南砂町駅(みなみすなまちえき)は、東京都江東区南砂三丁目にある、東京地下鉄(東京メトロ)東西線の駅である。駅番号はT 15。
歴史
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地下駅。東西線の(快速)通過駅では唯一の地下駅である[注 1]。
曲線上にあり、ホームから西船橋方面を望むとトンネル出口が見える。トンネルの出口に近く、周辺の宅地化も進んでいるため、線路には地上区間の駅と同様に騒音を抑えるためのバラストが敷かれている。
出入口は、西口に1ヶ所と東口に3ヶ所、計4ヶ所ある。エレベーターやエスカレーター、バス・タクシー乗り場などは東口にあり、駅事務室は西口にある。
建設当時、当駅の大部分が洲崎川(後年に埋め立て)の直下に位置しており、河底下の極軟弱層での施工が困難であったため、中野寄りの一部分を(開削工法)で、中央部から西船橋寄りの大部分を地上で構造物を構築し、掘削しながら地下に沈めていくニューマチックケーソン工法(潜函工法)で施工が行われている[7][8]。
潜函施工部は、河川内に締切築島を設けて13函のケーソン(潜函、1函の長さ23.5 - 26.5 m)を構築したが、駅中央付近(7号・8号潜函の間、延長21.25 m)の放流渠(ほうりゅうきょ)がある場所は潜函工法が使用できないため、開削工法(逆巻工法)で施工した[7]。
のりば
(出典:東京メトロ:構内図)
2b番出入口
改札口
ホーム
発車メロディ
2015年6月5日から向谷実作曲の発車メロディ(発車サイン音)を使用している。
曲は1番線が「A Day in the METRO」、2番線が「Beyond the Metropolis」である(詳細は(東京メトロ東西線#発車メロディ)を参照)。
大規模改良工事
2011年3月に、東京メトロは現行のホームの南側にホーム1面と線路1線を増設し、駅の構造を中線を備えた島式2面3線構造[注 2]に改める計画が発表された[9]。2面3線化工事が行われることにより、朝ラッシュ時間帯に中野方面行列車の相互発着を実施し、後続列車への遅延波及防止や、異常時に当駅での折り返し運転を可能にし、不通区間の短縮を図るものである[8]。この工事では、線路とホームの増設だけでなく、既存ホームの拡幅や、現在ホームの両端の上階にある改札口を中央に移設するとともにコンコースを大幅に拡張する計画である[9][10][11]。着工前の段階では2020年度完成予定とされていたが[12]、後に2027年度完成予定へ変更されている[6]。
2014年3月に広報施設「メトロ・スナチカ」(北緯35度40分7.4秒 東経139度49分56.6秒 / 北緯35.668722度 東経139.832389度)が駅前に開設された[13]。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響による輸送人員の減少を受けて、当初予定していた動く歩道の設置の中止や出入口の増設数を一部見直している[14]。
利用状況
2021年度の1日平均乗降人員は49,803人であり[15]、東京メトロ全130駅中61位。
近年の1日平均乗降・(乗車人員)推移は下表の通り。
年度 | 1日平均 乗降人員[17] | 1日平均 乗車人員[18] | 出典 |
---|---|---|---|
1990年(平成 | 2年)16,427 | [* 1] | |
1991年(平成 | 3年)16,716 | [* 2] | |
1992年(平成 | 4年)16,638 | [* 3] | |
1993年(平成 | 5年)16,255 | [* 4] | |
1994年(平成 | 6年)16,493 | [* 5] | |
1995年(平成 | 7年)17,093 | [* 6] | |
1996年(平成 | 8年)17,310 | [* 7] | |
1997年(平成 | 9年)17,255 | [* 8] | |
1998年(平成10年) | 17,312 | [* 9] | |
1999年(平成11年) | 17,046 | [* 10] | |
2000年(平成12年) | 17,997 | [* 11] | |
2001年(平成13年) | 18,827 | [* 12] | |
2002年(平成14年) | [19]38,608 | 19,466 | [* 13] |
2003年(平成15年) | [19]40,953 | 20,730 | [* 14] |
2004年(平成16年) | 43,201 | 21,540 | [* 15] |
2005年(平成17年) | 45,442 | 22,649 | [* 16] |
2006年(平成18年) | 49,507 | 24,523 | [* 17] |
2007年(平成19年) | 52,660 | 26,358 | [* 18] |
2008年(平成20年) | 55,733 | 27,970 | [* 19] |
2009年(平成21年) | 57,576 | 28,581 | [* 20] |
2010年(平成22年) | 57,328 | 28,547 | [* 21] |
2011年(平成23年) | 56,930 | 28,495 | [* 22] |
2012年(平成24年) | 58,762 | 29,213 | [* 23] |
2013年(平成25年) | 61,014 | 30,414 | [* 24] |
