世界がもし100人の村だったら(せかいがもし100にんのむらだったら、If the world were a village of 100 people)は、インターネット上でチェーンメールのように広まって、世界的に流布した世界の人々の相互理解、相互受容を訴えかける「世界村」(en:global village)について示唆を与える文章のことである。2001年前後から世界的に広まった。
成立
アメリカのイリノイ州出身のドネラ・メドウス教授 (Donella Meadows)(en) (環境科学) は1990年、「村の現状報告」(State of the Village Report)[1]と題した小文を著した。この小文では世界をひとつの村にたとえ、人種、経済状態、政治体制、宗教などの差異に関する比率はそのままに、人口だけを1,000人に縮小して説明している。これがネットを介して伝えられていくうちに、100人に人数が減り、また部分的に削除されたり、逆に加筆されたりして流布しているものと考えられる。
日本では、2001年3月にアメリカ、ワシントン・DCで当時世界銀行に勤務していた(中野裕弓)が、元同僚から受け取ったものを日本語に訳したのが、最初だといわれる。また同年2001年には翻訳家の池田香代子とC・ダグラス・ラミスが再話し、日本語に訳してマガジンハウスから出版した(#書籍の節を参照)。また、これを開発教育協会が、国際理解教育の教材として開発したものも存在する。
書籍
- 2001年 『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス、池田香代子、(ISBN 4838713614))
- 2002年 『世界がもし100人の村だったら2 - 100人の村の現状報告』(マガジンハウス、池田香代子、(ISBN 4838713800))
- 2004年 『世界がもし100人の村だったら3 - たべもの編』(マガジンハウス、池田香代子、(ISBN 4838715463))
- 2006年 『世界がもし100人の村だったら4 - 子ども編』(マガジンハウス、池田香代子、(ISBN 4838716869))
- 2008年 『世界がもし100人の村だったら - 完結編』(マガジンハウス、池田香代子、(ISBN 4838719361))
脚注
- ^ Meadows, Donella (May 31, 1990). “State of the Village Report”. The Global Citizen.
関連項目
外部リンク
- もしも世界が100人の村ならば(中野裕弓) - この文章の裏話とメドウスの文章が読める
- 世界がもし100人の村だったら - マガジンハウスのサイト
- 新・ワークショップ版 世界がもし100人の村だったら - 開発教育協会のサイト
- 動画で見る100人の村 - 100人の村をFlashで動画化している。