの最初の爆発試験が行われた。

2018年1月、ブルームバーグはGBU-57 の4回目のアップグレードが完了し、既存の在庫分も改装されていると空軍のスポークスマンであるエミリー・グラボウスキ大尉は電子メールを引用して報じた。この改装により。地中深く埋められた固い目標に対する性能が改善される[6]

2023年5月、空軍が発表したフェイスブックの写真に新型のGBU-57 が写っていたことが明らかにされている[7]

配備

2007年12月、実物大模型の公表とともに、本爆弾が既にミズーリ州ホワイトマン空軍基地の第509爆撃隊のB-2搭載用に実戦配備されたと発表された。この模型は中央側面に巨大な4枚のフィンを持ち、GPSによって誘導され、正確に目標地点に命中した後、直径80cmの弾体が地中に70m以上貫通、爆発するとされた[8]

2011年11月、米空軍地球規模攻撃軍団にMOPの納入が開始され、「現状必要とされる性能要求を満たす」とされた。2012年3月時点で、16個のMOPがホワイトマン空軍基地に配備されている。[1][9]

2018年2月8日、新しいバッジのMOP調達のための2,100万ドルの契約をボーイングと結んだ。空軍は、2020年7月31日より前倒しでの出荷開始を期待している[3]

ギャラリー

要目

  • 全長 - 20.5フィート (6.2 m)[10]
  • 直径 - 31.5インチ (0.8 m)[10]
  • 重量 - 30,000ポンド(約13.6トン
  • 弾頭 - 6,000ポンド(約2.7トン)爆薬
  • 貫通力
    • 200フィート(60m) - 5,000psi(35MPa)、コンクリート
    • 26フィート(8m) - 10,000psi(69MPa)、強化コンクリート
    • 130フィート(40m) - 中程度に堅い岩

登場作品

シン・ゴジラ
大型貫通爆弾をモデルとした「MOP2大型貫通爆弾」が登場。B-2戦略爆撃機から(ゴジラ)に対して6発投下され、そのうち2発は表皮を突き破ってダメージを与えることに成功するも、残り4発はゴジラの放射熱線の迎撃によって破壊されてしまう。
シン・ウルトラマン
シン・ゴジラで登場した物と同一の「MOP2大型貫通爆弾」がB-2と共に登場。地中を潜航するガボラを攻撃する際に用いられたが、効果はなかった。

脚注

  1. ^ a b Air Force Now Has the MOP
  2. ^ Air Force ready to deploy 30,000-pound 'super bomb' on stealthy B-2 jet
  3. ^ a b c USAF commissions Boeing to build more MOPs
  4. ^ Feature - 30,000-pound bomb reaches milestone 2009-01-18 閲覧
  5. ^ Northrop Grumman Begins Work to Equip B-2 Bomber with Massive Penetrator Weapon
  6. ^ U.S. Upgrades Its Biggest Non-Nuclear Bomb - Bloomberg
  7. ^ “北朝鮮の地下核施設打撃用? 米空軍SNSで突然削除された写真に関心集中”. 中央日報 (2023年5月23日). 2023年5月23日閲覧。
  8. ^ 軍事研究 『ミリタリーニュース』(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー 2008年12月号
  9. ^ “Key Point: Bunker-Busters Come In Both Small and Large Sizes” (英語). TIME. (2012年3月9日). http://nation.time.com/2012/03/09/key-point-bunker-busters-come-in-both-small-and-large-sizes/ 
  10. ^ a b “”. Defense Threat Reduction Agency (2007年7月). 2009年2月時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月1日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 2009-01-18 閲覧
  • 2009-01-18 閲覧
  • 2009-01-18 閲覧
  • 'Bunker busters' may grow to 30,000 pounds - CNN 2009-01-18 閲覧
  • Massive bomb to MOP up deeply buried targets - Jane's Defence Weekly 2009-01-18 閲覧
  • A different kind of smart: weapons becoming autonomous and precise - Jane's
  • Massive Ordnance Penetrator (MOP) - Global Security 2009-01-18 閲覧 POPUP広告とマルウェアに注意
  • 2009-01-18 閲覧
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