» www.Giftbox.Az - Bir birindən gözəl hədiyyə satışı
ウィキペディアランダム
毎日カテゴリ
共有: WhatsappFacebookTwitterVK

出し平ダム

出し平ダム(だしだいらダム)は、富山県黒部市黒部奥山国有林地先、黒部川本川に建設されたダムである。

出し平ダム
所在地 左岸:富山県黒部市黒部奥山国有林
右岸:富山県黒部市黒部奥山国有林
位置
北緯36度46分11.8秒 東経137度37分52.3秒 / 北緯36.769944度 東経137.631194度 / 36.769944; 137.631194
河川 黒部川水系黒部川
ダム湖 名称未定
(ダム諸元)
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 76.7 m
堤頂長 136.0 m
堤体積 203,000
流域面積 461.2 km²
湛水面積 35.0 ha
総貯水容量 9,010,000 m³
有効貯水容量 1,657,000 m³
利用目的 発電
事業主体 関西電力
電気事業者 関西電力
発電所名
(認可出力)
新柳河原発電所
(41,200kW
音沢発電所
(124,000kW)
出し平発電所
(520kW)
施工業者 前田建設工業西松建設
飛島建設・鴻池組
着手年/竣工年 1980年/1985年
(テンプレートを表示)

ダムは一般人が立入ることはできないが、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車で姿を見ることができる。積雪期の冬は黒部峡谷鉄道が運行しないため、黒部川上流にあるダム群に勤務する関西電力などの職員には、「逓送さん」と呼ばれる人々が徒歩で生鮮野菜などを届ける。その中でも「出し平往復」は1日当たりの歩行距離が最も長いという[1]

国内初の排砂設備

発電を目的に1985年(昭和60年)7月に完成[2]し(同年6月4日より湛水開始[3])、関西電力株式会社が手掛けた黒部川水系の発電用ダムの中では最も新しい。認可出力は新柳河原発電所で41,200kW、音沢発電所で124,000kW、出し平発電所で520kWである。このダムはダム湖の堆砂を排出する「排砂ゲート」を備えた日本最初のダムである。黒部川は日本でも有数の土砂排出量が多い河川のため、貯水池の容量を維持、および下流へ土砂を流すことで海岸線の後退を防ぐことを目的に、出し平ダムには排砂ゲートが、3つある洪水吐ゲートの両側に装備された。

環境に対する影響と対策

出し平ダムが貯水を開始して6年目にあたる1991年(平成3年)12月、第1回の排砂放流が行われた。本格的な排砂ゲートを装備したダムとしては出し平ダムが初めてであり、運用ノウハウが無かったために「生物の活動が少なくなる冬に排砂するのが良い」と考えたようである。しかし排砂放流を行ってみると、6年間湖底に積もった土砂は、中に含まれている落ち葉や木片などの有機物が湖底の嫌気性環境で腐敗・変質しており、ヘドロ様の土砂が排出されることになった。そして冬は渇水期のために薄める河川水も乏しい状態で、ヘドロが海まで流れて長時間滞留し、漁業被害を起こしたと見られる。そのため関西電力株式会社と地元漁業協同組合との間で公害訴訟が起きた(なお、現在は富山地方裁判所から公害の原因の究明の嘱託を受けた公害等調整委員会において審理が進められている)。一審の富山地裁は、関西電力に対し原告に約2,700万円を支払うよう命じた。原告と関電の双方が控訴していたが、2011年4月5日名古屋高裁で、原告・被告双方の間で和解が成立した[4]

この訴訟の影響で、下流域への影響を少なくする排砂方法が検討されることになった。検討の結果「増水時に乗じて排砂を行う事が下流への影響が少なくなる」と考えられた。2005年(平成7年)7月11日、豪雨で大量の土砂が流出した。3年間に3回、増水時に排砂放流を行ったが、これにより「増水時に排砂することが下流への影響が少ない方法である」という観測結果が得られた。現在では、ダム湖に土砂が流れ込むのは90%以上が増水時であることが分かり、黒部川が増水する度に(その年の最初の増水に合わせて)宇奈月ダムとの連携排砂、以後は増水に合わせて連携通砂を行い、ダム湖に土砂を蓄積させずにこまめに流すように運用されている。ダムが無い自然の状態の土砂移動に近付けるように自然との共存を目指して運用改善の努力がなされているが、まだまだ改善するべき点が多いとも指摘されている。

維持流量の活用

これまで活用されていなかった維持流量(ダム直下の河川の正常な機能および河川環境を維持するために、法令で定められた放流量)を利用する水力発電所として出し平発電所が建設され、平成27年11月30日から運転を開始した[5]。維持流量を活用する発電所としては関西電力では2番目で、年間発電量は約171万kWh。CO2排出量を年間900t削減できるものと見込まれている。

関連項目

脚注

  1. ^ 冬の黒部峡谷 歩いて支える/食料など届ける「逓送さん」1日最長20キロ、ダム住み込みの60人へ『日本経済新聞』夕刊2018年1月11日(社会面)
  2. ^ 『開湯90周年 宇奈月温泉の歴史を辿る』(2013年10月23日、黒部市教育委員会発行)16頁。
  3. ^ 『目で見る 魚津・黒部・下新川の100年』(1993年7月24日、郷土出版社発行)164頁。
  4. ^ 出し平ダム排砂訴訟:富山の漁業者と関電、和解--高裁金沢支部 毎日新聞 2011年4月5日
  5. ^ “出し平発電所の営業運転開始について”. 関西電力 (2015年11月30日). 2015年12月4日閲覧。

外部リンク

  • 出し平ダム - ダム便覧
  • 黒部川排砂ダム被害訴訟支援ネットワーク - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)
  • 国土交通省北陸地方整備局黒部河川事務所
  • 関西電力 排砂情報
ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。