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備長炭(びんちょうずみ、びんちょうたん、びっちょうずみ、びっちょうたん)は木炭(白炭)の一種。
紀伊国田辺の商人(備中屋長左衛門)(びっちゅうや ちょうざえもん)が、ウバメガシを材料に作り販売を始めたことから、その名をとって「備長炭」の名がついた。狭義にはウバメガシの炭のみを備長炭と呼ぶが、広義において樫全般、(青樫)などを使用した炭を指す場合もある。
用途
製造時に高温で焼成されていることから炭素以外の木質由来の油やガス等の可燃成分の含有量は少なく、かつ長時間燃焼する。また炎や燻煙も出難く調理に向いているとされる。
煙が少ない為、雑味が付きにくく、炭火焼を売り物にする料理屋(鰻屋、焼き鳥屋)などの燃料として使用される。樫による白炭を備長炭と呼ぶが、製法等が広く伝わって同様の製法を行う白炭に用いられる事もある。
燃料以外に、さまざまな用途に利用されている。備長炭は無数の小さな空洞(細孔)に様々な物質を取り込む(吸着)ことができる。備長炭1g当たり200~300㎡(テニスコート1面強)の表面積があると言われている。[要出典]
飯を炊くときに入れてカルキ臭を取り除いたり、下駄箱に入れて靴の臭いを取り除いたり、部屋に置くことで部屋の臭いを除去する為にも使われている。水道水など飲み水や風呂水の浄化などの用途にも使われる。
また、備長炭は普通の黒炭よりもかたくて叩くと金属音がするため、風鈴や炭琴(たんきん、木琴のように楽器として使う)に加工される。
産地
紀州備長炭、(土佐備長炭)、(日向備長炭)、(樵木備長炭)などが存在する。
紀州備長炭の製炭技術は和歌山県指定の無形民俗文化財[1]である。
脚注
- ^ “県指定文化財・民俗文化財”. 和歌山県教育委員会. 2018年3月12日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 紀州備長炭 — 和歌山県制作 紀州備長炭製造映像
- 炭琴