5代 上野 喜左衛門（うえの きざえもん、1901年（明治34年）8月6日[1] - 1971年（昭和46年）8月9日[1][2]）は、大正から昭和時代の政治家、実業家。(貴族院多額納税者議員)、参議院議員。
経歴
豪商[3]・先代(上野喜左衛門)の長男として鹿児島県薩摩郡隈之城村大字東手の向田（のちの川内市（現薩摩川内市）向田町）に生まれ[4]、父の死去に伴い1921年（大正10年）家督を相続し、前名次郎七を改め襲名する[3][5]。1927年（昭和2年）東京商科大学を卒業する[2][6]。1925年（大正14年）川内電気社長となる[2][6]。ついで日本水電副社長、南国興業、南国交通、静岡瓦斯、唐津瓦斯、鹿児島油糧、鹿児島自動車配給、南国殖産などの社長のほか、商工、農商各省委員などを歴任した[2]。ほか、西薩殖産銀行監査役、笠砂電気社長、宮崎瓦斯、鹿児島郵船、鹿児島朝日新聞[6]、大日本酒精各監査役[5]などを務めた。また、鹿児島県外では長崎県に進出し、雲仙市で雲仙小浜自動車を運営、更に1936年（昭和11年）には現在の長崎市にあたる地域で長崎茂木乗合自動車（のちの長崎自動車）の設立に携わっている[7]。
1932年（昭和7年）鹿児島県多額納税者として貴族院議員に互選され、同年9月29日[8]から1947年（昭和22年）5月2日の貴族院廃止まで2期在任した[2][6]。貴族院議員時代は研究会に属した[2]。戦後は1947年（昭和22年）4月の第1回参議院議員通常選挙に鹿児島県地方区から出馬し当選（補欠、任期3年）し緑風会に所属した[6]。同年、公職追放となり[1][9]、同年7月4日に辞職し[10]参議院議員を1期務めた[6]。
1954年（昭和29年）鹿児島商工会議所会頭に就任し6期14年在任[3]。また同年、鹿児島県公安委員長に就任している[1]。1959年（昭和34年）に長年、電気ガス事業普及開発に努め発展に寄与したとして藍綬褒章受章[11]。
1971年（昭和46年）8月9日死去、70歳。死没日をもって勲二等瑞宝章追贈（勲三等からの昇叙）、正四位に叙される[12]。
伝記
- 上野喜左衛門伝記編さん委員会編『気まま一代：上野喜左衛門伝』一水会、1975年。
親族
脚注
- ^ a b c d 『日本の創業者』293-294頁。
- ^ a b c d e f 衆議院、参議院 編 1960, 182頁.
- ^ a b c d e 『鹿児島大百科事典』93頁。
- ^ 川内郷土史編さん委員会 1980, p. 1012.
- ^ a b 人事興信所 1928, ウ23頁.
- ^ a b c d e f 衆議院、参議院 編 1960, 234頁.
- ^ 長崎自動車75年史, p. 16.
- ^ 『官報』第1727号、昭和7年9月30日。
- ^ 総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年、699頁。公職追放の該当事項は「翼賛政治体制協議会構成員」。
- ^ 『官報』第6142号、昭和22年7月7日。
- ^ 『官報』第9857号659-660頁 昭和34年10月29日号
- ^ 『官報』第13394号17頁 昭和46年8月13日号
- ^ 『日本の創業者』294頁。
参考文献
- 人事興信所 編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
- 衆議院、参議院 編『議会制度七十年史 第1』大蔵省印刷局、1960年。
- 『鹿児島大百科事典』南日本新聞社、1981年。
- 『日本の創業者 - 近現代起業家人名事典』日外アソシエーツ、2010年。
- 長崎自動車75年史編集委員会『長崎自動車75年史 NAGASAKI BUS GROUP』2011年12月。
- 川内郷土史編さん委員会『川内市史 下巻』川内市、1980年。