『仙台鹿の子』(せんだいかのこ)は、江戸時代に記された仙台最古の地誌である。作者不明。1695年頃に成立した。
仙台城下町の概要、町人が住む町と武家が住む丁についてそれぞれの成立事情、町人町の軒数と検断・肝入の数、城下の制札の全文引用、神社、仏閣、寺院、名所古跡について記す。
概要
個々の解説は短く、道の脇にある岩、昔あった沼など非常に細かい雑多な事まで載せるが、それゆえに貴重な情報も含まれる。本文中随所に「元禄八年まで凡千五百年余になる」「元禄八年まで五百十一年程になる」などという文が挿入されており、元禄8年(1695年)頃の成立を推定できる。
江戸時代中期以降の日本では全国で数多く地誌が編纂されたが、仙台に関するものでは『仙台鹿の子』がもっとも古い[1]。
脚注
参考文献
- 大内源右衛門・校訂・注解『仙台鹿の子 全』、復刻版、仙台郷土研究会、1977年。
- 「仙台鹿の子」、仙台市史編纂委員会『仙台市史』第8巻(資料篇1)、仙台市役所、1950年。
- 仙台市史編さん委員会『仙台市史』通史編5(近世3)、仙台市、2004年。
- 「あきんどの町」編集委員会『あきんどの町 おおまちに至るまでの400年』、おおまち商店街振興組合、1984年。
関連項目
リンク
- 仙台鹿の子(増補) - 国立国会図書館デジタルコレクション