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人質司法

人質司法(ひとじちしほう)とは、黙秘している被疑者や被告人を長期間拘留する(人質にする)ことで自白を強要しているとして日本の刑事司法制度を批判する用語である[1]

人質司法が問題となりやすい罪名

「被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮にあたる罪」の凶悪犯罪の場合は、自白しても逃亡の恐れがあることが最大の理由に保釈が認められないと見込まれているため、人質司法という批判は避けられる。一般的に人質司法として批判されやすいのは、特に否認せずに自白すれば略式裁判の対象となることが多い、下記のような微罪による身柄拘束である。

上記の罪において、否認していると正式起訴に発展することもあり、起訴後は被害者や目撃者などの証人と口裏合わせをする懸念から「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」又は「被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき」が保釈請求却下の理由になり、被害者らの証人地方裁判所で法廷証言を終えるまでは、保釈という形で身柄が解放されないことが多い。

また、逃亡の恐れが低いとされやすい社会的地位が高い人間が容疑となり複数犯が絡む知能犯罪や経済犯罪に対する捜査において、罪を認めて自白した者には保釈が認められたり、そもそも逮捕されなかったりするが、罪を認めていない者には逮捕・起訴されて保釈が認められないというように、自白の有無で身柄拘束や保釈の是非が決まると考えられる場合は『人質司法』という批判がされやすい。

その一方で、松本芳希大阪地方裁判所令状部総括判事が、2006年に法律雑誌で「現在の保釈の運用は基準が厳格化しすぎており見直しの必要がある」「証拠隠滅の恐れなどは具体的に判断し、保釈を拡大していくべきだ」と述べ、ライブドア事件橋梁談合事件では捜査機関から首謀者と目された人物が全面否認しても、早期に保釈されるなど変化がみられている[2]。また、痴漢容疑の逮捕案件では、東京地方裁判所では容疑を否認しても勾留請求を原則認めない運用が定着しつつある[3]

人質司法が指摘された例

カルロス・ゴーンの逮捕

AFP通信元東京支局長の(フィリップ・リエス)は、フランス経済紙『Les Echos』で、カルロス・ゴーン逮捕され、身柄を東京拘置所において108日に渡り身柄拘束されたことについて、自身が40年前にポーランド統一労働者党政権下のポーランド人民共和国で、スパイ容疑で収監された経験と比較し「当時は独房ではなく、日常着でいられた。妻と毎日、数分間面会する権利も得た」日本の検察は「途方もない権力」を担い、容疑者に自白を迫っていると訴え、「それが有罪率99%の原因。スターリン政権下のソ連でも、これほど高率ではなかった」と批判した[4]

フランスの新聞フィガロ』は、ゴーンの逮捕・勾留について『人質司法』であるとの見解を示した[5]CNNは、ゴーンの事件について hostage justice英語を用いて報じている[6]。2019年(平成31年)4月25日、東京地方裁判所の保釈決定に対して、検察庁幹部(氏名不詳)は「裁判所は『人質司法』という言葉に完全にひよっている。」との見解を表明している[7]

一方、中華人民共和国出身で比較刑事法学が専門の王雲海一橋大学大学院法学研究科教授は、フランスでは予備審問で劣悪な環境下において公訴の判断がされないまま4年以上勾留されることがあり、過少記載を2段階に分けて再逮捕した手法に関しても、欧米でも同様の手法が取られていると指摘し、海外からの批判に関して「筋違い」であるとした[8]

法制審議会

2014年(平成26年)の法制審議会特別部会では、居住先の指定など条件を課す代わりに、身柄拘束しないで捜査する「(中間処分制度)」を創設すべきか議論になったが、警察や検察出身の委員から「証拠隠滅の恐れが高まる」との否定的な意見が相次ぎ、見送られた。裁判官出身の委員から「手続きは適切」と一蹴され、村木厚子らは「我々の感覚とずれている」と温度差があったことを明らかにした[9]

脚注

  1. ^ “日本の刑事司法は,「人質司法」ではないですか。”. 法務省. 2023年4月2日閲覧。
  2. ^ “裁判所「否認でも保釈」の動き 裁判員制度導入控え ライブドア、橋梁談合…”. 読売新聞. (2006年5月26日) 
  3. ^ 毎日新聞2015年12月24日
  4. ^ ゴーン容疑者勾留「共産党時代の東欧よりひどい」と酷評 産経新聞 2018年12月19日。
  5. ^ 【環球異見】ゴーン被告保釈 英紙「司法制度がカントリーリスク」 仏紙「国際的圧力の作用は確実」 - 産経ニュース
  6. ^ Carlos Ghosn case puts Japan's system of 'hostage justice' under scrutiny - CNN.com
  7. ^ 検察幹部「裁判所は完全にひよっている」 ゴーン氏保釈:朝日新聞デジタル
  8. ^ 日産 ゴーン前会長、越年攻防 識者の話 王雲海・一橋大大学院教授/宗像紀夫・元東京地検特捜部長毎日新聞2018年12月31日
  9. ^ 中日新聞2014年7月10日朝刊

関連項目


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