2014年(平成26年) | 62,151 | 30,907 | [* 25] |
2015年(平成27年) | 62,257 | 30,910 | [* 26] |
2016年(平成28年) | 61,102 | 30,307 | [* 27] |
2017年(平成29年) | 61,001 | 30,236 | [* 28] |
2018年(平成30年) | 61,597 | 30,529 | [* 29] |
2019年(令和元年) | 60,969 | 30,268 | [* 30] |
2020年(令和 | 2年)47,923 | ||
2021年(令和 | 3年)49,803 |
駅周辺
駅周辺では再開発が進行しており、オフィスビル・大型商業施設・マンション等が立地しているが、現在でも一部に未利用の都有地等がある。なお、従来の街の中心地は駅の北方面にあり、大型商業施設・トピレックプラザや江東区役所南砂出張所、江東区立江東図書館等の施設が南砂6丁目に立地している。
南砂町駅東口周辺
南砂町駅前公園
南砂町ショッピングセンターSUNAMO
トピレックプラザ
再開発地域周辺の街並み
江東区立江東図書館
西口(出口1)
駅事務室を有する出口であるが、エスカレーターやエレベーターがなく、自動改札機の通路数も東口より少ない。地上に出てもバス・タクシー乗り場はない。
- 東京消防庁城東消防署砂町出張所
- 江東区城東南部保健相談所
- 東京都土木技術研究所
- 東京都環境技術研究所
- 藤崎病院
- 仙台堀川公園
- 江東南砂郵便局
- ニトリ 南砂店
- ヤマダデンキ YAMADA web.com 江東新砂店
- ヤマダデンキ ヤマダアウトレット南砂店
- ゴールドジム
- 砂町銀座商店街(徒歩15分)
- 仙気稲荷通り商店街
- アシックスジャパン本社
- SGホールディングス 東京本社
- 佐川急便 東京本社
- (三越伊勢丹通信販売)
- ロックペイント 東京支社
- (日経統合システム) 本社
- 日曹橋バス停(徒歩4分)
東口
ホームと改札階、改札階と地上を結ぶエスカレーターとエレベーターが設置されている。バス停留所やタクシー乗り場も設置され、徒歩5分圏内に複合商業施設や公共施設が存在する。こちらは西口よりも利用者が多い。
出口2a
- 南砂三丁目公園内にある最も利用者が多い出口
- 江東区役所 南砂出張所
- 江東区南砂区民館
- 江東区立江東図書館(中央館)
- 東京都立東高等学校
- 富賀岡八幡宮
- 仙台堀川公園
- 荒川砂町水辺公園
- 江東南砂六郵便局
- 江東南砂北郵便局
- 砂町銀座商店街(徒歩15分)
- 元八幡通り商店街
- ワイズマート
- 砂町魚釣り場
- 東砂ビル
- 公益財団法人東京タクシーセンター
- 南砂六丁目バス停(徒歩4分)
- トピレックプラザ(複合商業施設)
出口2b
- 丸八通り沿いにあり、「コーシャハイム南砂駅前」の直下にある。地上行エレベーター・エスカレーターあり。
- 江東区子ども家庭支援センター
- 南砂地下駐輪場
- みどり団地バス停(徒歩3分)
3番出口
- 出口周辺で再開発が進んでおり、バス停とタクシー乗り場を有するロータリーがある。地上行エレベーター・エスカレーターあり。
- 順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター(病院)
- 東京都立東部療育センター(重度心身障害児施設)
- メディケアイースト(介護老人保健施設)
- 三井陽光苑(特別養護老人ホーム)
- 新砂あゆみ公園
- 新砂のぞみ公園
- 新砂めぐみ公園
- 東京国際郵便局
- 東京都下水道局砂町水再生センター
- 南砂町ショッピングセンターSUNAMO(大型複合商業施設)
- イオンフードスタイル 南砂町スナモ店[注 3]
- カインズ
- フタバ図書
- コジマ
- スポーツデポ
- ドゥ・スポーツプラザ
- アドアーズ
- アルカナール南砂(駅前小型商業施設飲食店・診療所・保育園など)
- 東京湾マリーナ
- 新砂運動場
- ソフトバンク 東京イースト新センター
- プロロジス東京II
- 日本メジフィジックス本社
- 新砂ネットワークセンター
- 南砂町駅前バス停
- 南砂町駅入口バス停
- 南砂町駅タクシー乗り場
駅周辺の再開発
当駅周辺では、以前の工場・倉庫地帯であった31 haの土地に医療施設や公園、大規模商業施設や大型集合住宅を建設する再開発が行われており、当地への永代通り・丸八通りの延伸をきっかけに本格的に開始された。
この計画により対象地域の大部分を占める新砂三丁目は変化し、南砂町ショッピングセンターSUNAMOをはじめ、大規模高層住宅や医療・福祉の複合施設(高齢者医療センターなど)などが完成した。周辺の公園も再整備が進んでいる。
この計画は一時変更や縮小などがあったが、前記したように2008年10月9日に3番出口から徒歩5分ほどの場所に三菱地所の大規模商業施設「SUNAMO」がオープンした。また、江東区の「長期的な構想」と位置付けられつつも、亀戸駅 - 西大島駅 - 南砂町駅 - 新木場駅間においてLRT(新型路面電車)の新線計画も存在する。
バス路線
3番出口の(駅前ロータリー)に「南砂町駅前」停留所が設置されている他、永代通り沿いに「南砂町駅入口」停留所が設置されている。西口からは徒歩4分ほどのところに「日曹橋」停留所がある。東京都交通局の公式サイト[1]によると、このほか「南砂三丁目みどり団地」「学校通り」「南砂六丁目」停留所も駅接続の扱いを受けており11番乗り場まであるが、駅前にある停留所は下記の2ヶ所である。なお、いずれの停留所とも発着するバスの本数はラッシュ時を除けば1時間に数本程度である。
