台湾国語(たいわんこくご)は、現代の台湾で広く話されている中国語の標準語であり、中華民国国語が台湾特有の人文風土環境に合わせて進化してきた変種でもある。台湾中国語や台湾華語とも言う。
中華民国が最初に定めていた国語の規範は、中国大陸の語彙・音声・慣用語などを基づいて創ったものであり、台湾島で生きている人々の言語習慣に全く適応していなかった。それを解決するために、中華民国国語は主動的に台湾語から大量の要素を取り組み、時々客家語・日本語・オランダ語・台湾原住民の言葉などの要素も加え、「台湾国語」という新しい言語を創り上げた。
中華民国政府はこの台湾国語を前の中華民国国語に取り替わせて、現代の台湾で最も標準語的な言葉として成り立った。同じ中国語だが、台湾国語はいま中華人民共和国側が使っているもう一つの標準語「普通話」とは遥かに違い。
概要
中華人民共和国(大陸部)の標準中国語である普通話と相互に理解することができるが、普通話と比べてr化音や軽声の使用比率が低い。台湾では、台湾語、客家語、日本統治時代に教育を受けていた日本語の影響が国語にも現れている例がある。もともと「国語」が標準とする発音・声調、語彙には、規範的な普通話のものと異なる場合が見られる。
普通話との比較
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- 発音の違い
- 難発音
- 旧来の公用語である日本語と台湾語にない音は、普通話とは異なって発音されることが多い。特にそり舌音をあまり使用しない話者が多い。
- 母音(非正式)
- b、p、m、fの後ろに来るeng → ong 例:碰 pèng → pòng
- 子音(非正式)
- f → h 例:飯 fàn → huàn
- zh (ㄓ) → z (ㄗ) 例:中 zhōng → zōng
- ch (ㄔ) → c (ㄘ) 例:吃 chī → cī
- sh (ㄕ) → s (ㄙ) 例:是 shì → sì
- r (ㄖ) → z (ㄗ)/l (ㄌ) 例:日本人 Rìběnrén → Zìběnlén
- aの発音
- 一般に台湾の国語の発音の方が北京の発音よりも顎の開きが狭い。
- r化の有無(北京音。「r」を発音しない。)
- 例:玩 '遊ぶ' 普通話(北京音)…wánr 普通話(標準音)…wán 国語…wán
- 軽声化の有無
- 例:沒關係 '関係ない' 普通話…méi guānxi 国語…méi guānxì
- 字音の異同
- 難発音
文法
国語と普通話では、反復疑問文の様式、二重目的語の構文など、語順が幾通りかあり得る場合において、好まれる語順の傾向差がある。