概要
電子機器上での扱い
2000年まで、コンピュータ上では外字の利用などでしか合略仮名を扱えなかった。
2000年、JIS X 0213が定められた。これによって「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が使えるようになった。
2002年、Unicode 3.2に「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が採用された。
2009年、Unicode 5.2に「𪜈(トモ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Cとして登録されてしまった。
2017年、Unicode 10.0に「𬼀 (シテ)」「𬼂 (なり)」「𬻿 (ナリ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Fとして登録されてしまった。
一覧
平仮名
以下は、合字である。
読み | 画像 | 文字 | Unicode | 字源 |
---|---|---|---|---|
かしこ | - | - | 「𛀚しこ」の合字 | |
こと | - | - | 「こと」の合字[3][4] | |
ごと | ゙ | - | - | 「ごと」の合字[3][4] |
さま | - | - | 「さ(𛃅)」の合字[5][6] | |
まいらせさうらふ | - | - | 「まいらせ候」の合字 | |
- | - | |||
より | ゟ | U+309F | 「より」の合字[5][6][4] |
以下は、合字ではない。
片仮名
以下は、合字である。
読み | 画像 | 文字 | Unicode | 字源 |
---|---|---|---|---|
トイフ | - | - | 「ト云」の合字[5][9][10][11] | |
トキ | - | - | 「トキ」の合字[5][9][10][3][4][11] | |
トテ | - | - | 「トテ」の合字[5] | |
トモ | 𪜈 | U+2A708 | 「トモ」の合字[5][9][10][3][4] | |
ドモ | ゙ | 𪜈゙ | - | 「ドモ」の合字 |
ヨリ | - | - | 「ヨリ」の合字[9][10][11] |
以下は、合字ではない。
類似の文字
脚注
- ^ 文部省 (1900). 小学校令施行規則第十六条. - .
- ^ 文部省調査局 (1957年). “国語改善に関する略年表” (pdf). 文科省. 国語シリーズ 33 国語問題問答 第五集. 文部省. p. 66. 2020年9月25日閲覧。
- ^ a b c d 普通日本文典 落合直文ほか 1893年
- ^ a b c d e f 和漢の文典 : 雅俗対照
- ^ a b c d e f g h 日本大文典. 第1編 P.42-45 落合直文 1894年
- ^ a b ことばの泉 : 日本大辞典 (21版) P.3 落合直文 1904年
- ^ 児玉幸多『くずし字解読辞典〔普及版〕』東京堂出版 1993年 ほか
- ^ 田島毓堂「法華経為字和訓考—資料編(三)—」名古屋大学文学部研究論集 1990年
- ^ a b c d e f g h 國語學大系 第七巻 文字(一) P.302-303 福井久蔵 1939年
- ^ a b c d e f g h 仮字本末 伴信友 1850年
- ^ a b c d e 操觚便覧藤井乙男編 1899年
参考文献
- 蛇蔵、(海野凪子)『日本人の知らない日本語 なるほど〜×爆笑!の日本語"再発見"コミックエッセイ』メディアファクトリー、2009年2月18日。ISBN (978-4-8401-2673-1)。 - 「まいらせそうろう」について言及。
- (益田多米彦) 編『日本文典初歩』益田多米彦、1902年6月30日 - 合略仮名ついての説明。 。
関連項目
外部リンク
- 漢字字躰帳 - 変体仮名・合略仮名の一覧
- 『四書講義 上巻 大学 中庸 論語 大学講義』 - 実際の文章での使用例。
- 千都フォント|連載#8「連綿体仮名活字」 - 江戸末期の合略仮名が活字化されたことについて詳細を説明。
- 日本語練習虫 - 築地体前期五号と後期五号の「ごと」「さま」「かしこ」「ふみして」などを紹介。
- @uakira2 - 「𛀙」と「し」と「こ」の合字が見える。