南砂町駅前
南砂町駅入口
隣の駅
脚注
注釈
出典
- ^ a b 東京地下鉄 公式サイトから抽出(2019年5月26日閲覧)
- ^ 「5000系の移り変わり」『鉄道ピクトリアル』第55巻第3号(通巻759号)、電気車研究会、2005年3月10日、161頁、ISSN 0040-4047。
- ^ (プレスリリース)営団地下鉄、2004年1月27日。 オリジナルの2006年7月8日時点におけるアーカイブ2020年3月25日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)PASMO協議会/パスモ、2006年12月21日。 オリジナルの2020年5月1日時点におけるアーカイブ2020年5月5日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2015年3月25日。 オリジナルの2018年6月30日時点におけるアーカイブ2020年3月11日閲覧。 。
- ^ a b “” (PDF). 東京地下鉄. p. 17. 2021年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月2日閲覧。
- ^ a b 東京地下鉄道東西線建設史、pp.344 - 345・493 - 499。
- ^ a b 中村守男(東京地下鉄鉄道本部改良建設部改良建設企画課)「輸送改善を目指した改良工事の現状」『鉄道ピクトリアル』第66巻第12号(通巻926号)、電気車研究会、2016年12月10日、102 - 103頁、ISSN 0040-4047。
- ^ a b “” (PDF). 東京地下鉄. p. 3 (2011年3月). 2021年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月2日閲覧。
- ^ “” (PDF). 土木学会. pp. 1159 - 1160 (2012年9月). 2022年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ 西青木光則(大成・竹中土木建設工事共同企業体) (2020-04). (日本語) (PDF). DOBOKU技士会東京. 東京土木施工管理技士会. pp. 6 -11. オリジナルの2022-07-04時点におけるアーカイブ。2023年2月13日閲覧。.
- ^ “” (PDF). 東京地下鉄. p. 15. 2021年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月2日閲覧。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2014年3月3日。 オリジナルの2017年7月19日時点におけるアーカイブ2021年2月20日閲覧。 。
- ^ (PDF)(プレスリリース)江東区土木部交通対策課、2022年10月14日。 オリジナルの2022年11月29日時点におけるアーカイブ2022年12月15日閲覧。 。
- ^ 各駅の乗降人員ランキング - 東京メトロ
- ^ 江東区データブック - 江東区
- ^ レポート - 関東交通広告協議会
- ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
- ^ a b 瀬ノ上清二(東京地下鉄鉄道本部運輸営業部運転課)「輸送と運転 近年の動向」『鉄道ピクトリアル』第55巻第3号(通巻759号)、電気車研究会、2005年3月10日、31頁、ISSN 0040-4047。
出典
- 東京都統計年鑑
- ^ 東京都統計年鑑(平成2年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成3年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成22年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成23年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成24年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成25年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成26年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成27年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成28年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成29年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成30年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成31年・令和元年)
参考文献
- 『東京地下鉄道東西線建設史』帝都高速度交通営団、1978年7月31日 。
関連項目
外部リンク
- 南砂町駅/T15 | 路線・駅の情報 | 東京メトロ