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北村 龍平(きたむら りゅうへい、1969年〈昭和44年〉5月30日[1] - )は、DGA(全米映画TV監督組合)に所属する日本人映画監督。大阪府生まれ。血液型O型。ハリウッドのエージェントはICMパートナーズ(ICM)。かつて東京都内に製作会社ナパーム・フィルムズを主宰していたが、渡米後は個人事務所ノトリアスを基軸としている。現在はロサンゼルスに在住。
来歴
大阪の高校中退後、17歳でオーストラリアへ渡り、スクール・ オブ・ビジュアル・アーツ映画科に入学。卒業制作の短編映画『EXIT -イグジット-』が高い評価を受け、年間最優秀監督賞を受賞する[2]。帰国後映画以外の職に就きながら1995年に映像集団ナパームフィルムズを結成、自主制作映画『DOWN TO HELL』が第1回インディーズムービー・フェスティバルでグランプリを受賞し、渡部篤郎主演で『ヒート・アフター・ダーク』を製作し監督デビューする。その後インディーズムービー・フェスティバルのスカラシップ作品として監督した『VERSUS -ヴァーサス-』で名を知られるようになる。その後『あずみ』『ゴジラ FINAL WARS』などの作品を監督する。
『VERSUS -ヴァーサス-』でローマ国際ファンタスティック映画祭監督賞、『荒神』でブリュッセル国際ファンタスティック映画祭監督賞、『あずみ』でフィラデルフィア国際映画祭観客賞を受賞。
クライブ・バーカー原作の『ミッドナイト・ミートトレイン』にてハリウッド進出。
その他
- 『マッドマックス』シリーズや70年代、80年代のアメリカン・ホラーやアクション映画に対するリスペクトを公言している[3]。
- ハンドヘルド撮影(手持ちカメラ)を極端に嫌い、得意とするアクション・シーンではフィックス撮影、ドーリー撮影を多用する。
- フランス映画界の巨匠ジャン=リュック・ゴダールの監督作品『アワーミュージック』で北村の『VERSUS -ヴァーサス-』のことが触れられている。
- 『ゴジラ FINAL WARS』で製作を担当した東宝の富山省吾は、北村を監督した理由について「アメリカ映画に何のコンプレックスもない新しい世代のクリエイター」と語っており、「ハリウッド映画に喧嘩を仕掛けてやろうじゃないですか」と平気で言うことができる人物であったと証言している[4]。また、北村について「不可能を可能にするチャレンジ精神で映画を作っている人」と評しており、同作品は北村の執念により不可能と思えることも実現したとしている[4]。
- 北村自身は、ゴジラシリーズについてフリークではないが中学生時代によく観ていたといい、好きな映画として『ゴジラ対メカゴジラ』を挙げている[5]。『FINAL WARS』でのミニラやキングシーサー、初代轟天号の登場も北村の発案によるもので、ローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』への皮肉めいたセリフは北村自身の同作品への感想を代弁したものでもあった[5]。
- 『FINAL WARS』に出演した佐原健二は、北村についてカメラアングルへのこだわりなどが強く、自身の考えをしっかり説明するなど妥協しない素晴らしい監督だと評しており、自身がセリフの解釈について疑問を感じた際に脚本家を呼んで納得のいくようミーティングを行うなど誠実な対応であったと述懐している[6]。
主な監督作品
映画
- (DOWN TO HELL)(1997年)
- ヒート・アフター・ダーク(1999年)
- VERSUS -ヴァーサス-(2001年)
- Jam Films「the messenger -弔いは夜の果てで-」(2002年)
- ALIVE -アライブ-(2003年)
- あずみ(2003年)
- 荒神(2003年)
- (スカイハイ 劇場版)(2003年)
- (LONGINUS)(2004年) - DVD作品
- ゴジラ FINAL WARS(2004年、東宝)[注釈 1]
- (LOVE DEATH)(2006年)
- (ミッドナイト・ミートトレイン)(2008年)
- (BATON)(2009年) - CGアニメ作品
- NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ (2013年)
- ルパン三世(2014年)
- (ダウンレンジ)(2017年)
- ドアマン(2020年)
- 天間荘の三姉妹(2022年)
テレビドラマ
- (スカイハイ)(2003年、テレビ朝日)
- 恋愛小説「月のしずく」(2006年、TBS)
ゲーム
- METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES(2004年) ※ムービー部分の演出
CM
- 京セラ 携帯電話 A1403K(2004年)
その他
その他の参加作品
- コミックフラッパーにて漫画原作者として「(マリオンハイド)」連載(作画:加倉井ミサイル)
- 映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』(2017年) - 脚本協力
- MIRRORLIAR FILMS Season2「巫.KANNAGI」(2022年)- 原案
脚注
注釈
出典
- ^ a b 超常識 2016, p. 157, 「Column ゴジラ映画 監督・特技監督人名録」
- ^ “Ryuhei Kitamura Interview”. Madman Entertainment. 2020年9月9日閲覧。
- ^ 暴力と恐怖に理由はいらない――『ダウンレンジ』北村龍平が撮った究極のミニマル・ホラー
- ^ a b 東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION 2005, p. 09, 「[インタビュー] 富山省吾」
- ^ a b 東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION 2005, pp. 10–11, 「[インタビュー] 北村龍平」
- ^ ゴジラとともに 2016, p. 63, 構成・文 友井健人「佐原健二」(『宇宙船116号』〈朝日ソノラマ2005年〉と『初代ゴジラ研究読本』などを合併再編集)
参考文献
- “ハリウッドも呑み込むか - 自己ベストを更新し続ける男・北村龍平のあくなき挑戦 (1/5)”. マイナビニュース (2007年11月19日). 2015年12月8日閲覧。
- 『GODZILLA FINAL WARS』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2005年1月25日。ISBN (4-924609-89-7)。
- 『ゴジラの超常識』[協力] 東宝、双葉社、2016年7月24日(原著2014年7月6日)。ISBN (978-4-575-31156-3)。
- 別冊映画秘宝編集部 編『ゴジラとともに 東宝特撮VIPインタビュー集』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年9月21日。ISBN (978-4-8003-1050-7)。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 北村龍平 - allcinema
- 北村龍平 - KINENOTE
- 北村龍平 - 日本映画データベース
- Ryûhei Kitamura - IMDb(英語)