仙道古墳(せんどうこふん)は、福岡県朝倉郡筑前町久光にある円墳。1978年5月6日、国史跡に指定された。
仙道古墳 | |
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所在地 | 福岡県朝倉郡筑前町久光 |
位置 | 北緯33度26分27秒 東経130度38分25秒 / 北緯33.44083度 東経130.64028度座標: 北緯33度26分27秒 東経130度38分25秒 / 北緯33.44083度 東経130.64028度 |
形状 | 円墳 |
規模 | 直径約33メートル、現存高約4メートル |
出土品 | 埴輪 |
築造時期 | 6世紀 |
史跡 | 国指定史跡 |
地図 | 仙道古墳 |
概要
筑後平野の北部、朝倉山塊から南に派出する阿弥陀ヶ峯丘陵の山麓には、約50基の円墳からなる阿弥陀ヶ峯古墳群がある[1]。仙道古墳はこの内、平野部に営まれた最大の円墳である、圃場整備事業に伴い、1977年に福岡県教育委員会が発掘調査したところ、2段築成の整美な墳丘を持つことが判明。墳丘斜面には葺石があり、直径約33メートル、現存高約4メートルをはかる円墳で、その外側に幅2〜3メートル、深さ約1メートルの溝を二重にめぐらす形である[1]。外濠までを含めると直径は45メートル。本墳の主体部は、南西に開口する横穴式石室になっており、明治時代に盗掘され、天井石等は持ち去られたが、現在ではその全形はほぼ推察できる状況となっている。墳丘中央に玄室があり、幅2.4〜2メートル、長さ3メートルほどで、高さは壁面の2メートル以上が残り、床面には偏平石と小円礫を敷き、美しく飾っている[1]。途中に板石を立て並べて室内が前後に仕切られている。石室の奥壁、袖石、仕切り石には同心円文や三角文の装飾が赤や緑の顔料で描かれており、典型的な装飾古墳である[1]。
玉や釧等の残存が出土し、墳丘の外周部分からは完形の盾持ちの武人形埴輪や馬形埴輪等の形象埴輪がみられ、6世紀の古墳であると判明した[1]。
二重の周溝をもち、埴輪を樹立するこの地域の大型円墳であり、この地域の内で顕著な存在であるのは当然のこと、装飾古墳として、また九州には数少ない形象埴輪を有する特色ある古墳として極めて重要な存在となっている[1]。装飾文様は現在泥土が付着しているが、遺存状況は非常に良好である。この文様には、本古墳と平野を隔てた日岡古墳等の文様と同じ系統に属する面がみられ、装飾古墳の研究のうえで貴重な古墳である[1]。